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第26話 大当たり

 ギルドに戻ると既にギドさん達は戻ってきており酒場で一杯やっていた。


 オーガを200体以上倒したこと、四つのパーティ全てを三級に押し上げたことを伝え、オーガの素材を使って派閥の冒険者に防具と武器を作ってはどうかと提案した。


 オーガの革装備は非常に優秀な装備であり、高級な装備でもある。派閥のシンボルにもなると思う。


 その点については皆賛成してくれた。

 ただ問題はどんな装備にするかなんだよね。皆に行き渡る装備を作るとなるとどうするか考えないといけない。

 まぁ、酔っ払っているから後でまた話さないといけないだろうけど。


「あ、それと、バッジさんが空間魔法を狙って覚えましたよ」

「「「「何ぃぃい!?」」」」


 アークさん以外の食いつきが凄かった。


 スキルは多分相性とかもあるんだろうけど戦闘への貢献度が高いと経験値が入りやすい。

 問題は空間魔法の経験値が戦闘では入りにくいってことなんだけど、その解決策をバッジさんが発見した。


 それも今回拾得した石壁の杖のお陰だ。

 質量のある石壁を生み出せたからこそマジックバッグが化けた。


 それにこれは杖になってるから指向性があって魔法が使いやすい。

 加えて防御系の魔法が増えたのが助かる。

 戦闘に貢献しやすい魔法だから修得が簡単なのもいい。


 俺、エリー、母さんはレベルが低いから気にしなくてもいいけど、悠久の皆はレベルが高い。スキルを修得する機会はその分限られる。

 空間魔法を修得する方法が確立できたのだとしたら、それはすごい発見なのだ。皆空間魔法を修得したがっているからね。


「じゃあ、俺は空間魔法は確定として雷魔法を覚えたいんだよな」

「俺は回復魔法を覚えておきたい。引退したあとも使えそうだし」

「水魔法も便利だぞ」

「そうだな。でもパーティとしての連携を考えたら石壁の魔法も誰か覚えた方がいいんじゃないか? ロイ以外にも防御出来るやつがいた方がいいだろ」

「じゃあ、アークだろ」

「いや、俺だって攻撃魔法を覚えたいぞ」

「いや、もはや空間魔法は攻撃魔法だろ」

「ハッハッハ。お前等氷魔法の有用性が分かってねぇな。見ろ、【氷結フリージング】。ほら飲んでみな」

「な、酒がめちゃくちゃ美味くなってやがる」

「だろ? 素材の鮮度を保つのにも役立つしな。こいつは便利だぞ」


 皆どの魔法を覚えたいか、パーティとしてどんなスキルが有用か話し始めた。

 聞いてるだけでも夢が広がって楽しい。


 でもこれって良く考えたら凄いことだよな。スキルを新しく覚えること自体が普通じゃないんだから。

 

◇翌日、ザーレダンジョン18階◇

 新規加入した四級、五級冒険者たちと一緒にダンジョンに潜った。五級の冒険者達はキャリーはバッジさん達に任せ、四級の冒険者は俺達がキャリーすることにした。

 俺達は18階、バッジさん達は16階でキャリーをする。


 オーガ相手であればバッジさん達は危なげなく倒せるようになった。短時間の滞在であれば問題ないので五級の冒険者がレベルの壁を越えたらさっさと引き返すことになっている。


「ギド、一度に三組もキャリーして大丈夫なのか?」

 四級冒険者の一人がギドさんに質問を投げかけた。


 18階には四級と三級のモンスターが湧く。

 出現する三級モンスターはギガントタートル。巨大な亀だ。動きは遅いが防御力が非常に高く甲羅に閉じ籠もられると倒すことは非常に困難になる。

 水系のスキルを使い攻撃力もあるのだが、それよりも厄介なのが倒すのに時間がかかると四級のメガフロッグがどんどん湧いてくることだ。

 メガフロッグは人の倍くらい大きい蛙で、かなりの巨体でありながら瞬発力が凄まじく、体当たりの威力はオーガ以上の攻撃力と言われている。


 ギガントタートルとメガフロッグの出現率は1対5程度であり、キャリーするとしたら運良くギガントタートルに一発で遭遇し、メガフロッグが来る前に倒すしかないと言われている。

 当然それは容易ではなく、しかも三組もキャリーするとなると一度で全員がレベルの壁を越えられる保証はない。


 つまりかなりの時間18階に滞在する必要があるということになる。


「まぁ、問題ない。ギガントタートルが出たら僕らが抑えるから安心して攻撃してくれ。メガフロッグはシル達が対処してくれる」


「大将が強ぇのは知ってるが、ギガントタートルを倒すのにどれだけ時間がかかるか分からねぇんだぞ? 一体どれだけのメガフロッグを相手にすることになるのか分かって言ってるのか?」

 四級冒険者は大分心配なようだ。

 まぁ、慎重に冒険者としてやって来たから四級まで上がったんだろう。

 慎重なのは悪いことじゃない。


「ザジ。見てればシル達が僕らの常識じゃ測れないってことが分かるはずだ。数は問題じゃない。そして何故僕らがシルの下についたかも良く分かるよ」


「まぁ、お前がそこまで言うなら信じるとしよう」

 ギドさんがあまりにも自信だっぷりに言い切るのでザジさんも納得したようだ。


「ギガントタートルだ」

 カイルさんから声が飛ぶ。


 どうやら一発目からギガントタートルを引き当てたようだ。


「お、さっそく現れたぞ。運がいいな。ロイ、頼む」

「任せとけ」


 先頭のロイさんが駆けていく。


 ギガントタートルは巨体に似合わず臆病な性格なようで、大勢で討伐しようとすると初手から甲羅に引きこもってしまう。

 そうなると面倒なのでロイさんは一人先行したわけだ。


「一人で大丈夫なのか?」

「まぁ、行けば分かるよ」


 暫く歩くとギガントタートルの巨体が見えてきた。

「でかっ!」

 

 体高は俺の三倍はある。圧倒される巨体だ。

 前に立つだけで身震いしそうだ。

 だが、そのギガントタートルは既に氷で覆われていた。


「よし、攻撃してくれ。準備は終わった」

 ロイさんが四級冒険者に攻撃するように促す。


「攻撃しろったって······」

「フンッ。これでいいか?」


 ロイさんは首筋の氷を殴ってたたき壊した。

 ここを攻撃しろということだろう。


「安心しろ。こいつは寒さに弱いからな。もう動けん。一応口も塞いでいるが······窒息で死ぬのは期待しないほうがいいかもな。亀だし」


 爬虫類系や両生類系のモンスターは属性を持っていなければ温度変化に弱い。

 氷魔法はもろに弱点だったりする。

 弱点を突けば三級のモンスターと言えど簡単に倒せてしまう。


 甲羅に籠もられなければ四級冒険者の敵ではない。

 口も塞いでいるのでスキルも使ってこないはずだ。


「ここまで簡単でいいのか? あまりに拍子抜けだな」


 そして時間をかけず首を落としてギガントタートルは討伐され、一組目は無事にレベルの壁を越えた。簡単すぎたのか思ったより反応が小さかった。


「皆耳塞いで! 【落雷サンダーボルト】」


 メガフロッグは現れるなりエリーと母さんが瞬殺していく。


「あ、じゃあギガントタートルは回収しますね」

「こ、この巨体を回収出来るのか?」

 ザードさんは目を見開いて驚く。


「問題ないです」

 マジックバッグに入れるフリをして【収納庫ストレージ】にしまう。


 魔導具は使用するのに魔力を消費するのでギガントタートル程の巨体を収納することは本来出来ない。

 そのためダンジョン内でギガントタートルを倒せても素材を持ち帰ることは出来ないのだ。


「こいつにどれ程の値がつくかはわからんが、報酬の分配はどうする? 支払いが遅くなる可能性はある」


 どれ程の値がつくかは分からないが安いワケがない。ギルドで値がつけられないとオークションにかけられたりする。

 そうなると当然支払いが遅くなるのでその懸念をギドさんは口にした。


「いや、特に何の苦労もしてないんだが······報酬を貰っていいのか?」

 ザードさんは驚いていた。18階は本来は稼ぐ場所ではないからだ。

 報酬は無いものと思っていたのかもしれない。

 他の冒険者達も似たような反応だった。

 

「一応そういう取り決めだからな。まぁ気が引けるなら派閥の奴らに奢ったり、面倒を見てくれると助かる」

「もちろんそうさせてもらう。一体どれ程の値がつくのか······確かに、常識を覆されたよ」


 ザジは乾いた笑みを浮かべていた。


「面倒だから自分達が倒したギガントタートルを報酬にするってことでいいか?」

「十分過ぎる。全く問題ない」

「ありがたい。こちらもそれで十分だ」

「恩に着る」


 報酬は三組ともギガントタートルを一体ずつと言うことで無事話がついたので探索を進めた。


 半刻もせずに三体のギガントタートルを討伐し終え、無事にキャリーを終えることが出来た。


「じゃあ、俺達はまだここで探索を続けるから気を付けて帰ってくれ」

「ああ······分かった。あまりに簡単過ぎて今でも信じられない。本当に恩に着る」


「まぁ、気にするな。シルがそうするって決めたからやってることだ」

「それでもだ。本当に感謝している。あと俺はレベルの壁を越えた今でも、とてもここで稼ぐ気にはなれんよ。凄まじいの一言だ。気を付けてな」

 そう言ってザジさん達は早々に引き上げていった。


 まぁ、俺たちにとってはこれからが本番だな。


「じゃあ、試してみますか。【石壁ストーンウォール】」


 イメージしたのは斧の刃の様な壁。

 重く、分厚く、上に行くほど鋭くなる刃。

 ギガントタートルの首を切り落とせるほどの巨大で重く、固く、鋭い刃。


 その結果出来たのは黒い石の壁。

 いや、巨大な斧の刃が出現していた。


 これをしまって、出す時に反対向きで出せればかなり攻撃力が出るはずだ。


 マジックバッグにしまう。

 これは特に問題なく出来る。


 マジックバッグに魔力を通すと中に入っているものが頭に浮かんでくる。


 バッジさんは取り出す位置をモンスターの上に指定した。

 今まで取り出す位置は意識したことなかったけど、意識すればある程度の範囲内であればどこにでも出せるのが分かった。


 では取り出す向きはどうかと言うと、これも意識すれば好きに変更できそうだ。


 うん。これはイケそうだな。


「大丈夫そうですね。向きを反対にして出すことも出来そうです」

「よし、いいぞ」


 目処はついたのであとはギガントタートルが出るのを待つばかりだ。


 出て欲しいと望むと何故かギガントタートルは中々出なくなったが、それも時間の問題だった。


「ついに来たか!」

「待ちに待ったぜ!」

「ギガントタートルを待ち望む日が来るとはな」

「いやぁ、楽しみだね」

「先ずは俺から行かせてもらうぞ」


 先ずロイさんが進み出る。

 ロイさんは既に三体のギガントタートルを倒すのに貢献しているのでいつレベルが上がってもおかしくない。

 そのため優先度が1番高いのだ。


 ちなみに今回は俺が氷の魔法を使ってギガントタートルを凍らせている。

 味方も凍らせてしまうので今まではロイさんに任せていた。


 加えて【重力グラビティ】をかけて首を寝かせている。これで大分狙いやすいはずだ。


「よし、頼む。来てくれ空間魔法!」

 ロイさんは固まって動かないギガントタートルの上に黒い斧の刃を出現させた。


――ズバンッ――


 無抵抗のギガントタートルには悪いがこれも弱肉強食。俺達の糧になってくれ。


 落下した斧はアッサリとギガントタートルの首を切断し、地面に衝突した。

 

 その衝撃に耐えきれず刃は欠け、亀裂が入った。

 1回きりの使い捨てになってしまったが、まぁ、また作ればいい。


 ここに捨てても俺達以外はここに来るやつはいないだろうから問題ないだろう。

 そのうちダンジョンが吸収してくれる。


「お、お、お、きたぁ!」


 どうやらレベルアップしたようだ。

 問題は空間魔法を覚えているかどうか。


「ステータスオープン! 頼む!」


『ロイド:レベル36

 HP:151

 体力:70  

 魔力:87

 筋力:69

 敏捷:70

 頑強:66

 知能:73

 感覚:70

 スキル∶【結界魔法】、【魔力感知】、【魔力操作】、【身体強化】、【魔法耐性】、【氷耐性】、【雷耐性】、【重力魔法】、【氷魔法】、【空間魔法】』


「うおおおおおおおお! きたああああああ! っしゃああああああああ!」


 ロイさんは大歓喜だ。

 拳を突き上げて喜んでいる。


「おお、マジか!」

「やったな!」

「おめっとさん」

「おめでとう。ロイ」


 これはもうほぼ確実に狙って覚えられるとみなしていいと思う。


 無事に狙ったスキルを修得出来ることが分かったので、ギガントタートルを求めて探索を続けた。


 そして何体もギガントタートルを倒し続け、悠久の皆は全員が望んでいた空間魔法を覚えることが出来た。

 アークさんも雷魔法を覚え、望んでいた攻撃魔法を修得できたのだった。


「それにしてもレアが出ないな」

 結構な時間18階にいるがまだレアに遭遇していない。


「そう言えばそうね。······ところで18階のレアって何なの?」

「いや、それが分かってないんだ。18階以降は殆ど探索されないからレアが分かってないんだよ。だからレアが何か楽しみなんだけどね」


「へぇ、それは楽しみね。······ってあれ? シル、あれ宝箱じゃない?」


 エリーが指差す方向に宝箱様が鎮座しておられた。


「あ、ホントだ。やったね! ってあれ? でもレアは?」

「もしかしたらギガントタートルがレアだったんじゃないの?」


 ああ、そうか。

 その可能性があるか。

 レアが普通に沢山出るから気付かなかっただけなのかも。


「まぁ、そうだな。きっと」

「ねぇ、シル。開けていい?」


「いいよ。開けな」

「ありがと。へへぇ、何が出るかなぁ?」


 この瞬間は何度経験してもワクワクする。

 皆も宝箱の周りに集まって何が出るかを期待して待つ。


「シル! また杖だよ!」

「よし来た」


 早速鑑定の魔導具を使って調べてみる。


『炎嵐の杖』


「火系の杖か」

「これは良いのがでたな!」

「しかも範囲攻撃の魔法だね」

「これはまた覚えたい魔法が増えたな」


 今までは火の魔導具は着火棒だったからね。火魔法は覚えづらい魔法だった。


 これがあれば覚えやすくなるだろうな。


「ちょっと使ってみるね」


 杖に魔力を込めると魔法が頭に浮かんでくる。


「【炎嵐フレイムストーム】」


――ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアオオオオオオオオオオオオオ――


「うわっつ」


 目の前に炎の壁が現れ凄まじい熱気が襲ってきた。


 炎はうねりを上げて周囲を焼く。

 どうやら魔力を注ぎ続ければ燃やし続けることが出来るようだ。


 でも熱すぎたので直ぐに解除した。


「えげつない火力だな。流石火魔法といったところか」

「しかし、これは使い所が難しいな。素材が駄目になる」

「でも、火魔法を覚えるのには役立つぞ」


 貴族が先ず覚えさせようとするのが火魔法らしい。多分火魔法の熟練度が上がれば【炎嵐ファイアストーム】を覚えられるんだと思うけど、この威力を見れば火魔法を覚えさせるのも納得がいく。


「でも、雷魔法の方が強くない?」

「そうよね。【火弾ファイアショット】よりも【落雷サンダーボルト】の方が威力が高いし、感電させたりも出来るから使い勝手は良いわよね」

「熟練度が上がればもっと凄いの覚えちゃうんじゃない?」


 両方の魔法が使えるエリーと母さんが雷魔法最強論を述べるが俺もそう思う。


「耐性つくかな?」

 指向性があるから割と安全に耐性をつけられそうな気がするんだよね。


 俺がそう言うと、誰も目を合わせようとしなかった。


·········

······

···


「熱うううううい! 無理よ! 死ぬわ!」

「そう? 確かに熱いけど魔法耐性があるから案外耐えられるわよ?」

 エリーは叫びながら炎の熱に耐えている。

 母さんは案外大丈夫そうだ。


「そうだけど、気分的に熱すぎるのよ!」


「まぁ、これならいけるか?」

「確かにきついが思ったよりは大丈夫だな」


 やってて良かった負荷訓練。

 魔法耐性のお陰で、気合い(魔力)を込めれば案外熱に耐えられた。


 もちろん炎の向こうにはメガフロッグがいたりする。


「「きゃあっ」」


 多分メガフロッグを倒したからだろうが、そのタイミングで母さんとエリーが気絶してしまった。


 オーガとメガフロッグで相当経験値を溜め込んでいた事もあって、【固定】が外れてしまったんだと思う。

 三級を倒さなくても【固定】が外れることがあると分かったのも収穫だ。


 もうそろそろ格上モンスターが出るというタイミングでの気絶だったが、ここは仕方ないと割り切るしかない。

 元々三級以上のモンスターは悠久の皆と俺で相手するつもりだったしね。


 そう間をおかず強い魔力を感知した。

 数は2体。


 魔力の感じからして1体は明らかに三級じゃないな。


「おいおい、こいつはヤバくないか?」

「ああ、やべぇのがおいでなすった」

「まぁ、やるしかねぇよな」

「はは、魔力やべぇな」

「シル、三級の方は任せていいかい?」

「いいですよ」


 皆は感知しなくても伝わってくる魔力の大きさに戦慄しているが、のまれてはいない。


 寧ろやってやるぞという気概が表情に表れている。

 自分達が強くなっているという確信があるのだ。


――ズゥン――

――ズゥン――

――ズゥン――

――ズゥン――


 そうして現れたモンスターのうち片方は見覚えがある。


「よりによってアイアンゴーレムだとっ!」

「三級最悪が来やがった」


 二人が気絶してるから運が良い。

 弱点を知ってる相手が来てくれて助かった。


「皆耳塞いで。【落雷サンダーボルト】!!!」

――ドガガガガガガガァァァァァァン――


 【落雷サンダーボルト】を何発分か撃ち込むとアイアンゴーレムは崩れ落ちた。


「【収納庫ストレージ】」


 隙かさず回収する。

 正に瞬殺だった。


「はは、流石に笑うしかない」

「瞬殺かよ」

「凄えな」

「雷強ぇ」

「雷効くんだ」


 アイアンゴーレムが瞬殺されたことに皆驚いていた。

「もう1体は何だ?」

「まさか······」


――ズゥン――

――ズゥン――


「ミスリルゴーレムだとっ!」

「やべぇの来たな!」


 ミスリルゴーレムはヤバい。


「絶対倒すぞ」

「当たり前だ!」

「大当たりじゃないか」


 皆の目の色が変わった。

 やる気がヤバい。


 一体素材はいくらで売れるのか見当もつかない。

 ミスリルは魔鉄とは比べ物にならないほどの希少かつ超高級金属だ。


 俺はエリーと母さんを守りながら皆の戦いを見守っていた。

 悠久の剣は本当に強いパーティになった。


 ミスリルゴーレムは重力魔法で動きを封じられるとあとはただの的に成り下がった。

 後は色々スキルを試されたあと、雷魔法で仕留められた。


 雷、重力、氷、この三つの魔石の魔法が本当に有能過ぎる。


「っしゃああああああ!」

「やってやったぜ!」

「ふぅ」

「うらぁ!」

「よおおおおしっ!」


 今回俺は皆のステータスを【固定】しただけでそれ以外は何も手を貸してない。

 多分、その手助けがなくても倒せていたと思う。


 皆は本当に強くなった。

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