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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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 鳥人コンテストが無事終了し、部員全員が期末テストの準備に入った。

 ザ平民ズはその前に錬金術クラブの夏の即売会があるので、その準備も着々と進めていた。


 第三皇子とディアナ様はあれから顔を見ていない。

 何かコンテストの終了間際にこちらをじっと見つめていたので何をされるんだろうと戦々恐々だったけれど、肩透かしをくらった感じだ。

 いえ、何も無いのが一番よ。

 このまま顔を見せないでねと心から願う。


 ここの所私個人はダンテスさんとの書簡のやり取りが激しいので、実は他のメンバーより忙しくしているのだ。

 夏休みに入ったら高級ホテル建設の候補地を見学へ行く事になっているので、その打合せなのだ。


 週末家に戻った時よりもメッセンジャーボーイがいる寮にいる間の方が連絡が取りやすいらしく、夏休みに入る前に大体のスケジュールなんかを決めたいとのことで、毎日2~3回手紙のやり取りをしているのだ。

 大公様のお屋敷でも鳥人コンテストの事は知られており、それが終るまではって待っててくれたらしい。


 そして錬金術の即売会は今回も私たち5人はドールハウスなのだ。

 前回と同じ物も売るし、新たに市場シリーズや村役場、大店等バリエーションが多い。

 フェリーペたち男子は厩舎に思い入れがあるみたいで、一つ一つかなり工夫を凝らして作ったとのこと。

 

「これ!この飼い葉おけ、こっちは飼い葉がバラバラなんだけど、こっちは山型にちゃんと固めてあるんだぜ」

「こっちは干し草なので茶色、こっちは夏の草で緑色。なかなか良い色でしょう?」

 ランビットまでフェリーペと一緒になって厩舎の説明を延々としてくれる。

 君たち、それはお客さんが来るまで取っておきなさい。

 

 そして今回は1年生たちが必要な時は出来るだけ魔力をあげる様にしたのだ。

 ランビットが私たちと一緒に活動する様になって、魔力のない錬金術師がどんな感じなのかが良く分かったので、こちらから声を掛けて魔力を使う様にしたら、1年生たちにとても懐かれてしまった。


 1年生たちはランプを作っているんだけど、なんとその形が馬車なのよね。

 ランビットが冬の即売会で引いた設計図を活用して、更にサイズダウンさせた物を作ったのだ。

 そしてその馬車の内部に光源を設置しており、錬金術クラブの男子に頗る人気なのだ。


 これは、1年生たちが私たちの売り上げランキングの強力なライバルになるかもだね。

 なんて思っていたら、実際に売り上げランキングの2位だったよ。

 もちろん私達が1位だけどね。


 お客様もこの即売会でドールハウスの新商品を売り出すって知っていたからね。

 だって、冬の即売会の時にそう私たちで宣伝しておいたもの。

 だから、開店と同時にすぐに売り切れましたよ。

 前回に比べても大量に部品を作って備えていたんだけどね。


 続けての売り上げアップでオスカル部長はホクホクだったけどね。

 

 次の部長は誰にするか。

 それは現部長のオスカル先輩が決め、相手が了承して決まるのだが、今年はボブとランビットという2人が候補だったらしい。

 うん、納得だね。

 2人とも錬金術大好きだしね。


 違いは魔力の有無なんだよね。

 オスカル先輩も一度は魔力無しの部長がいてもいんじゃないかと思ったらしいんだけど、私たちの次の世代は魔力なしの部員しかいないので、ここは工房の後継ぎでもあるボブにしたらしい。

 オスカル先輩の打診に、ボブは直ぐに了承し、内々に来年の部長はボブに決まった。


 次は期末テスト。

 それが終ったらサラサ先輩の卒園だ。

 卒園式には在校生は参加できないんだよね。

 サラサ先輩にはお世話になったので卒園までには何かしたいよね~と言いながらも先に期末テストが来た。


 もちろん学年1番は、エヘン!私だよ。

 おほほほほ。

 今まで一度も1番以外は取った事ないんだよぉ。

 おほほほ(自慢だよ!)


 今回の2番はセシリオ様、3番が勇者様、そして4番が闇王様。

 ランビットが9位!!

 すご~い。

 何人もごぼう抜きで順位を上げてたよ、ランビット。

 フェリーペが10位。


 アドリエンヌ様は・・・・うん、がんばってた。

 嘘じゃないよ。

 ボブは12位だったよ。


 成績は上位者しか発表されていないから、下位は分からないからね。

 

 皇子やディアナ様のいる1年の成績は興味がないから1階のお貴族クラスの廊下まで行く心算もないから、どんな順位かは知らないよ。

 あ、それはファティマ様もそうだね。


 そして期末テストが終るとすぐに夏休みになる。

 アドリエンヌ様に事情を話して、サラサ先輩用の夏のお花のブーケを作ってもらった。

 オレンジと黄色が目に鮮やかな綺麗な花束に、艶やかなオレンジのリボンを結んで「「サラサ先輩、卒園おめでとうございます」」と5人で4年生の教室まで行って渡すと、サラサ先輩が夏のひまわりの様な明るい笑顔で応えてくれた。


「あんたたちも後2年、頑張ってね。お花、ありがとう~」と嬉しそうに花束を抱いて教室へ帰って行った。


 いよいよ夏休みだ。

 私は高級ホテルの候補地巡り、勇者様はいつも通りゴンスンデへ帰り、男子3人は王都でお家のお手伝い。

 ザお貴族様ズの予定は知らないよ~。

 皆、新学期に元気な顔で会おうね! 

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