189杯目 僕がいるから、みんないるから
「…それで戦争が起きたんですよ。」
「戦争によって何人亡くなったのだ?」
「確認できるだけで30人ほどは…」
「…どうお詫びすればよいのか…」
三日戦争や連日続く大小様々の戦争によって、多数の人が亡くなった。中には仲の良かった友人や同盟の仲間も命を落とした。そして、最後の戦争が起きるのに…時間はなかった。
「…さくら?さくらだよね!?」
「…」
「…さくらさん!どうして真音さんを!」
「どうして!私たちは仲間でしょ!」
「…知らない。私の敵。」
「…そんな…」
「あ…あぁ…」
「無理もないわね。やっぱり裏切られたんだわ。」
「そうだな。私たちがもっと気にかけていれば…」
「もう私たちの言葉は聞こえないのね…」
「…やった。ざまぁみろよ、薄情者。」
「…その声…」
「偽善者は黙れ、すべてはお前を殺すため。」
「…ヤス…」
「どうしてこんな真似をするの!」
「簡単だよ、裏切り者。お前が俺を切ったからだろ。」
「…違う。」
「はぁ?」
「違うよ!僕は縁を切りたいから切ったんじゃない!あの時ヤスは何をした!」
「あの時って?」
あれは昔のことだ。生徒会長が新世界の創造という大事件を起こした。この時飛翔たちはパウンドケーキを作って改心させたというが、ヤスは解決から逃げた。あれから疎遠になっていたというが、彼はそれを縁を切られたと思い、その勘違いが憎悪を生んだ。そしてこの戦争を起こした。
「…だから私が攻撃されたの。私、京子、飛翔には恨みがあるからね。」
「しかも向こうの陣営は私たちより人が多そうですよ…」
「…飛翔さん、わたくしたちなら問題ないですよ!」
「僕も一緒に戦うよ!」
「サーシャ…俊一…」
「…あの天使を殺したのに…どうして…」
「ヤス、飛翔にあってあなたにないものが一つあるの。」
「そんなものはない!」
「…そう、じゃ当ててみなさい!」
「ならば殺すのみ!」
ヤスは使役させていた仲間で攻勢をかけた。一方飛翔側は真音と京子の二人で先陣を切った。これは澪やゆりねからすれば弱く、雪やサーシャからすればサポートとして戦う方が都合がいいからだ。アタッカーだけでごり押すか、総合力で勝ちに行くか…
「…まだまだ!」
「しかし…ちょっと多いですね…私たち二人だけでは何とも…」
「どうした?へばるのか?」
「いや…まだだ。」
「…初音さん、何か策は?」
「嘘だろ…あいつ、天使除けを使ったな。」
「え!?」
ヤスが持っていたのは…天使のみを確実に殺すための武器である。つまり…最初から狙っていたのは…飛翔ただ1人だけだった。
「私と飛翔は戦えない。打開策がない限り私たちは死ぬんだ。」
「…初音さん!?…飛翔さん!?」
「君は…佳奈…?」
「でも佳奈は前に…」
死期を悟った初音と飛翔、二人の目の前に現れたのは…すでに死んだはずの同僚だった。




