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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <中盤>
338/554

7

 ペペ君の行動は早かった。

 すぐに7名の部員を集めて新しいクラブを創立させ、クラブ棟の端っこに小さい部室を構えた。


 ペペ君のクラブの名前は『ひよこクラブ』だ。

 ん?どこかで聞いた事のある名前だが、ひよこチームから名前を転用したらしい。

 もちろんひよこを育てたり、赤ちゃんを育てるクラブじゃないよ。


 あややクラブで行うイベントを継承して行く事を目標としているのだ。

 ペペ君と副部長のベレンちゃんが毎日、あややクラブに顔を出し、手伝える事はないかを確認しに来る事になった。


 作戦会議室には新たに机と椅子が大量に搬入された。

 会議内容を外に漏らさない意味でも、会議場所はウチの部室の作戦会議室にしたので、2つのクラブメンバー全員が入れる様にしたのだ。

 つまり、ペペ君とベレンちゃん以外がウチの部室へ入ってこれるのは合同会議がある時だけなのだ。


 最初は、彼ら全員ウチのクラブへ入れてあげもいいんじゃぁ?なんて思っていたけど、これだけの大所帯になると、もう大人数が作戦会議室にひしめいているだけで落ち着かないので、闇王様の判断は英断だったと今では素直に思えるよ。


 だって、4年生になってこの部室を使えなかったらお風呂がぁぁ・・・・。


 アドリエンヌ様だってお花の世話が出来なくなったらストレスだろうしね。


 と言う事で、今回は第一回合同会議なのです。

 私、張り切っちゃいましたよ。

 ん?何がって?


 もちろんおやつですよ、おやつ!

 今日は7名プラスの合計15名ですからね。

 男子率も高いので、具たくさんの肉まん!

 そしてお口直しの甘いものはクッキー。

 そう、動物のかたちのスノーボールクッキー。

 甘さ控えめだよ。うふふふ。


 ボブ君は相変わらずハリネズミ君がお気に入りの様で、何か見入っているよ・・・・。

 新入生部員集めの期間が終わったから、もうこっちの部室に来れる様になって良かったよね。


「うわぁ、すごい。戦時の作戦本部みたいだぁ」

「美味しい~。お肉たっぷりだぁ」

「それぇぇぇ、以前闇王様が教室で食べていたという噂のクッキー?」

 え?2年生なのに、このクッキーの噂知ってるんだぁ・・・・。

「可愛い。これ食べられるの?私猫ちゃんが好き♡」

「うぉぉ、これ、ライトがすごくドラマチックだ。一か所だけ光が当たる様にできているんだなぁ」と姦しい事、姦しい事。


 一通りワイワイと話し込んでいたみんなが落ち着くと、闇王様の出番だ。


「みんな、今日は第一回あややクラブとひよこクラブの合同会議へようこそ。おやつも行き渡った事だと思うので、ちゃっちゃと議題に入るぞ」

「「「は~い」」」


「今日の議題は2つ。ドッジボール大会の開催についてと、魔法障害物競争の準備についてだ。ひよこクラブの面々には今まであややクラブがどの様な準備を行って来たか知ってもらう必要がある。セシリオ、ドッジボール大会のロードマップを説明してやってくれ」

「はい。では、みなさん今ボブが配ってくれている紙を良く見て下さい。同じモノが後ろの掲示版にも貼ってあります。これは、一つのイベントで、誰が何をいつまでに行えば良いのかを図にしたものです」


「うわぁ、なんかこれ、分かりやすいね」

「うん、色で分けてあるから見やすいなぁ」


 ひよこクラブの子たちは一々反応を返してくれて楽しいのだが、その都度話が止まってしまうのが難点だね。


「これは去年のドッジボール大会を行った時のロードマップです。今年はこれに基づいて、日にちを変えるだけで問題なくドッジボール大会を開催できると思います。それで、今から、このロードマップの中にひよこクラブのみなさんの名前も書き込みます。あややクラブの各担当者とマンツーマンでやり方を学んで下さい。自分が担当していない作業も、このロードマップを見れば全体の流れが分かります。まずはひよこクラブの中で、それぞれの作業の内容や認識を共有して下さい。あややクラブとしては誰に何を教えたかを管理しません。ひよこクラブの中でちゃんとまとめる事。ウチに聞いてこられる場合は、ひよこクラブ全員で確認したけど分からない事だけにして下さいね」


 小学生くらいの子たちに結構厳しい事を言っているのだが、ひよこクラブの面々は納得しているらしく、ニコニコと頷いている。


「ウチのクラブは上級貴族もいれば平民もいます。ひよこクラブは下級貴族しかいないと聞いておりますので、誰が誰についてマンツーマンで学ぶか、それはペペ君に割り振ってもらいたいと思っています。では、各作業の簡単な説明をしますね。この、参加チーム申請登録と言うのは・・・・」


 セシリオ様の少ない言葉数にも関わらずズバっと何をするかという事が完結に伝わる説明で、ペペ君は十分に理解できた様だ。

「ああ、これはサムエルが、こっちはベレンに頼みたい」などと、すぐに誰を担当にするかを決めてくれたので、ボブとセシリオ様がロードマップにひよこクラブの担当の名前を書き入れて行った。


「じゃあ、みなさん。お手元のロードマップにひよこクラブの面々の名前を書き入れて下さい。今から回すオリジナルのロードマップを良く見て、間違えない様にお願いしますね」とセシリオ様がドッジボール大会についての話を括ってくれた。

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― 新着の感想 ―
アイスボールクッキーてアイスボックスクッキーのことですか?スノーボールクッキーのことですか? 以前の作り方や動物の形を作るならアイスボックスだと思うのですが…どうも気になって スノーボールなら途中で冷…
うん、このレベルまでくると生徒会の発足と同義じゃなかろうか? イベント開催の手順をまとめて、下の学年に指導するとか、、、 後は日々の学生間のサポートや管理までやり出せば完璧w
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