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魔法障害物競争が終って、部室での反省会も終わり、日々の生活の中でも色んな生徒から魔法障害物競走は楽しかった、よくやってくれたという意見を何度も耳にする機会もあり、あのイベントを開催して良かったなとほっとしている時、今度はイベントクラブのミスコンの日が近くなった。
日本の中学や高校に比べてもイベント率(笑)の高い学園だなぁ。
生徒たちはイベントがあると楽しみにしてくれているみたいで、今もミスコンの話題で持ち切りだ。
そろそろどんな感じで開催するのかポスターか何かで発表が無いと、イベントクラブのメンバーに突しそうな生徒もちらりほらり。
皇子たちもそれを心配したのだろう、今日漸く詳細についてのポスターが貼り出された。
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★ミスコン★
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イベント内容:学園内の一番優れた容姿の学生を男女1名ずつ選出する
候補者選出:①4/3(月)までに食堂入口の箱に候補者の学年・氏名を書いた紙を投函
自薦他薦は問わない
②実行委員会が①を参考に男女各7名を選出
イベント日時:4/10(月)17:00
会場:スポーツエリア特設会場
①特設エリア入場時に観覧者へ赤ボール・青ボール各1個を配布
②候補者の紹介(スピーチまたは特技披露)
③優勝させたい候補者の前に設置してある箱にボールを投入
ミス⇒赤ボール、ミスター⇒青ボール
④ボール集計で一番ボールの多い男女が優勝
「へぇぇ、これって良く考えてあるね」
「ん?リア、どういうこと?」
「だって、これ準備が簡単じゃない?優勝者を決定するのもボールを数えるだけだし」
「なるほどね。たださぁ、これって候補者は自薦だけじゃなくって他薦もあるんでしょ?」
「みたいだね」
「なのに、候補者紹介でスピーチか特技を披露って、嫌がる候補者も出るんじゃないかな?」
「!」
メグたんの言う通りだね。
他薦で、自分は候補になりたくない人は皆の前に立つのも嫌だろうしね。
「でもさぁ、候補者を選定するのは自薦他薦は問わないけれど、推薦された人をもとに実行委員会が選ぶってあるから、嫌がる人は省いて、次点の人を選べばいいだけじゃん?」
「!」
フェリーペの言う通りだ。
なる程、そこまで考えてこのシステムを作り上げたのなら皇子たちもやるなぁ~。
「お前ら二人は候補にされそうだけど、もし選ばれたらどうするの?」なんて突拍子も無い事を言い出したフェリーペに、「そういうフェリーペこそ、推薦されそうじゃん?」と横からボブがボソっと言っていた。
確かにメグは推薦されちゃうかも。
フェリーペも顔は良いもんね。
でも、男子は闇王様やセシリオ様が居るしね。
3年生だけじゃなくって全校生徒ってことならオスカル先輩なんて絶対に推薦されると思うしね。
でも、オスカル先輩は嫌がるだろうなぁ。
そう言えば、今までイベントには4年生も殆ど全員が参加するなり、観覧するなりしてくれてたけど、研修先が王都でない4年生はどうしてたんだろう?
イベントに合わせて王都に戻ってくれてた人もいるだろうけど、全員じゃないよね?
オスカル先輩とか、こういう参加したくないイベントには研修を理由にバックレそうだよね。
娯楽の少ない世界だけれど、他人の娯楽の為に自分を犠牲にしたい人は少ないだろうしね。
自分の容姿を誇りたい人なら推薦されても嫌と思わないだろうけれど、オスカル先輩はねぇ・・・・。
そんなこんなであややクラブの日に闇王様やセシリオ様に推薦されたら参加するかどうかを、ウチの勇者様は直球で尋ねてたよ。
変わらないよねぇ、ウチの勇者様。
結論として、私以外は全員、推薦されれば出場しても良いって言ってた。
イベントクラブの企画なのに、そこは拘らないんだね、闇王様。
「ねぇ、どうしてリアは推薦されても出たくないの?」
「え?メグ、まず推薦されるかどうか分からないし、万が一推薦されてもたくさんの人の前に出るのは嫌よ」
「ええええ?リアは絶対推薦されると思うよ。女子の中で一番綺麗じゃん」
「それこそ、えええええ?だよ。綺麗とかカワイイって言うのは、人によって基準が違うじゃん」
「それでも、リアは美人さんだよ」
「何をおっしゃいますか、メグさん。あなたこそカワイイじゃない」
「えへへへ」と照れる勇者さま、マジでカワイイ。
「お前ら、何を不毛な話をしてるんだ」とフェリーペが横から口を出して来たけれど、あれは自分もカッコ良いと言って欲しいのがその仕草から見て取れるよ。
音を出してない口笛を吹いてる感じのわざとらしさ。
だから絶対言ってやんない。
君も推薦されるんじゃないって。
勇者様も同じ様に感じたのかな。
何も言わないので、とうとう最後にはフェリーペがガッカリした顔をしてたよ。
ふふふふ。
まぁ、私にはミスコンより錬金術クラブの即売会で売るドールハウスの部品作りの方が大切なのよ。
だって後3ヶ月もしたら鳥人コンテストなんだよ。
大部分を学園側がやってくれるにしても、準備が大変な事に変わりはないんだしね。
ランビットをウチのホテルに就職してもらえる様に色々手を尽くさないといけないし、もちろん、ホテルの建設やスタッフの研修の仕上げや、来年には開業するので色々とやらなくちゃいけないんだもの、開業まではホテル関係の仕事を寮に居る間に宿題の様に夜せっせと熟していかないといけないかもだしね。
さぁ、頑張ってドールハウスの部品作りに励むぞぉぉ!




