表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

432/568

30

 会員制クラブに関して、もう少しシステムについて考えようと帰宅する仕度をしていたら、大公館の使用人が部屋へ入って来て、ダンテスさんの耳元に小声で「戻ってまいりました」と報告していたのが薄らと耳に入った。


 ダンテスさんは使用人に頷くと、使用人は部屋を出て行き、今度は私の目をハタと見つめた。

「アウレリア様、丁度良かったです」

「え?」

「実は一人ご紹介したい人物がおりまして・・・・」

 ダンテスさんがそう言うと、「コンコン」と扉がノックされて、「入れ」というダンテスさんの応えに対し、誰かに良く似た30代に手が届きそうなくらいの男性が入って来た。


「失礼します」と真直ぐにダンテスさんの横に並び立った。

 あ、分かった。

 ダンテスさんにそっくりなんだ。

 頭はまだ白髪がないので、ゴマ塩頭のダンテスさんより若く見えるけど、顔や体の作り、何より表情がそっくりだ!


「私どもの息子のダンヒルでございます」

「ダンヒルです。どうぞお見知りおきを」

「アウレリアです。いつもダンテスさんにはとてもお世話になっております」


 ダンテスさんはニッコリ笑って、「アウレリア様は学園のご学友のお一人を片腕にと考えていらっしゃると伺っておりますが、未だ先方からの色よい返事は来ておらず、一方アウレリア様のお仕事としてはホテルやレストランだけでなく、鉄道の各駅にまで及んでおり、仕事量がとんでもない事になっております。つきましては、愚息ではございますが、執事の仕事は一通り、そしてアウレリア様の事業に関しても一通り教え込んでおりますので、王都のお住まいの方へ派遣させて頂きまして、私とアウレリア様の間の連絡要員、そして片腕とまで行かなくても片足とでも思って使ってやって頂けませんか?若い分、私よりアウレリア様に沿った視点で動く事が出来ると思います」とダンヒルさんの背中を軽く押して私の方へ一歩前に出させた。


「え?いいんですか?」

「もちろんでございます」


 ダンヒルさんの方を見ると、にっこり微笑まれて「どうぞよろしくお願い致します。今回アウレリア様にお仕えする為に、再教育を受けて準備致しました。どうぞ心置きなく手足としてお使い下さい」とお辞儀をされた。


 この前から真っ青になりながら、王都のホテルの事で悩みまくっていたけど、一緒に悩んでくれ、実質的な業務も任せられる大人が横にいてくれると、とっても、本当にとぉ~っても助かります。

 ダンテスさん、ありがとうぅぅぅぅ。


「今後も私がアウレリア様担当であり、工事や様々な工房や商店などとの折衝交渉を担当致しますが、アウレリア様がお持ちになる疑念などございましたら愚息に申し付けて頂ければ、私や関係各位への質問や確認はこの者がやります。そうなれば、アウレリア様はそれまでされていた設計などの作業を止める事なく疑問への回答を手に入れる事が出来、時間の短縮になると思いますし、この者もある程度であれば工房や大工などの基礎知識は叩きこんでおりますので、簡単な質問であればこの者が直接回答出来ると思います。便利に使ってやって下さい」


 ダンテスさんの配慮がめっちゃ嬉しくて、涙が止まらないよぉ。

「ありがどうございまず・・・・」


 ウチのレストランの地下にある使用人部屋で良いとのことなので、既に用意してあった私物を持って、私と一緒に馬車でレストランまで戻った。


 母さんは既にダンテスさんからこの話を聞いていた様で、使用人部屋を用意して待ってくれていた。

「実際に顔を合わせてみないと、馬が合うかどうか分からないのでってダンテスさんに言われていたんだけれど、まぁ、十中八九アウレリアはダンテスさんの息子さんを受け入れるだろうなぁって思っていたので、お部屋の用意は済ませておいたのよ。父さんもこの話は知っているのよ」

「そうだったんだぁ」


 夜の賄いの時、レストランの皆にもダンヒルさんを紹介して新しい仲間として受け入れてもらった。


 それにしてもこのダンテスさん、仕事の出来る男やぁ。

 一家に一台、いや一人絶対欲しい人材だ。

 その息子であるダンヒルさんにも期待!


 王都の鉄道の駅、コンコースを必ず通る様にしたいと頭を悩ませていたら、複線であっても降りるプラットフォームは片側だけを使用する様にすれば良い。それならば人の流れは一つしか生まれないとか、ゴンスンデやヤンデーノまでの途中駅に関しては、フローリストガーデン級の質の食事を提供するが宿泊に関してはツインのみの簡素且つ清潔な宿を提供し、別シリーズとすれば良いなどと進言してくれた。

 これはフローリストガーデンホテルチェーンを四つ星ホテルチェーンとして、駅の方はビジネスホテルチェーンの様な感覚で営業すればこちらの負担は少なく、利益を上げる事が出来ると言う意味だ。

 それも踏まえて、現在建設する予定の駅の位置は、大公様が私にプレゼントしてくれた土地の端っこに簡易な物を造り、高級ホテルチェーンの建設が終了し、運営が一段落したらビジネスホテルに着手し、その際は、本格的な駅を私の土地の真ん前に建ててみたらどうでしょうと聞かれた。

 工事中も契約している宿屋に営業をしてもらうが、一旦ビジネスホテルの営業が始まれば、契約宿との契約更新を止めれば良いとのこと。

 う~ん、私だとそこまでは考えつかなかったよ。

 ダンヒルさん、マジ有能!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ