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いつも拙作をお読み頂き、ありがとうございます。

誤字報告やいいよ、ブックマーク、コメントをありがとうございます。


前話でとうとう主人公の名前を間違うという・・・・。

本当にすみません。

書く時、作者の頭の中では各キャラクターが映像となって動いているので、自分の頭の中の映像に違和感が無いと文章の方は間違ったままになっていたります。

反省しておりますっ!

毎回、掲載前には推敲をしているのに、名前間違えや誤字脱字の大きさに自分でもがっかりです。


後、前話で主人公が鉄道の所有者になっているとご指摘を頂いたのですが、鉄道会社の所有者の一人であるので、主人公が唯一の所有者ではありませんが所有者と記載しております。

時々ポカをやってしまうので、こうやってコメント等でご指摘頂いて、本当に助かっております。

同じ様な疑問を持たれる方もいらっしゃると思うので、このご指摘に合わせて前話冒頭の表現を少し変えます。


いろいろと失敗をやらかしていまう作者ですが、これに懲りずこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

「マルコさん。この枠、全部同じ形ですよね?」

 私はサンプルの中からお絵描きロジックを3枚取り出して横に並べてみた。


 そりゃそうだ。 

 だって全部15×15のマス目なんだから。

 違いは各行に書いてある数字が違うだけだ。


 それからナンプレも選んで並べると、当然全部同じマス目だ。

「これは枠は全て一緒です。木や金属などでこの枠を作って、その枠にインクを付け紙に押し付ければ何枚でも同じ枠が瞬時に出来ます」

「おおお!」

「枠は錬金術で作ればすぐ出来るでしょう。後は同じ大きさの数字でこういう物を作れば・・・・」と、別の紙に書いておいた印字の絵を見せる。「これにもインクを付けて枠が摺ってある紙の所定の場所に押せば、簡単に同じ物が出来ます」

「なるほど!」


「後、この様に紙2枚か3枚を半分に折って、その表裏、左右に別々のお絵描きロジックをさっきの要領で作ります。あ、最後のページは回答欄になるので、別に小さ目の枠が必要ですね。で、糸でこの様に・・・・」と和綴じにしてみせると、「おおおお!薄っぺらいけれど本だ!」とマルコさんは驚いた顔をした。


「これだと短時間に大量に同じ物が作れ、職人の手間賃もあまり掛からず作れますよね。その分お安くできると思うんですよ。鉄道の移動中、これを2~3冊買っても懐が痛まない。退屈な数時間を楽しく過ごすには安すぎるお値段だったら、お貴族様だけでなく平民も買うと思いませんか?」

「おおおおお!流石、精鋭様だっ!」


 マルコさんは私の両手を握り上下に大きく何度も振って、喜びを全身で表している。

「できますっ!これなら安く出来ます」

「では、作って頂けますか?」

「もちろんです。まだ細かな条件が定まっていないので、正式なお返事はその条件をお伺いしてからで良いですか?」

「はい。ここからはお嬢様に代わって、私、ダンヒルが条件についてお話させて頂きます」


 ダンヒルさん、父さん、マルコさんは私の事務所内にあるソファセットの所に座り、せっせと条件を詰めている。

 一番の問題は、これらのパズルの新たな問題作りだ。

 誰に作ってもらうか・・・・。


 その日は冊数と1冊辺りの卸値段、納期や紙質、出来上がった製品の運搬方法とその料金など、製造と販売に関する話題のみで終わったが、問題の数を増やさないと頻繁に鉄道を使う人にはすぐに種切れになって、同じ問題ばっかりで遊ぶ事になる。

 せめてナンプレもお絵描きロジックも雑誌にして3種類くらいは出したいよね。

 まぁ、その後は追々問題の種類を増やしていけばいいんだけどね。

 クロスワードは利用者を選ぶので、作るとしてもずっと先の話になるだろうと言うのがみんなの見解。


 マルコさんとの話し合いで、枠や数字の印字はこちらが有料で手配する事になった。

 そこまで決めて、翌日マルコさんはヤンデーノの町へ帰って行った。


 錬金術で作る枠や印字は忙しいランビットに頼むのも悪いし、スイカズラ工房に頼もうかと思い、しょっちゅうスイカズラ工房に出入りしているランビットがいる事務室へ向かった。

 何に使うかを説明している間、ランビットの横に立っていた秘書のサミュエルがナンプレに興味を示した。


「これ面白いっすね。オイラ、これ大好きです」

 サミュエルの感想を聞いて、ランビットも興味が沸いた様で、ナンプレの問題を一つ手に取り、やり始めた。

 時間潰しの為の物なので、そんなに早くは解けない。


 スイカズラ工房に発注するために話し掛けたのに、あれだけ夢中になってナンプレをしていたら途中で話を切り上げるしかない。

 ナンプレがどんな物か、そしてどんなに楽しいかを分かってもらった方が、工房に発注する時も要点が分かって良いかもしれない。

 そう思い、私はランビットたちを放置して自分専用の事務所に戻った。


 1時間半くらい経っただろうか。

「いやぁ、これは面白い!」

「そうっすよね。オイラもこれ、とっても面白いと思うっす」

 二人とも意気投合して解いたばかりのナンプレの紙をヒラヒラさせて私の事務所に舞い込んで来たが、「コホン」と言うダンヒルさんのわざとらしい咳で、漸くまだ仕事時間内だと思い出した様だ。


「リアお嬢様!これ、枠2種類と数字の印字を作ればいいんですよね?」とちょっと恥ずかしそうにランビットが聞いてきたから、「うん、そうだね。予備も含めて2セットあれば良いと思うよ」と言うと、「俺が作るよ。そんなに時間のかかるものじゃないし」と言ってくれた。

 王都まで移動しなくてもヤンデーノ店には錬金術の装置が置いてあるので、そっちで作ってくれたら、マルコ書房にもすぐ渡せるし丁度良い。

 普段から忙しくしているランビットには悪いけど、本人がヤル気になっているのでお願いする事にした。


「お嬢様、オイラ、他の問題も解いてみたいっす」とサミュエルが言って来た。

「それがねぇ、問題なんだよね。新しい問題を作る人を探さないと、今ある分以外には無いのよ」

 サミュエルはちょっとがっかりしたみたいだが、「これはお嬢様が作られたんですか?」と聞いて来た。

 そうだと答えると、作り方を教えてくれと言って来た。

 私は簡単に作り方を教えると、サミュエルはしばらく考え込んでいた。

「そうか!これはまず答えを書き入れて、どことどこを残すかをよ~く考えないといけないんっすね。これはナンプレを解くのとはまた別の形で頭を使うんっすね。面白いっす」


 サミュエルは錬金術で印字や枠を作るために設計図を引きはじめたランビットを放って、自分の席に座り、簡単なナンプレを書き始めた。

「あっ、ここを消すと、ヒントがなくなってしまうのか・・・・」と、自分でナンプレを作り始めた様だ。


 しばらく見ていると「お嬢様っ。オイラ、問題を作ってみたいけど、これ、ちゃんと解けるだけのヒントがあるかどうか、他の人に確かめて貰わないと不安っす」と全ての数字が入っているナンプレの幾つかの数字の上に横線をひいたり、丸で囲ったりした物を手に持っていた。


「分かったわ。試験的に問題を解く人はこちらで用意してみるので、いくつか問題を考えてみて。もちろん、ランビットの秘書なんだから錬金術の装置への魔力注入もお願いね」

「はいっす!」


 物になるかどうかは分からないけど、本人にやる気があるならそれを伸ばしたい。

 もちろんランビットの秘書なのでそっちの仕事の方が優先だけど、パズルの作者はどうしても必要なので、やってもらえるならとってもありがたい。

 まぁ、これからランビット達は夜の便でヤンデーノへ行ってくれるでしょうから、サミュエル製パズルがどんな感じで出来上がるのか確認できるのはもうちょっと先になるでしょうけれどね。

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― 新着の感想 ―
XYwingは全然使いこなせないんだよな……
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