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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <後半>
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 ホテルの工事現場を4軒とも回り、必要なガラスをスキルでじゃんじゃん呼び出したためか、MPが増えた様だ。

 鉄道に関してはガルフィールドさんが総延長の長さに辟易しながらも、もう可成りの高齢になられた大公様がお亡くなりになっても、精鋭たちの力や地位を下げる事が無い様、危機感を持って当たると王都に着いてすぐに宣言して大公様を安心させていた。

 今現在、大公様が用地取得を進めてくれているらしい。

 これはダンテスさん情報なので、私が聞いても大丈夫な事しか教えてもらえなかった。

 ただ、可成りの確率で用地は全て取得できると思っているみたいだった。


 冬休みも旅行三昧で、漸く1週間近く王都でゆっくりと思っていたけれど、ホテルのコックたちの研修を手伝えとスティーブ伯父さんから厳命され、結構忙しくしていたのだ。


 でも、今日からはまた学園が始まるので、ホテルの事はちょっとだけ横に押しやっておこう。

 だって、だって、これからは魔法障害物競争の準備に力を入れないといけないんだよね。

 後、イベントクラブのダンスパーティが先に開催される予定だけど、ドレスとか作らなくていいのかな?

 作るとすると、学園の女子生徒が一斉に頼む事になるから、洋装店とかも混む気がする。

 私はメグたんと一緒に、裁縫クラブの元部長さんに早めに頼んでおこうかなぁ・・・・。

 ただ、ドレスを着なくても良いのなら、作るだけもったいないしね。

 子供ボディだから、これから背も伸びると思うんだよね。


「リア!おはよう。休みはどうだった?」

 勇者様が寮の食堂に降りて来た。

「忙しかったよぉ~。メグはどうだった?」

「実家のお店の手伝いをしてたよ。来年はお店の手伝いの為に、父さんの知り合いのお店で実習させてもらう事になってね、一昨日ちょっと早目だったんだけど父さんと王都に来て、そのお店にご挨拶させてもらったんだぁ~」

「えええ!何を売る店なの?」

「洋服~」

「そうなんだぁ」

「うん、ウチの店って雑貨屋でしょ?」

「うん」

「生地も少し置いてあるんだけど、服も少し置こうって事になってね、それなら私の実習を洋服屋さんでしてみたらって事になったんだよねぇ」

「おおお!実習がんばれ~!」

「うん!」


 私たちが朝食を食べながらそんな話をしていたら、ランビットが、続いてフェリーペとボブが食堂に降りて来た。

「「おはよう~」」

「「「おはよう!」」」

「今ね、メグが来年の実習先を決めた話をしてたところ。みんなの冬休みはどうだった?」

「おおお!俺は実習は実家の店でする事になったんだ。だから、この冬休みもずぅ~~~~~~~っと店の手伝いで、ちょっとウンザリだった・・・・」

「あはははは。フェリーペらしいね。働くの嫌そう」

 おいおい、勇者様、思った事を全部口に出しちゃだめだよ。

 ほら、フェリーペがジトっとした目つきで睨んでるよぉ。


「僕も実家の工房の手伝いで忙しかったよ。でも、実習は王都の別の工房でってオヤジに言われてる」

「僕は、ありがたい事にボブんところの工房が実習として受け入れてくれるって承諾してくれたんだ。冬休みは特に何かをしたわけじゃないけど、毎日錬金術の設計図を引いて遊んでた~」

「お店は手伝わなかったの?」

「リアはそう言うけどさぁ、錬金術師になりたいのに石を売る手伝いをしても意味ないだろう?」


「石は素材としては大いに関係はありそうだけどね・・・・」

 流石ボブ、発言がもう錬金術師そのものって感じだね。


「あああ、ランビットはスイカズラ工房に就職するつもりなの?」

 私はウチのホテルで働いてもらいたいという下心を隠しながら、何気にランビットの意向を探る事にした。

「まだ、OKは貰ってないけど、実習の結果次第では雇ってもらえるんじゃないかって期待してるんだぁ」


「ねぇ、ランビットさえ良ければ、卒園後はウチのホテルチェーンで働いてみない?」

「ホテルチェーン?」

「ほら、今、あっちこっちで建てている高級宿屋の事なんだけどね、錬金術が出来る人が必要だし、錬金術だけじゃなく、たくさん働いている人たちを纏めたり、お客様の要望を拾い上げてそれに応えたりする事の出来る人を探しているんだけど、ランビットならすぐにでも働いてもらえそうだなぁって。錬金術の設備は色々揃えるからウチで働いてみない?」


 これにはランビットだけでなくボブも驚いたみたいで「え?錬金術に関してはウチの店に色々と発注してもらってるよね?」と若干慌てて確認して来た。


「うん、これからもスイカズラ工房にはお願いするつもりだけれど、例えば夜中にホテルの何かが壊れた時の修理とか、ウチで独自に開発する装置なんかの試作も、ホテルで雇っている錬金術師に頼みたいんだよね。だって、新しい装置は自分たちで開発したら、他の錬金術工房を介さなくても特許に登録しちゃった方が早いし簡単じゃん?」

「ええええええ。ちょっと待って。ウチのオヤジと相談してもいいかい?」

「相談するのはいいけど、何を相談するの?ウチのホテルの従業員の話で、スイカズラ工房とは関係の無い話だよ。大きなモノはそっちに頼むのはこれからも変わらないよ?」

「う、うん・・・・。でも、一度オヤジに相談してみる」

「そう。まぁ、その辺はボブが自分で考えた通りにしたら良いよ」


「リア、俺ん所の店にコンビニだっけ?小さな店舗を各ホテルの中に出店して欲しいっていうのは、変更ないよな?」

「うん、変更はないよ。どうしたの?フェリーペ」

「いやぁ、スイカズラ工房が考えていた契約が工房側が考えていたのと内容が変わるのなら、ウチの店もそう言うのがあるのかなってちょっと不安になったんだ」

「え?契約の中身は変わってないよ?どの辺が不安なの?」

「う~~~ん」


 なんか消化不良の会話になったけど、そろそろ教室へ行かないとホームルームが始まる。

 私たちは5人揃って寮を出て、教室へ向かった。

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― 新着の感想 ―
こんにちわ 作品を楽しく読ませていただいております。 ここまで読んで、作中で「可成り」の表現が少し気になりました。 一般的には「かなり」とひらがなで表現すると思います。 間違いではありませんのでこちら…
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