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倒れなかった。
半分に切った玉ねぎはちゃんとみじん切りになっていた。
MPはしっかり消費した。
でも、しゃもじを作った時くらいで済んでいる。
つまり微々たるMP消費で済んでしまった。
やったー!
ただ、自分のMP限界が分かっていないので、この後も魔法を使う事に不安がある。
となると次の課題はMPの限界値を掴む事だ。
でもねぇ~、数値化できないから分かんないんだよね。
それと、他にどんな調理魔法を使えるのか調べる事も必要なんだよね。
あ、もちろん、いろんなタイプのストレージを使ってみたいし、食材育成もいろいろ試してみたい。調理器具も揃えたい。
う~~ん、やりたい事だらけだ。
あ、そうだ。
寝る前にMPを使い切って寝る様にすれば、自分のMP限界量を体感として掴めるだろうし、調理道具を作れば色々揃うし、一石二鳥だ。
作るのは、畑用に種とか苗でもいいかもしれない。
月桂樹や、柚子とかレモン、木の芽なんかも欲しいよね。
何より胡椒なんかも欲しい。
あ、そんな事を考えてたら一番大事な砂糖を思いついたよ。
でも、ここの気候で育つかな?
スキルでそんな条件も関係なくなるのだろうか?
んんんん。
検証しなくちゃいけない事だらけだぁ。
でももし、同じ重さの金と同額で取引されている胡椒や高額な砂糖を自前で用意できる様になるのなら、肉料理も臭みを気にせず料理できるし、スイーツなんかも作れる様になるし、欲しいなぁ・・・・。
あ!でも、あんまり高級品を使ってると出所を探られるかもしれない。
そしたら私のスキルについてバレてしまって、下手をしたら貴族と関係を持たざるを得なくなるかもしれない。
それは嫌だなぁ。絶対!
う~ん。でも、月桂樹とか柑橘類くらいは大丈夫じゃないかな?
大量に使う物でもないし・・・・。
ブーケガルニ用にセロリもあった方がいいかな?
機械的に下拵えの手を動かしながら、今晩どんな植物の種か苗を作るかで頭の中は一杯だった。
今夜の仕事は終わり、お風呂のない庶民の家なので、お湯で体を拭いて、ベッドに入る。
ふふふふ。
やっちゃいますよ。
MPの限界を体感する為に、頑張るぞー!と思いつつ、植えたい植物を考えました!
まずはレモンの苗木、そしてショウガ、月桂樹、鷹の爪、それでもまだMPが余ってたらアサツキとか、レモンの苗木からもう一巡ってのもありかも。
レモンの苗木は知らないけれど、レモンの実を思い浮かべながら『レモンの木の苗、出て来い』と頭に浮かべると、苗木が出て来た。
そのまま苗木をストレージに入れて、今度はショウガ。
ショウガは種と苗、どっちがいいのか分からないけど、まずは食材としてのショウガを思い浮かべた。
『ショウガの種、出て来い』と願うと、ショウガそのものが出て来た。
ん?これって食材のまま出て来たの?
それとも、ショウガ自体が根っこっぽいから、ジャガイモみたいに種イモならぬ、種ショウガ?
ショウガをストレージに入れる前に、じっくり見てみた。
ショウガはショウガなんだけど、あっちこっちに芽みたいなものがある。
やっぱりこれって種イモみたいなものなのかな?
じゃあ、適当な大きさに切って、植えるのが正解なのかな?
とりあえず一回は植えてみて、それからだね。
芽が出ない様なら、またやり方を変えてみればいいよね。
おっと!私ったらお馬鹿さん!
『食材鑑定』すればいいじゃん。
種ショウガだったよ~。
はぁ~、このスキルめっちゃ便利だよ。
神様、ありがとう!こんなに使いやすいスキルをいっぱいくれて。
もう、本当に感謝の気持ちしかないよ。
一通り神様に感謝すると、MPを使い切る実験に戻った。
今度は月桂樹と思い、呼び出した所、ふっと意識が遠のいた。
ああ、ここがMPの限界なんだな。
ベッドカバーを汚す前に、苗をストレージに入れないと・・・・。
結局、苗は私の手から零れ、床へ落ちた。




