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187杯目 もう、離れないでね


「飛翔…!」

「俊一とサーシャも!」

「おかえりなさい!」

「…なぁ。帰ってきて早々だが…」


飛翔たちの帰還に喜ぶ仲間たち、サーシャと俊一は事情と考えを話していた。しかし澪だけは何かおかしいという疑問を隠せずにいた。


「飛翔、私たち寂しかったんだよ?」

「本当にその通りです!」

「勝手にどこか行っちゃだめだよ?」

「ごめん。」

「でも…味覚がなくなるなんてね…」

「それほどつらかっただなんて…初音、起きて~」

「飛翔が帰ってきたんだな…聞いてくれ。何を食べても味をしないんだ。」

「大丈夫、いつでも僕がいる。」

「…飛翔…ありがとう…今の言葉…実はとても…とってもうれしかった。」

「本当!?よかった…」

「味覚はゆっくり取り戻しましょうか。」

「今日は…ゆっさんとノエルが担当なのか…」

「呼ばれたので私から伝えておくわ。あ、これからゆっさんでいいわよ。それと…さっきから会長が考え込んでいるわ。少しだけ気にかけておいてね。」


澪は考えてた。この中に裏切り者がいるのではないかと。ここ数日すいせいとさくらを見ていないからだ。もし倒れていたら誰かが気付くと考えると…やっぱり裏切られたのかもと。


「今日のご飯はエビマヨで!」

「いいえ、今日はエビフライです!」

「どっちも揚げるじゃない!」

「タルタルソースをかけ放題にしますから!」

「そういう問題じゃない!味の濃さで味覚をごり押せるから!」

「味覚がダメなら食感で勝負でしょ!」

「落ち着け。私はエビチリがいいと思うぞ。」

「エビチリ…あったわねぇ…」

「待って…忘れてた…」

「ちなみに辛み少なめでね。」

「あ、はい。」


こうして生徒会のみんなはエビチリの定食を作り始めたようだ。ご飯かチャーハンか、中華スープかテールスープかなどで揉めつつも結局丸く収まって出来上がった。


「ちゃんと美味しいじゃない。」

「…美味しい。だけど2人は…」

「味がしないように見えますね…」

「やっぱり駄目だったのかな…」

「いや、大丈夫だ…私がエビチリにあるものを入れたからな。」

「もしかして…やばい粉ですか?」

「澪、素直に言いなさい。」

「卵白と片栗粉、それに料理酒だ。」

「…それって…」

「わかるだろう?エビをぷりぷりにする魔法の…」

「下ごしらえね。でも、ここまで美味しそうに食べているのは久々に見たわ。」

「…良かった。私の努力が報われて。」

「…ごちそうさまでした!」

「…よくよく考えたら、ごちそうさまだなんて聞いたことなかったな。」

「それを言いたいぐらい美味しかったってことよ。きっと星よりも大事なんだわ!」


味覚が戻るのには時間がかかる。しかし、心を込めた料理には味覚では絶対感じられない美味しさがあるという。

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