表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

182杯目 苦い想いは消えるだろうか


「…久々に学食に着いたわね。」

「スイッチ入ってるわね。」

「だって、久々だから!」

「…ビショップ?大丈夫?」


学食に久々に入る飛翔たち、しかし飛翔はスイッチが入らない。大事な人を失った悲しみを乗り越えることはできるのか?


「ごめん…無理かもしれない…」

「…そうだよね。まだ悲しいままだもんね。」

「少しそっとしておいてあげましょう?飛翔、私たちがどうにかするから。」

「そうだね。」

「昔は生徒会長だからって結構悪さしたな…今となれば申し訳なかった…」

「…あの時って結局何がそうさせたんですか?」

「あれは好奇心だった。飛翔が止めてくれると思ってくれてたんだ…」

「飛翔さんも止められないですよ!」

「本当に申し訳なかったわ…でもマヨネーズは正義よ。」

「そうでしたか…」

「…あの子も見つかってないですよね…」

「心美ちゃんのこと?あの子は…」

「…サーシャ、隠れてないで出てきたら?」

「ありゃ、バレちゃった…俊一と心美も一緒だよ。」

「お久しぶりです!」

「…飛翔さん…あんなに落ち込んで…」

「あぁ…私から話すね…」


真音はサーシャたちにこれまで起きたことを話した。そして、生徒会たちと同盟を組んだこと、戦争に参加することを話した。


「結花さんって…あの結花さん!?…」

「信じられない…殺されるべきじゃないのに…」

「私の魔力が戻れば…蘇生できるのに…どうして…」

「一番悲しんでいるのは飛翔と初音だと思うの。」

「そりゃ天使の仲間ですから…」

「…飛翔。私たちと一緒に料理しよう?」

「…結花が死んでから抜け殻になってしまったんだよね。」

「次は何を失う…って考えるとちょっと悲しいよね。」

「ノエル、飛翔の相談相手を。…厨房!もうすぐアレできる?」

「あぁ!とてもいい感じだ。飛翔の心に響いてほしい。」


みんなが作っていたのは豚汁だった。昔から飛翔が得意な料理で、大好きな料理だった。塩にぎりと一緒にテーブルに出した。


「ひーくん!一緒にご飯にしよっか!」

「あぁ。」

「ビショップ…?」

「…あぁ、美味しいよ…ここまで美味しいのは久しぶりだよ…」

「本当に?」

「本当でしょ…飛翔の目を見ればわかるわ。」

「本当だ!泣いてる。」

「ここまでなるのには理由があるんだよ。みんな心を込めて作ったよね?」

「当たり前じゃない。いつもそうだけど。」

「そう、真心を込めたからここまで美味しい料理ができた。心に響く料理を作ることができた。これが今重要だと思うの。」

「…飛翔、思い出した?」

「…ありがとう。もう大丈夫だよ。」


無くなったものを引きずるのも一つの選択、それを乗り越えて新しい道へ進むのも一つの選択。大事なのはその選択で迷う時にもらう助言なのだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ