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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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35

 アドリエンヌ様は庭いじりは止めたくない。

 でも、アドルフォ様は軽微だがアレルギーがある。

 だから、思いっきり土いじりをする代わりに、闇王様がいる1階に降りて来るのは、その日の庭仕事を終えた後、体に花粉を付けずに降りる様にしていたらしい。

 いじらしいなぁ~、もう。


 今日は木曜で錬金術クラブだから、アドリエンヌ様がどういう風にあややクラブで過ごしているか分からないけど、彼女もやりたい事をやりたい様にしていると言う事が分かって、私の気持ちは随分と軽くなった。


 さて、ドールハウスですよ。

 ふふふふ。

 ランビットがこの二日間、いろいろ作業を進めてくれていたみたい。

 もちろん、ボブもあややクラブの錬金術コーナーでいろいろ作っていたみたい。


「これ、この蝶番の大きさなら、窓とか戸の開け閉めが出来るはず」

「「「おおおお」」」

「俺はカーテンを30セット作ったぞ。今日、お前たちの誰かが皿を大量生産してくれれば、デザイン画に合わせて色ツケや模様を描き込んだりする心算だから、大量に作ってくれよ」

「私がやる~」と早速勇者様が立候補した。


「じゃあ、私はランビットが作ってくれた2階建てのハウスの壁、2種類とも作るね」と私が言えば、「俺は馬車の骨格部分、3種類とも作りまくるぞ」とフェリーペも意欲満々。

「じゃあ、僕は台所周りの設計図を引くよ。リア、デザインはこれでいいの?」とボブは私が描いたデッサン図を持ち上げた。

「うん、それでお願い」


 お皿も色んな色や模様を絵付けしたり、テーブルクロスとカーテンを同じ布で用意したり、ソファーに置くクッションや絨毯の色を合わせたり、もう幾通りも模様替えが出来る程豊富な小物は見ているだけで楽しくなっちゃう。


 カトラリーは小さすぎてあまり装飾を付ける事は難しいけれど、その分、グラスのバリエーションを増やしたり、洋服ダンスの中に飾る人形の洋服を作ったり、もう楽しくて楽しくてたまらない。

 全部自分のモノにしたいくらいだ。

 しかも、メグもだけれど、ランビットも意外にセンスが良くって、彼が絵付けしているモノも普段自分だとデザインしない感じのモノだったりするから見ているだけで楽しいのだ。


「バスタブっていろんな形があるのなぁ~」なんてフェリーペも馬車だけでなくドールハウスの方の家具も作ってくれている。


 馬車の外装はべっ甲の様なあめ色のモノや、黒っぽい木目の落ち着いたモノ、御伽噺に出てくる様な真っ白に金色の模様の入ったモノ等、何種類も作ってる。

 勿論内装もだよ。

 深い赤、ロイヤルブルー、茶色の皮、黒い布、etc。


 作ってる私たちが一番これらを欲しいと思っているのがスゴイよね。

 即売会で売りたくないよ。


「なぁ、これって食器はこの皿とこっちの皿、カトラリーとグラスでワンセットだよな?」

 ランビットが1セットと思える数を並べた。

 それを見た勇者様が、「うん、それで1セットで良いと思うよ」と答えると、「それじゃあ、売る時ってどうするんだ?木箱か何かに入れるの?それとも紙袋か何かに入れるの?ドールハウスの中に入れてそのまま売る?」とランビットが何を気にしているのかが分かった。


「一人のお客様でも色違いとか模様違いのセットを買ってくれる場合もあるよなぁ?だとすると、ドールハウスの中に入りきらないかもしれんぞ」

「確かにそうだよね。だとすると木箱に入れて渡した方が使っていない時に保管するのに良くないか?」

「だとすると食器セット毎に一つの木箱に入れて売ったり、カーテンとか絨毯もひとまとめにして木箱がいいかな?」

 とうとうフェリーペとランビットの間で木箱作りの話がどんどん進んで行っているので、木箱は君たちに任せたよ。


 あっ!でも、一つだけ気になったので口を挟んでおこうかな?

「えっとね、お皿とかは見栄え良く木箱に並べた方が良いと思うよ」


「ん?見栄え良く?」

「そう、えっとね、ノリと混ぜたおが屑とかを敷き詰めて、お皿の形の窪みを作って上から綺麗な布で覆うの」

 フェリーペに説明したかったのは、高級食器が入っている箱の様な感じだ。

 工場の工具置き場の様に、その形、大きさの工具でないとその場所には工具を置けないというやり方でもある。


 言葉で説明するのは限界があるので、いつもの様に絵を描いて説明してみる。

「同じ大きさのお皿が6枚あるとするとね、木箱のこことここなんかに同じ大きさの窪みを6つ作って、このお皿はこの窪みにしか嵌められなくするの。で、こっちはセットになってるカトラリーの窪みね。フォークの窪みにはスプーンは入らないでしょ?こうすると、木箱を開けると中に何が入ってるか一目で分かるし、お片付けする時には何が足りないか分かるでしょ?」

「「「おおお!」」」


「後、こうやって全部が一目で分かる様にしてあれば、色違いとか柄違いのセットをいくつか持ってる場合、蓋を開ければすぐにどのセットか分かるから便利だしね」

「「「おおおお」」」


 ということで、木箱はこの方式で作る事になった。

 ランビットが喜び勇んで設計図を引きだした。

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