表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <後半>
380/545

46

 夕食は一旦寮へ戻り、寮の食堂で食べた。

 だって、私たちもパーティの為の着替えがあるから、夕食までは作ってる時間無いしね。

 ってか、作るのは良いんだけど、後片付けに時間取られるから、ここは寮の食堂で食べる方がゆっくり仕度が出来るってもんだ。

 まぁ、後片付けも部室付きの闇王様ん家に仕えている人たちがやってくれるだろうけれど、平民だけで作って食べた後始末をしてもらうのはねぇ・・・・やっぱり心苦しいもんね。


 お風呂があややクラブにしかない私たち平民組は、アドリエンヌ様のメイドが仕立ててくれたドレスを手に持って、夕食後速やかに部室へ。

 アドリエンヌ様は女子用には一つしかないバスタブを3人で気ぜわしく使わなくても良い様に、クリサンテーモの寮の方で入浴されるので、その心遣いに感謝だよ。

 でも、その後、メイドさんを引き連れて部室の方に来てくれるんだって。


 私たち3人にお揃いの軽いメイクをしてくれたり、ヘアーセットをしてくれるって聞いてるから、今から楽しみなのだ。

 プロがしてくれるヘアメイクやお化粧ってどんな感じなのかなぁ~。


 メグたんがゆっくりお風呂に入れる様に、先に私が入って、今はお風呂の後の冷たいジュースを飲んでいる所。

 夕食の後なのであんまり飲めないけど、まぁ、お風呂上がりの冷たい一杯は外せないよね。


 そうこうしている内にアドリエンヌ様とメイド様ご一行が到着された。

 アドリエンヌ様はドレスを着て、髪はセットせずに軽く結んだだけで部室へ来てくれた。 

 普段なら、メイドさん達は学園内には入れないんだけど、今日はダンスパーティと言う事で特別なのだそうだ。

 部室の方も闇王様が「女がパーティの仕度をするなら、メイドはいるだろう」と快く部室内にメイド様たちご一行が入るのを許可してくれた。


「うわぁ、アドリエンヌ様、ドレスとっても似合ってます」

「本当でしゅか?嬉しいでしゅ。メグは今、お風呂?」

「ええ、そろそろ上がると思います。メイドの皆さん、今日はよろしくお願いします」と、お世話になるメイドさんにもご挨拶は忘れない。


「あああ、アドリエンヌ様、可愛いです」と、お風呂から上がったばっかりの勇者様が既にドレスを着ているアドリエンヌ様を見てぽぉ~としている。

 私は横からすかさず冷やしたジュースを。

 もちろん、メグたんだけにではなく、アドリエンヌ様とこれからお世話になるメイド様ご一行にもワイr・・・・モゴモゴ・・・・ジュースを配った。


「それでは、髪を乾かしてからドレスを着ましょう。ヘアーセットはそれからですね」と、2階のソファーの所で髪を厚手のタオルで拭いてくれる。

 本当は先に自分でドレスくらいは着ておきたかったんだけれど、流石にパーティ用のドレスはファスナーなんて存在しない世界なので一人で着る事は無理だったのだ。

 色違いのドレスを3人とも着た状態で、それぞれの髪を整えてもらう。


 3人とも全く同じ髪型。

 例のティファニーの髪型だ。

 リボンはドレスと共布なので3人とも色は違うけれど、大きさは一緒なのだ。


「「「カワイイ」」」「「「カワイイ」」」をお互いに連発しながら整えてもらった髪の後は、軽いお化粧なのだ。

 母さんはあまり化粧をしないのでこの世界の化粧品を良く知らないのと、お貴族様が使う化粧品がどんな物なのか、ホテルのエステで使う事も考えて興味津々だった私はメイド様に一つ一つ「それは何て言うんですか?どうやって使うんですか?」を連発し、若干煙たがられたけれど、この機会を逃す訳にはいかないのだっ!


 眉毛を小さなブラシで整えて、墨の様な棒で軽めに線を引いてもらう。

 ファンデーションはどう見ても鉛入りの白いヤツ。

 肌にも身体にも悪いし、真っ白ってちょっとね・・・・。

 ファンデは使いたくないとメイドさんに言う前に、子供だからファンデまではやり過ぎでしょうとの今日のメイドリーダーさんの一言で鉛入り(?)ファンデは使用しない事になった。セーフ。

 紅花なのかは分からないけど口紅を軽く伸ばしてもらう。

 赤一色しかないらしいが、流石お貴族様、とても良い品質のモノを使っているので、発色が綺麗な紅なのだそうだ。

 将来的にはオレンジやらピンクやらも欲しいよね。


 そんなこんなで軽くお化粧をしてもらった自分の顔を鏡に映して見れば、普段より眉がちょっぴりキリリとしているせいか、カワイイより美しい寄りに仕上がっていた。

 

 髪型と化粧がほぼ同じで、ドレスのシルエットも全く同じな3人が下の階へ下りて行くと、もう男子が集まっていた。

 いつの間に!

 全然気づかなかったよ。


 闇王様は紺色の上下で綺麗なレースのクラバット。

 ネクタイピンの様にクラバットを止めている宝飾品はアドリエンヌ様の瞳と同じ色で、キラキラしている。

 セシリオ様は真っ白な上下。

 中のシャツは薄っすらと水色。

 う~ん、二人とも小さな貴族って感じで恰好良い。


 フェリーペもちゃんとジャケットを着ていて上は黒、下は灰色。

 お貴族様たちに比べると生地の良さは若干落ちるけど、元々イケメンなので何を着ても様になっている。

 ボブは茶色のジャケットとクリーム色のパンツ、ランビットはボブより若干深い茶色のジャケットと黒のパンツで、決してイケメンとかじゃないんだけれど、何だろう、いつもより姿勢良く立っているからなのかな?2人とも恰好良く見えるよ。


「うん、綺麗だな」

 おおおお!闇王様がお世辞を言ってくれた。

 どっちかって言うと目はアドリエンヌ様を見ている。

 え?闇王様は勇者様が気になるんじゃないの?

 それともドレス姿になると、平民の私たち2人では醸し出す事の出来ない何かが、アドリエンヌ様からは普通に醸し出されているとかなのかしら?


「じゃあ、そろそろ会場に行くか」と言って闇王様が手を差し出したのはアドリエンヌ様にだった。

 えええええ!メグたんじゃないのぉ?

 闇王様を好きっぽいアドリエンヌ様のためにはこれは喜ばしいんだけど、闇王様は勇者様を好きなんだよね?って見守っていた今までの私は一体・・・・?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
正妻はアドリエンヌだから?平民だから側室めぐは?
小さい頃は好きな人がたくさんいるもんだと思ってる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ