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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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 春のメニューも決まり、ペドロさんとの魚介類の値段交渉も終わり、制服もGoサインが母さんから出て、大公様にインテリアの販売についての了承も得、スモークチーズに合うチーズも見つけられた。

 もちろん桜餅用の材料も余るほどスキルで作り出し、伯母さんとナスカに餡子の煮方も伝授した。

 ナスカも桜餅だけは作れる様になったしね。

 明日から新学期!

 よし!寝る!

 実家の大きなお風呂を満喫した私は、ごろ~んとベッドに横になった。

 明日からはあややクラブの部室を満喫する事にしよう!

 闇王様、メグの顔見たらどんな顔をするかな?



「おはよう!」

「お!元気そうだな」

「どこ行ってたんだ?」

 長期の休み明けの教室なんて地球でもオルダル国でも変わりない。

 クラスメイト同士で休みの間の出来事の話に花を咲かせる。

 私たちもお互いの近況について情報交換していたら、ガスペール先生が教室に入って来た。


「おう、みんな元気そうだな。今日からまた学校だ。勉強しろよ」と言い、いつもの様に授業が始まった。

 学園では始業式なんてのはないのだ。


 放課後になってすぐに四人で錬金術クラブの部室へ直行した。

 月曜なので錬金術クラブの活動がある日なのだ。

 休みの間、欠かさず練習して来た魔法陣の評価をしてもらわないとだしね。


「うん。いいじゃん。良く練習して来たってのがわかるよ。みんな頑張ったな」

 天使の笑顔を浮かべたオスカル先輩は、1年生全員を合格としてくれた。

「サラサ部長。全員合格だよ。次は何をする?」と、新入生教育をサラサ部長にバトンタッチした様だ。


「そうね。みんなには初めて本格的に錬金術をしてもらおうと思います。魔法陣を使ったものにするつもりなので、タルボットは魔法陣を描いて。あなたは魔力がないから、魔力が必要な部分は私が協力するね」

「はい」

「じゃあ、一般的な材料で表札を作ってもらおうかな」

「表札ですか?」とボブが聞くと、「そう、寮の自分の部屋のドアに取り付けたらいいんじゃないかな?まだ魔石を使って動かす物を作るところまで行ってないからね。表札だとみんな名前が違うから同じ設計にはならないし、出来上がった物を比べるのも楽しいじゃない?」と言われ、みんな一気にやる気になった。


「四角い表札でもいいし、楕円形でもいい、作れるなら複雑な形でも勿論良いわよ。ただフックに引掛けたり、紐で吊るしたりになるので、あまり重たい物はダメだからね。後、裏側がギザギザしてるとドアに傷が付いちゃうから寮長から怒られるわよ。表札って言っても色んな事を考えながら作らないといけないので、頑張ってね」


「あの~、色を付けるのは有りですか?」

 おお!メグたん、良いところに気付いてくれましたね。

 着色できるならいろんなデザインできるよね。

「ん~。君たちはまだ複雑な魔法陣は描けないと思うので、色を付けたいなら手でペンキを塗る様になるかなぁ」

「は~い」


 私たち4人もいつもの様に同じ作業台に座った。

「ねぇ、リアはどんなのを作る?」

「え?メグはどんなのにしたいの?」

「う~ん。色を付けてカラフルにしたいんだよね」

「そっかぁ。私、材質を何にしよう」

「あ、なる程。材料を金属にしなくてもいいのかぁ。私、そこまで気が回らなかったよ」

「お!それもそうだな。俺もてっきり鉄か何かで作るんだと思ってたから材質を何にしようなんて考えもしなかったよ」

「でも、魔法陣を使うんだよね?僕は鉄が一番楽だとおもうよ」

「まぁ、工房の跡取りのボブが言うんだから間違いないな」


 メグは鉄で文字だけの物を作り、頭文字だけ色を変える事にした。

 それってとってもスタイリッシュ。

 メグなら可愛い動物とか花のイラストを入れるのかと思ってたよ。意外だ。


 フェリーペは四角い鉄のプレートに名前だけじゃなくイラストを切り抜いた形で作るらしい。

 イラスト分の重量も軽くなるからとの事。

 考えたな。


 ボブは四角ではないちょっと変形したプレートを作り、文字を切り抜いた表札にするらしい。

 プレートの形もだけど、字体をどうするかを悩んでるみたい。

 そうか、字体もデザインしないとなんだよね。

 やっぱ、みんなで意見交換すると、いろんな注意点が浮き彫りになるねぇ。


 私は木のプレートの四隅に軽い金属の支柱を建てて、アクリル板を重ねて透けたプレートにしようかな。

 もちろん文字はアクリル板の方に書くけど。

 アクリル板自体はウチの店で調理具を作った時に使ってるから、配合分かっているしね。

 となると木はデザイン通りの形に切り出して木端は丸みのある形にして磨けばいいのかな。

 明るい色の木がいいよね。

 魔法陣はアクリル板の方で使おう。

 木のプレートより心持ち小さ目にして、裏側から名前を彫った感じに仕上げて、そこに色を入れるかどうかは出来てから考えようかな。

 あ、金属の支柱も魔法陣だね。

 軽量化のために中は空洞がいいよね。

 あ、アクリルプレートを挟む形になるから、支柱というよりは化粧ビスみたいにした方がいいよね。

 なんか段々楽しくなって来た!

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