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シリル・アーチボルト

10年以上使っていたスマホを買い替えました。表面のガラスフィルムと裏面にはヒビが入り、バッテリーは

51%しかなく、一日充電をしても1%しか充電できない状態まで使いました。美少女付喪神にならないかな……



「あれが我がベンバートンの領地だ!」


 クレイグさんが治める領地は、俺が住んでいた街ほど発展はしていないものの、住む人々が自然と笑顔を作ってしまうような、のどかで活気の溢れる場所だった。


 「クレイグ様!お出かけなさっていたんですか?よかったら、これ召し上がってください。」


「クレイグ様。近々子供が産まれるんです!よかったらお腹の子の名ずけ親になっていただけないでしょうか……」


「クレイグ様!」「クレイグ様!」「クレイグ様!」


 館に向かう途中、何度も領民に話しかけられるたび馬車を止め話を聞くクレイグさんの姿を見て(これからこの人に仕えるのか)と誇らしく思えた。

「館に着くのに随分と時間がかかってしまったな……」


 早朝スラムを出た馬車は、夕方になりようやく館へと辿り着いた。

「ほら、着いたぞ。」 


 少し遅れて着いた馬車からシリルと弟たちが現れた。

「シリル、何故お前が馬車を運転している?運転を任せたのは別の兵士だったはずだが」


「それは……」


 シリルさんが言葉に詰まると弟たちがシリルさんの前に立ち両手を広げた。

「この人は悪くないんだ!」


「運転している人が僕たちのこと汚くて臭いって……それでシリルさんは怒って馬車から下ろしてくれたんです!」


「だからおじさん!お兄さんのこと怒らないであげて!」

 

 三人は一人の言葉が詰まる度、もう一人がカバーしてクレイグさんに馬車の中で起きたことを説明した。

「お前たち……」


「シリル、馬車から下ろした兵士はどうしたんだ?」


「一日分の食費を持たせ、歩いてくるよう命令しました。」


「そうか。それで、お前は今回のことを反省しているか?」


「反省……してません!たまたま不自由なく暮らせる家庭に生まれた我々が、この子たちを笑ってはいけないと思っています!」


「そうか……そうか!やっぱりお前を同行させて正解だった!安心しろお前は正しいことをした。もし俺が一緒に乗っていたら殴っていたくらいだ!」


「よかったねシリル兄ちゃん!」

 

「兄ちゃん……俺がか?」


「うん!だってケニー兄ちゃんが言ってたもん!兄は弟や妹を守るもんだって!」


「そうか……そうだな。」


 シリルさんと弟たちは共に喜んだ。喜ぶ際弟たちはシリルさんに抱きついたが、シリルさんは嫌な顔一つせず弟たちを抱きしめた。

「さぁ館に入ろう。シリルは子供たちと風呂に入ってこい。風呂が終わり次第、みんなで食事にしよう。」

 

 


  

 

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