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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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92 

「ありがとうございます。実際に昨年度鳥人コンテストを拝見していないので、今の説明についていくつか質問があります」

 皇子は丁寧な表現を心掛けてくれているのだろう、結構な低姿勢で質問された。


「まず、昨年度はあややクラブが全部を企画し、実施したり、手配して、今年は学園側が殆どの手配を行うという風に理解しましたが間違いありませんか?」

 その問いには闇王様が無言で頷いて回答した。


「では何故、今年は殆どの手配を学園側が行うのでしょうか?」

 ドナルド先生が身を乗り出し、皇子の注意を引きつけた。

「それに関しては学園側の代表である私から説明した方が良いだろう。何故今年は学園側が多くの手配を担当するかは、利益も観客数も大きなイベントだからだ。大工たちやライフセーバーたちへの報酬も可成りの額だし、それなりに出費もある。だが、同時に入場料や出店料の収益がその経費を補って尚、相当な額になったんだ。数人の学生だけでこの様な金額を稼ぎ出すと言うのは学園としても良い面より悪い面の方が大きいと判断したので、利益の中からいくばくかはあややクラブの活動費として支給するが、残りは学園にプールし、学生全般に必要な物、例えば図書を増やすとか、学食のメニューを豪華にする等、学生の為に使用する予定だ。事実、昨年度の儲けの中から学園が貰った取り分の殆どは今言った様な事に使われたからな」


「学園側は子供が大金を持ち、自由に使える状態にするのはまだ早いと判断したと言う事ですね」

 ドナルド先生の長い説明を皇子はグッと纏めて確認したので、元々頭は良いんだと思う。


「では、もう一つの質問です。あややクラブは今後もずっとこのイベントを開催するお心算ですか?」

「う~ん。今の所は続ける心算だが、別のイベントと挿げ替える可能性が無いわけじゃない。それは部員たちとも相談して決める事だし、来年になってみないと何とも言えないな」

「アドルフォ様、では、あややクラブが来年は実施する心算がなく、学園側が実施したいと主張したらどうされますか?」

「何故、我々が鳥人コンテストを開催したくなくなるのかという理由にもよるとは思うから何とも言えないけど、ウチのクラブが実施する気が無いのならば学園側だけで実施してもらっても良いと思う」

「そうですか。色々お答え頂き、ありがとうございます。イベントクラブからの質問は以上です。会合を続けて下さい」


「では、今年の出場チームの選定という議題に移ります。先日、学園側から午前と午後、6チームずつの出場との提案を受けました。現在21チームの参加申請が出ておりますので、この中から選ぶ必要があります。こちらをご覧ください」

 闇王様が手で示したスクリーンには、参加希望チームの一覧が載っている。

 

 チーム名等は書かれておらず番号が振ってあるだけで、チームの人数、学年、男女比、仮装のテーマ、機体の種類、主な魔法の属性、昨年度の参加の有無、チームのアピールポイントが簡単に書かれている。

 それが学年別に並べられていて、とても分かりやすい表になっている。

 これは作ったのはフェリーペだが、表の形はセシリオ様とボブが一緒に考えた様だ。

 

 表の説明をするためにフェリーペが闇王様の横に並んだ。

 私たちは着席のまま、フェリーペがどんな説明をするのか大人しく聞いていた。

「ここの昨年度の参加の有無の欄ですが、〇と×と△の記号が入っています。〇は昨年度参加した人ばかりで組まれたチーム、×は1人も参加していないチーム、△は一部のメンバーが参加したチームで、△の横の数字は何名が昨年参加したかを表しています。この表は上から4年生、下が1年生ですが、この様に分けたのは、各学年から満遍なく参加チームを選抜するためです。この表に関して何か質問はありませんか?」

 見れば分かるよく考えられた表なので、誰からも質問はなかった。


「では、参加チームを選びましょうか。先生方は何に重きを置いて選びたいですか?」

 再び進行は闇王様の手に戻った。

「そうだな・・・・。各学年から満遍なく選ぶと言うのは良い視点だと思う。後、男女比も載せてくれているので、女子がいるチームもそれなりに選んで欲しい。ウチの学園はどうしても男子学生が多いので、女子学生の数が少な目に見えてしまうからな。ガスペール先生はどう思われますか?」

「ドナルド先生の意見と同じですよ」

 相も変わらずこの先生はやる気ゼロっぽい。

 反対にドナルド先生は熱い男の代表選手の様な先生だ。

 どっちもどっち。帯に短し襷に長しなんだよね。


「じゃあ、以上の事を踏まえて参加チームを選出しよう。まず、極端に人数の少ない所は機体づくりが間に合うかどうか不安なので、一旦落選としようと思うが、皆はどう思う?」

 皆が闇王様の意見に賛成したので、人数が少なくて落選になったチームの番号の所に、虫ピンを活用して作った大きな黒い丸をスクリーン代わりにしている白い布地に刺していく。


「次に各学年で女子学生を含むチームをまず当選にして、複数ある場合は、どのチームにするか、みんなで話し合いで決めるのが妥当だな。別の条件として、魔法属性は風のチームを優先的に選ぶというはどうかな?」

「「「異議なし」」」

 今度は赤い丸の虫ピンを当選したチームの番号の上に刺した。


 選出基準が決まっても、それぞれが推すチームにバラつきがあり、どのチームのどこが良さそうだ、どこに不都合が隠れていそうかなんて話で結構盛り上がった。

 その間、皇子もディアナ様も無言でメモを取っていた。


 その日の内に何とか出場チーム12組を選ぶ事が出来た。

「では、先生、各チームへの当落の知らせはこっちでやります。また当選したチームの作業スペースとして、学食の横のスペースにターフを作って下さい。これから野外での作業は陽射しとの戦いになりますから、少しでも学生たちが作業しやすいようにご協力願います」

 闇王様のこの一言で本日の会合は無事終了した。

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