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授賞式



 今日は一ヶ月に一度の試験の授賞式。受賞者は各学年から一人選ばれ、その名は多くの貴族に知れ渡る。


 「今年の全試験合格者は例年より少なく、全校生徒の半数も満たない結果となりました。ですが、全てのテストを満点で解答し。貴族のマナー、一般常識、戦闘試験も完璧にこなした生徒が今年は各学年に三人います。名前を呼ばれた者は壇上に。」


 おそらく、集まった全生徒が名前を呼ばれるまでもなく誰が受賞者か感じ取っていた。

「一年生 レイラ・シモンズ。」


「はい!」


「やっぱり今年はあの子が受賞者か……」 「最近は第一王子のルーカス様と第二王子のロルフ様とも交友関係があるって噂だぜ……」


 マーガレット様がイジメたと噂になっていた子だ。噂通りマーガレット様とは違う方向で男性を惹きつける魅力がある。俺と同じ平民の生まれと聞いていたが、立ち振る舞いは貴族そのものだな。


「二年生 マーガレット・ベンバートン。」


「嘘だろ……マーガレット・ベンバートンってレイラ・シモンズをイジメたって噂のだろ……」


 「婚約破棄されかけてて必死なんだろ……」


 「でも、マーガレット・ベンバートンの後に戦闘試験受けたやつの話によると試験官が怪我をするほど追い込まれたって話だぜ……」

 

 周囲の心無い囁き声が聞こえる。だがマーガレット様は周囲の声に耳を傾けることなく壇上へと上がった。


 「三年生 ルーカス アルベルト」


「まぁ……そりゃ……な?」 「流石は我らの生徒会長様だ。」


 学園の生徒全員が知っていたという反応をしていた。それもそのはずルーカス・アルベルトは入学から、この日まで受賞者に呼ばれなかったことがない。


「受賞者への賞状は生徒会長であり第一王子のルーカス・アルベルトくんより送られる。なおルーカス・アルベルトくんには私こと学園長 ジェフリー・マレットが授賞します。」


 学園長の丁寧な説明が終わり、早速ルーカス様による賞状の授与が始まった。

「レイラ・シモンズ。よく頑張ったねおめでとう。」


「ルーカス様が勉強を教えてくれたおかげです!ありがとうございます!」


「マーガレット・ベンバートン。弟が君に迷惑をかけたと聞いた、本当にすまない。」


「いえ、私にも非はあります。お気になさらないでくださいルーカス様。」


「そう言ってくれると助かるよ。改めて受賞おめでとう。」


 マーガレット様が授与された後。学園長からルーカス様に手渡され、無事に授賞式は幕を閉じた。


「マーガレット……」


 その時の俺は、マーガレット様の受賞をきっかけに、ロルフ様があんな行動をとることを知る由もな

  

 

 

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