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「色は綺麗なんだよな。色は。形も尖ったところが無いから、リアが言う安全も確保できていると思う。……だけど、どうしてもスリットがなぁ。樹脂を使ったお陰でスリット部分も強度は出てきたけれど、このおもちゃの包丁を当てても、スパっと切れないんだよなぁ~」

 この世界には解体用やパン切用の包丁しか無いみたいで、『熊のまどろみ亭』なんかでもナイフで野菜などを切っていたんだけれど、ウチのレストランやホテルでは私のスキルで造り出した三徳包丁を使わせているんだ。

 で、このおままごとセットを通して、世の中に包丁を流行らせてしまおうという壮大な野望を私は抱いている。そのせいで、今やランビットやボブも普通に包丁という言葉を使うようになっているんだよね。へへへへ。


「スリットの形を変えるか?」

「それしかないか……」

 今の設計だと左右に分かれたパーツの両面に縦に複数スリットを入っている。

 両方のパーツを合わせて一つの食材にするには、それぞれを上下にずらし、溝同士をかみ合わせてから一気に動かすことで一つの野菜や魚、肉などになるようにしている。

 ただ、最初は強度強化のために塗布した樹脂が邪魔をして、スルリとパーツが滑って手に持っていない方のパーツが下に抜け落ちるといった不具合が出た。

 そこで樹脂の面粗度を上げて表面に少しザラザラ感を出し、指にわずかな引っ掛かりを感じる程度に調整してもらったんだけれど、今度はおもちゃの包丁を入れてもちょっとやそこらでは野菜の方が切れなくなってしまったのだ。


「まぁ、樹脂の面粗度も変える方向でいってみるってのもあるかもな」

「じゃあ、その両面で進めてみる」

「なら、樹脂の配合はこっちの工房でやるよ。お前、時間ないだろう?」

「助かる!」

 ボブとランビットが雁首揃えてさっきから私のホテル内の事務所で唸っているのだ。

 それをデスクでホテルの仕事を処理しつつ、ソファに座っている二人のやり取りを耳だけで拾っているのだ。


 なんか最近、男連中は鉄道模型の方に力を入れ出して、おままごとセットはかなり御座なりになった気がしないでもない。

 だけれども、おままごとの方だって、カラフルで安全な食材模型さえ出来上がれば、本物と見まごう如きシンク付きのミニキッチンは出来上がっているのだ。両方が揃うと、絶対子供が喜ぶおもちゃになると思うんだよね。ってか、私が欲しい!

 綺麗にラッピングをし、皆が書いたお祝いのカードを添えて、早く鉄道で送りたいよ。ゴンスンデまで。

 メグの驚く顔がもう目に浮かんでるんだから、その姿を本物にすべく、早く仕上げたいよ。

 おままごとセットが後一歩のところで足踏み状態。後、ちょっと!本当にちょっとなんだよ。

 ランビット、ボブ、頑張れー!

 他力本願。でも、上手にできる人がやれば良いんだよ。うんうん。

 私はぬいぐるみ、頑張ったもんね。


 あ~あ。はぁ~。

 溜息の出る訳は……おままごとセットだけじゃない。もう一つ原因がある。そう、鉄道模型なのよ!

 なんとフェリーペが「自走できるようにできたら面白いんじゃないか?」なんて言い始めて、時計を作ったことのあるランビットがゼンマイと歯車を使えば出来るんじゃないかなんて言い出したものだから、結構頻繁に家に集まるようになっちゃったんだよねぇ。

 何よりユーリが乗り気なんだもん。


 ぬいぐるみを作っていた時には、あっちこっちに布の切れ端や糸くずが落ちているとブツブツ小声で言っていたメイドのタバサだけれど、今は掃除をしていると、木屑なんかが思わぬ所から出てくるらしく、これにもブツブツ言っているよ。

 まぁ、気持ちは分かるよ。

 折角綺麗にしたと思っていたのに、ひょんな時に出てくるゴミって厄介だものね。


 ボブんところの工房や、ホテルのランビットの錬金術部屋で、ノコギリなどあまり使わず、錬金術で試作品を作っている。だから比較的ゴミは出づらいんだけれど、それでもゼロではないからね。

 工房で作ったのを持って来ても、それにくっついていたり、服にくっついていたりしているんだと思う。

 ボブなんてあまり身なりに気を使わないから、髪の毛なんかにも大鋸屑(おがくず)とかついていそうだよね。


 頻繁に、家に集まり食事を食べるのは良いのだけれど、その後夜遅くまでみんなで鉄道模型の話で盛り上がるから、まぁ、夜が遅いこと、遅いこと。

 皆、良く翌日の仕事に響かないもんだと思うよ。


 でも、面白いのはセシリオ様はあんまり鉄道模型に興味を示さなかったんだよね。

 なんでも今事業の方がとっても面白く、広告を如何に効果的に打つのかに気持ちが行っているから、他のものに目が行かないらいしい。

 

 まぁ、やりたい者だけで鉄道模型を作ってくれれば良いよ。

 私はジオラマの方のお手伝いをすることになっているから、小さな家とか城、木の模型なんかを作る担当なんだよね。

 まぁ、それもジオラマの縮尺が決まってからの話だし、おままごとセットを仕上げてからだね。

 それにしてもアドリエンヌ様のお子様は男の子?女の子?どっちなんだろうね?

 もし、おままごとセットを王家へプレゼントするのなら、豪華版でないといけないよね?

 メグん所に贈ったのより豪華にするとなると……調理器具と食材模型を増やすのは必須だよね?

 あ、なら、食材だけじゃなく、出来上がった料理も模型を作って付けちゃう?

 それなら豪華だよね?

 そうなるとどの料理を選択するかが問題だよね。

 出来上がった料理を作ることのできる食材模型も揃えないとだよね。


 それと、流石に食材のぬいぐるみは私の手製はやめておいた方が良いかも?

 タバサがこっそり手直ししてくれていたから何とか形になったけれど、それでもプロのできとは雲泥の差だからね。

 王家へ差し出すならやはりプロの手で縫ってもらわないとだよね。


 はぁ~。ユーリは今夜も遅くまでランビットたちとワイワイやるんだろうなぁ……。

 だけどランビットも私がホテルの業務からある程度手を引いたので、仕事の量は半端ないはずなのに、よくこれだけ鉄道模型に時間を割けるよねぇ。

 皆、体を壊さないようにねと心の底から願うよ。

 でも、学園時代に戻った感じがして、ワクワクするね!

 皆で素敵なおもちゃを作ろうね‼

 いつも拙作をお読みいただき、ありがとうございます。

 年末年始は少しお休みをいただき、英気を養いたいと思います。

 実は書き溜めていた分がなくなってしまい、このお休みの間に少し書き溜めたいと思っております。

 連載再開は来年の1月11日を予定しております。

 年明けにはまた拙作にお立ち寄りいただけたら嬉しいです。お待ちしております。

 寒い日が続きますが、どうぞお体にお気をつけて、良いお年をお迎えください。

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