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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <後半>
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「休みはどうだったか?」

 新婚生活も落ち着いて来たのか、やる気の無さ全開のガスペール先生がホームルームを始めた。

 奥さんの薫陶が行き届いているのか、髪や服装等は以前と比べてちゃんとしているのに、気だるげな雰囲気は元に戻ってしまった・・・・。


 あややクラブにおやつを食べに来ない事を祈ろう・・・・。

 来たら奥さんのまでせしめ様とするだろうしね。

 はぁ~。


 ホームルームに続いて算数の授業が始まったが、内容は地球の算数の初歩なので、ついつい授業を聞く事なく、ホテルの事や魔法障害物競争やランビットの青田買いについて考えてしまう・・・・。

 だって分数とか今更って感じだもんね。

 あ、分数の掛け算とか割り算ではなくて、単純に分数とは何かと言う説明で、他の生徒はみんなガスペール先生が黒板に書いた図を必死で見て、説明を聞いている。


 さて、ランビットにウチのホテルチェーンで働いてもらうのに、何を提示したら受け入れてくれるだろう?

 どんな仕事なら遣り甲斐を感じてくれるんだろう?


 私から見てランビットの長所は、錬金術を使える事。

 特に、設計図引きは素早く正確だ。

 特許の様な面倒臭い書類仕事も嫌がらずにやってくれる。

 周りを見て自分がやらなければならない仕事は何かを自分で考え、しかも、それを行動に表せる事。

 

 ランビットの短所と言えば魔力が無い事くらいなんだよね。

 控えめなので周りの人間と喧嘩をするということもないし、コツコツと地味な仕事も率先してやってくれる。


 ホテルチェーンでしか使わない前世の記憶から呼び起こされる装置類を作ってもらう事は、恐らくだがランビットにとって魅力的に見えるのではないか?

 ホテルによってメインの機能が違うので、視察や巡回で色々なホテルに行けるのも楽しいかもしれない。

 一般的な商店や工房と違って、ウチは大公様の後ろ盾がある事も大いに魅力的に映るだろう。

 鉄道ができれば、それに乗って移動できたり出来るのも魅力だろうが、これに関しては大公様から箝口令が出ているので、如何に友達と言えども伝える事が出来ない。

 鉄道について話す事が出来たら一発で青田買い出来る気がするだけに、実に残念!


 スイカズラ工房の魅力は、毎日錬金術のみに従事出来る事。

 プロの先輩たちに色々教えてもらえる事かな。


 ウチの仕事は毎日錬金術をする事が出来ないので、そういう意味ではマイナスだし、先輩錬金術師もいないので何かを教えて貰う事は出来ない。


 う~ん、こうやって考えると、私がランビットならばウチではなくスイカズラ工房へ行くだろうなぁ~。


 後、フェリーペん所で出店してもらうコンビニ、店員はフェリーペん所の人材をと思っているけど、それだとその人はどこに住む事になるんだろう?

 ウチの従業員寮?

 その費用はどうする?

 そうなったらもちろん、フェリーペん所から代金を貰う様になると思う。

 もし、その費用を抑える為に村の人たちを雇うとしたら、店員のレベルが高級ホテルに合うかどうか、その辺が心配だよね?


 一定の水準を超える事が出来ない場合はどうするのかというあたりもちゃんと契約書の中に含まないと、とんでもない事になるかもしれない。


 エステも地球のエステとは違うので、シャンプーで髪を洗ったり、洗顔石鹸や基礎化粧品を使っての肌のお手入れ、メイドがやってくれるマッサージくらいになるけど需要はちゃんとあるかな?

 ああ、髪のカットも入れちゃっていいかも?

 貴族には元々自分専用のメイドがいるはずなので、髪のカットは外でやって貰わなくても無料で自分のメイドにやらせちゃうかな?


 なんかホテルの事とか考えていたら、またまたアレコレと決めなくてはいけない事が次から次へと思い浮かんで来る。

 はぁ~。

 兎に角一軒くらいはホテルを開業しないと、何がいるのか、いらないのか、いるとするならばどんな形で提供すれば良いのか想像が付かない。


 各ホテルの名物料理も考えないといけないし、考え付いたら研修を受けている調理人に教えないとだし・・・・ホテルの事を考えるなら学園でこうやって勉強するよりも、少しでもホテルとか鉄道の事の仕事をしなくちゃいけないのでは?

 ウチに帰って調理人に料理を教えたり、ホテル工事現場を定期的に回ったり、ダンテスさんに一任している調理人以外のスタッフの研修を確認したりとかしなくてはいけないのでは?

 あう~。


 錬金術クラブの即売会とか、あややクラブの魔法障害物競争とか、直接的ではないけどホテルの運営に関係してない事もないんだよね。

 即売会の経験は、貴族をお客としてコンビニで対応する時、何を気を付けたら良いかとかが薄らと分かる様になるし、あややクラブのイベントは今後ホテルでイベントを開催して集客力を高める時にめちゃくちゃ役に立つ気がする。

 だから全く無駄な時間とは思わないけど、この地球の小学生がやる様な算数や既に全部覚えているこの世界の歴史の授業とかは無駄な気がする。

 まぁ、授業中は結構イベントの事とか、ホテルの事を考えている事が多いから、全くの無駄とは言えないかもだけれど、教室に居なければいけないのが玉に瑕なんだよね。


 はぁ~、今はそれよりも、どうやってランビットをウチのホテルで獲得するかの方が急務な気がする。

 私がランビットを狙ってる事が分かってボブもちょっと焦ってたみたいだしね・・・・。


 でもね、もしランビットがスイカズラ工房に就職したとしても、将来的には自分の工房を持ちたいんじゃないかと思うんだよね。

 だって、普通に考えれば将来スイカズラ工房はボブが継ぐんだしね。

 ウチのホテルの錬金術部門で働いてくれれば部長にはなれるから、企業内ではあるけれど親方と同じ地位には登り詰める事が出来ると思うんだよね。

 うん!これをセールスポイントにして、もう一度ランビットに声を掛けてみよう・・・・。

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