表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
274/557

65

「お前たちが作る時、俺も一緒に作らせてほしい。俺の分も作りたいけど、一人で黙々と作業するより、お前たちとおしゃべりしながら作る方が楽しいし、魔力ももらえるだろう?だからあややクラブの部室に入室する事を許して欲しい。それとこの前ガスペール先生が言ってた美味しいおやつも食べてみたい」

 これがランビットの出した条件だった。

 しかし、ガスペール先生は何時、誰にウチのおやつについてしゃべったのだろう?

 これは由々しき事態では?

 ガスペール先生についても闇王様に相談しなくちゃね。


 部室への入室は闇王様の許可がいるので即答できないが、一応それを条件にしてみるとランビットには説明し、あややクラブの部室へ。

 闇王様からは即答で「連れて来ていいぞ。おやつはアウレリア、頼むな」とのこと。

 とんぼ返りの様にフェリーペとボブが教室に戻り、ランビットを連れて来た。

 彼の手には今まで描き綴ったドールハウスの設計図がしっかりと握られていた。


「失礼します。ランビットと申します」と少し硬くなりながらも、フェリーペの背中からちょこんと顔を覗かせ挨拶をしたランビットに闇王様はちょっと苦笑しながらも「今回は馬車とドールハウスを作る事、許可してくれてありがとう。自分の家だと思って寛いでくれ」と言いながらダイニングテーブルの所へみんなを誘った。


 普段ならもっと遅い時間におやつなんだけど、まずはランビットへウェルカムの意を示すためにティータイムを先に持って来たのだ。

 今日のおやつは小籠包と一口アーモンドチョコレートだ。


 アドリエンヌ様がお茶を淹れるのを見て、ランビットはとっても恐縮していたが、一口含むと「おいしい!」と感嘆の声が上がった。

 アドリエンヌ様は嬉しそうに微笑んで「お代わりが必要なら遠慮なく言って下しゃいね」とウェルカムの気持ちを前面に表してくれた。


「このクラブ全員のを作るのに、どれくらいの期間が必要なんだ?」という闇王様の質問にボブが答えた。

「すぐに手に入る材料については3日から4日で作成を始める事ができますが、入手が難しい素材についてはもう少し時間が掛かると思います。1ヶ月以上はかかると思ってもらった方が良いかもです」

「そうか。じゃあ、ランビット、作成している間は何日でもここに来ていいぞ。もちろん俺たちと同じ物でよければおやつもお腹いっぱい食べて行ってくれ。あと、フェリーペから相談されたんだが、お前自身の馬車やドールハウスも作りたいって事だったから、作成費替わりにお前たちのも俺たちのと同じ材料で良いのなら、材料費は俺たちが出すぞ」

「ありがとうございます」


 フェリーペが「馬車の方は無理なんですが、ドールハウスの小物に関しては、色とか模様のデザインとかの指定があれば相談に乗りますので、指定したい場合は早めに相談してくださいね」と切り出したら、待ってましたとばかりにアドリエンヌ様が私と勇者に「早速だけどしょう談したいの」と言って来た。

 ランビットに部室を案内した後、テラスで女子会をしながら細部を決める事にした。


 階段下の図書コーナーや作戦会議室にも目を輝かせたランビットだが、2階の錬金術コーナーを見るとそこから動かなくなってしまった。

 ソファーコーナーとの間仕切りになっているシェルフの中身や、壁にある薬棚の様にたくさんある引き出しを一々開けて感嘆の声を上げている。

 まだソファコーナーやテラスなんかがあるんだけれど、根っから錬金術が好きなんでしょうね。

 ボブと二人で錬金術をテーマに、話に華を咲かせていた。


 それを横目に見て、私たち女子3人はテラスのアドリエンヌ様コーナーへ。

 吊りタイプの籐椅子にそれぞれがゆったりと座る。

 寒く無い様に周りを木目の塀で三方を覆ってあるし、頭の上にはカラフルなパラソルもあるし、床には大きな火鉢に火が入っているのでそこまで寒くないのだ。

 ただ絵を描ける程のテーブルはないので、ある程度の方向性が決まったらソファーコーナーへ移動した方が良いかもしれない。


「そう言えばアドリエンヌ様、押し花はどれくらい出来ましたか?」

「メグ、ちん配してくれてありがとう。アウレリアもお花を提供ちてくれてありがとう。厚みのある花以外はちゃんと押ち花になりまちたよ。厚みのあるのは、花毎に掛かる時間が違うみたいなので様しゅ見でしゅ」

「順調そうで嬉しいです」と屈託のない笑顔を向ける勇者様が眩しい。


 さて、寒さを感じる前にドールハウスの方向性を決めておかないとね。

「アドリエンヌ様、壁の色、屋根の色、何階建てが良いか教えてもらえますか?」

「そうねぇ。黄色い壁、緑の屋根、しゃん階建てがいいでしゅね」

「ねぇ、リア、食器とか家具は、フェリーペのお店から布が届いてから決めた方が良いかもよ?」

「それもそうね。アドリエンヌ様、それでいいですか?」

「ええ。特にテーブルクロシュの色に合わしぇておしゃらの色やデジャインを決めたいの」

「「分かりました」」


 後は、私がサーモン色の壁と赤い屋根、メグが白い壁に青い屋根、全員3階建てにした。

 だってその方が部屋数が増えるしね。


「私1階は台所と洗濯室にしようと思うの。2階に書斎と居間、3階に寝室とバスルームかな」とメグが嬉しそうに言うと、アドリエンヌ様も「私は1階は居間と台所、2階は書斎とバシュルーム、3階が寝しゅつ2つね」と楽しそうだ。

 う~ん、私はどうしょうかな。

 水回りはコンパクトにして1階に集めちゃおうかな。

「それじゃあ、私は1階は台所、バスルーム、洗濯室にして、2階に書斎と居間、3階は寝室と子供部屋にしてみようかなぁ」と言うと、「「子供部屋!!」」と二人が目を大きくして身を乗り出した。


 即売会でもベビーベッドとか数は少ないが売ってたハズだけど、自分が担当していなかったら忘れちゃうものね。メグがベビーベッドの存在を忘れていても不思議ではない。

 私もエイファーが生まれて来てなかったら子供部屋とか思い付かなかったもの・・・・。


 二人とも子供部屋をどこにしようかウンウン唸って考えている。

 こういうの女子会みたいで楽しいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あかん、アドリエンヌ様はしゃくれてるイメージついてきた。。
もうそろそろアドリエンヌ様の舌ったらずを減らしても良いような?少しずつね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ