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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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「魔法障害物競争。この名前でいいか?」

「「「はい」」」

 闇王様が作戦会議室でそんな感じに決を採った。


「んじゃあぁ、いつもで悪いが、アウレリア、大まかな考えを言ってくれ」

 やると決まったらグダグダ言ってもどうしょうもないし、女が下がる。

 よっし!やってやろうじゃん。


 私は作戦会議室の黒板前の教壇みたいな机の後ろに立った。

「えっと、まず、私はまだ魔法障害物競争について深く考えていません。なので、ここで言うのは叩き台です。みんなにドンドン意見を出してもらって原型と全く違うくらい変わったモノが出来ればいいなっておもっています」と、前置きをして皆の顔を見回した。


 1回だけ深く息を吸った。

「まず、これはグループでの参加を基本として考えます。それも違った属性魔法の人たちでグループを作ってもらうつもりです。で、障害物を用意しゴールまでの速さを競いますが、その障害物は2つ以上の属性で最適解があるモノにします」


「しゃいてき解って何でしゅの?」

「例えば、この前話した様に地面に大きな穴を掘ったとします。簡単なのは土魔法で土をドバドバ出してもらって穴を埋め、その上を歩いてゴールへ向かいます。この土魔法がその障害物を乗り越える、或いは取り除くのに最も適した手法ということで最適解ですね。でも、この穴の横に、穴を掘った後の土の山を用意しておくとすると、風魔法や水魔法でその土山を動かし、穴を埋めても良いのです。この風や水魔法も最適解と成りえます。つまり、一つのグループに土魔法のメンバーがいなくても風魔法か水魔法の人がいれば、その障害物は乗り越えられる可能性があるわけです」


「ん?アウレリアさんが言いたいのは、一つのグループで全属性のメンバーが揃わない場合を考えているって事で合ってますか?」

「はい。セシリオ様がおっしゃった通り、土属性の人を取り合いしなければ参加できないと言うのでは困るので、一つの障害物につき、運営側が考え得る解決策が2つ以上の属性が好ましいです。ただ!」

「「「ただ?」」」


「ただ!運営側からはどれどれの障害物には何魔法が良いですよという情報は一切出しません。参加者にそれぞれ工夫を凝らしてもらうのが面白いので、解説の時も、ここは〇〇の解決策があるのに、このグループは××の解決策を使ったんですね~的な説明は一切しない様にする必要があります。とにかく、運営側からはヒントは出さないということで」


「でも、それだと解説があっても面白くないんじゃないか?」

「フェリーペが言ってるのも一理あるかも?」と勇者様が困り顔で心配そうにこっちを見た。


「解説は、そのグループが何を思ってその方法を取ったのかの説明だけで十分面白いはずです」

「なるほど!アウレリアが言いたいのは、各グループの魔法の選定について考え方を説明するだけで、各グループの違いが出て面白いだろうって事か?」

 流石、闇王様だ。


「はい。そうです。後、全く同じ障害物競争のレーンを2つ並べて作ります。笛とか音の出るモノでスタートを知らせます。その音が鳴る前にスタートをすれば、やり直しです。同じグループが何度もやり直しをさせる様であれば、失格にします。これは失敗は何回までって事前に決めて、通達した方が良いでしょう。後、前にも言いましたが、この2レーンについては普段から練習用に開放します。後片付けとかありますので、予約制にして、時間を守らなかったグループは以後使用禁止とかイベント参加禁止にすれば良いと思います」


「結構厳しいなぁ」

 闇王様が驚いているけど、これには理由があるんじゃよ。ちょっと説明した方が良いよね。

「練習のスタート時間は遅れても誰にも迷惑を掛けませんが、掃除も含めて練習終了時間が後ろにずれ込む事は避けてもらいます。次のグループと揉める元ですからね」


「重要なルールは、最後のメンバーがゴールに到着した時間を競うということです。例えば4人のグループで3人は早々にゴールしたとしても、最後の1人がとっても遅かったら、その遅い人のタイムで競う事になります。グループの人数は何人でも良いです。例えば、アドルフォ様の様にお一人で2属性をお持ちの方が、別の2属性持ちの方と組めば2人グループでも参加できるわけです。後、何グループ参加したがるか分かりませんが、あまりに参加希望グループが多い場合は予選みたいな事をするか、早い者勝ちで何組までって形で申請を打ち切る等の措置が必要かもしれません」

 皆が無言で頷く。


「で、ここからは2属性以上の魔法でどんな障害物を何個作るかをウチの皆で話し合えば良いと思います」と言って教壇の前から自分の席に戻った。


「はぁ~、アウレリアって実はすごい奴なんだぁ」なんてランビットが言っているんだけど、なんか照れるジャマイカ。

「そうなんだよ。ウチのイベントはほぼほぼリアのアイデアなんだ」

 ちょっと、そこのフェリーペ君。何で君がドヤ顔?

「うんうん」ってニコニコしている勇者様は許す!


 そこからは皆でどんな障害物を作るのか、そしてその障害物は実際に2つ以上の属性で対処できるのかの話になった。

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