表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
154/549

51

 ドッジボール大会、学園から正式にGOサインが出ました。

 それと同時に貼り出したポスターを見た学生たちから委員になりたいとの申請が山ほど来ました。

「面倒臭いから先着順で、各クラス2名まで」との闇王様の鶴の一声でパパっと委員たちが決定しました。


 今日はこれから決起集会でございます。

 見事に、そう、見事に殆どが女子生徒です。

 こやつら、ゲフンゲフン、この方たちが何を期待して委員に名乗りを上げたのかは一目瞭然ですね。


 各学年、貴族クラスが4クラス+平民クラス1で、4学年なので計20クラス。

 一クラス2名までなので、40名。そしてあややクラブの面々。

 計48名と学園が付けてきた先生2名。

 ガスペール先生とドナルド先生だ。

 家の担任のガスペール先生はどちらかというと「俺の仕事増やすなや!」というタイプで、決起集会の間も、やる気の無さ全開で椅子にだらっと腰かけていらっしゃいます。

 一方、火魔法のドナルド先生は「熱い男」を体現した様な先生で、生徒よりもやる気に満ちていた。

 中間はいなかったの?中間は。


「只今より、ドッジボール大会開催委員会を開催します。まずは会長であるアドルフォ・クラッツオから挨拶があります」

 セシリオ様の涼やかな声が響いた。

「「「キャー」」」

 挨拶をしようと闇王様が起立したら、「「「「「「「ギャー」」」」」」」という更に大きな黄色い声。

 闇王様が口を開こうとしたが、あまりの騒音に結局声を出さずに黙って座ってしまった。


 アドルフォ様の横に座っていたヘルマン様が「みなさん。静かにしてください。会長の挨拶が聞こえません。この委員会はドッジボール大会を開催する為の委員会なので、ちゃんと仕事をする気のない人は今この場で罷免します」

「「罷免って何?」」なんて1年、2年生がザワザワしている。

「罷免とは辞めさせられると言う事です。いいですか、委員になりたいと申請された方は相当数いらっしゃいました。こうやってアドルフォ様が話す度に声を上げる様な方は辞めて頂いて、次席の方に繰り上げで委員になってもらいます。分かりましたか?」

 年の功とでも言うのか。

 最高学年のヘルマン様は、殆どの生徒にとって年上の男子生徒、体つきだって大きい。そんなヘルマン様から強い口調で諫められたので一同シーンとなった。

 ヘルマン様、グッジョブ!

 折角闇王様とお近づきになれる可能性が高い委員になったのに、何もしない間に罷免されてしまうのは避けたいと言う事だろう。


 漸く静かになった中、闇王様がもう一度立ち上がり挨拶を述べた。

 続いてフェリーペが委員にやって欲しい事を簡単に説明した。

 まぁ、要は、ドッジボールのルールを覚え、クラスメイトを誘って何度かドッジボールの練習をし、クラスメイトたちの大会への参加意欲を煽り、大会当日はコート作りや審判をして手伝ってもらうという事だ。

 それと、今後の委員会がいつ行われるかを伝えた。

 議事録はいつも書記をしてくれるボブが書いてくれている。


「後、あややクラブのチームが各チームに対し1度だけ練習試合を申し込みます」

 セシリオ様の爆弾発言で、またまた「「「「キャー」」」」という黄色い声が上がったが、闇王様に睨まれ、ピタっと止まったのは流石と言うしかない。

 これでどのチームも大会前に1度は練習試合を体験できるだろう。

 だって闇王様やセシリオ様が触ったボールを手にする機会だもんね。

 もう委員たちのテンションが半端ない。

 それに反比例する様にガスペール先生のやる気がダダ下がってる気がするのは気のせいかな?


「みなさん、どの様な活動を期待されているかお分かりになりましたか?」

 セシリオ様が確認すると、みんな頭を縦に振っていた。

 そこで、私とメグ、フェリーペが委員のスカーフを配った。

 最初は腕章をとも考えたのだけど、ダサいとの闇王様の一言でスカーフになった。


「このスカーフは委員という印だ。活動中はこのスカーフを身に付けてくれ。Dという飾り文字が書き込まれているので、表からその文字が見える様にしてくれ。万が一、そのスカーフを失くす事があったら直ちに事務局に申し出てくれ。おい、事務局のメンバー、手を挙げてみんなに誰が事務局か分かる様にしてくれ」

 闇王様にそう言われ、私達平民4人組が手を挙げた。

 学年や名前は最初の自己紹介で済ませているので、今回は何も言わずに手を挙げただけだ。


「君たちの活躍に期待している。頑張ってくれ」

 説明が終った闇王様が着席すると、ほぉ~っと言うため息の様な物が委員たちの口から零れた。

 セシリオ様の「質問はありませんか?」の一言で、質問でいいから直接闇王様と口を利きたい委員たちは、活発に質問を発した。

 でも、ごめんね。答えるのは私なんだよね。

 あ、そんなに睨まないで。

 だってドッジボールを実際に体験した事があるのは私だけなんだもん。

 でも、一応、私の説明が終ると、アドルフォ様が「今の説明で分かったか?」と直接質問者に確認してくれたので、何とか委員たちの目的は達したと言える。

 でなかったら、私、後からもみくちゃ攻撃に遭いそうだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] チート転生して成り上がっていく話自体は好きなんですが、ここでの料理スキルというものは何でもありでビックリしますね。 それに、いくら賢い子の集まりといっても5才とは思えない。 そして極めつけに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ