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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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「♪肉肉、まんまん、肉、まんま~ん」

 作っちゃいましたよ。大量の肉まん。

 保温ストレージに保管して、いざ!大公様のお屋敷へ。

 学園生活についての報告は手紙で時々していたけど、長期休暇に入ったからね、一度は対面でお礼も兼ねて報告したいよね。


 ダンテスさんを通じてお伺いを立てたところ、今日ならOKとのことでがんばって作りましたよ。に・く・ま・ん♪

 学園で作りまくって保管しまくった中華料理の調味料、オイスターソースやウェ〇バーが早速役に立ちました。

 気に入って下さるといいなぁ。


 大公家から迎えに来てくれた馬車に乗って、大公館に着くと、ダンテスさんに連れられて家族用の居間へ。

「おお!元気にしとったか?」といつもの通りの落ち着いた感じのおじいちゃ、モゴモゴ、もとい大公様がソファに座って待ってて下さった。

「はい、お陰様で」

「お前んところのフローリストガーデン、ありゃ、いいな。儂もじゃが、精鋭たちも良く使わせてもらっている様じゃのぉ」

「いえ、こちらこそ大公様のお力で建てる事が出来たお店ですので、大公様のお力無しには何もなしえませんでした。また、いつもご贔屓にして下さり、ありがとうございます」

「ふぉふぉふぉふぉ」と、二人の大人な挨拶を横に立っているダンテスが温かい目で見守ってくれている。


「入試の成績は1位だったんだな。良く頑張ったぞ」

「ありがとうございます。今回の冬のテストも1位でした」

「おお!儂も鼻が高いぞ。このまま頑張って勉強する様に。ところで、クラブ活動は錬金術以外にクラッツオんところの倅が作ったクラブにも入ったらしいな」

「はい」

「何でも部室をすごく素敵に作ったと聞いておるぞ」

「あ、いえ。素敵かどうかは分かりませんが、自分の好きな様には作らせて頂きました」

「もしかしたら、お前のスキルは料理かもしれんが、本当に才能があるのはインテリアかもしれんなぁ」と言われ、あ、そういえば料理!と大公館到着直前にストレージから出していた肉まんをお渡しした。


「熱い内が美味しいのでお早めにお召し上がりください。使用人のみなさまのも持って来ておりますので、ここでお渡ししても良いですか?」

 良いと言われたのでダンテスさんに大量に渡してしまった。


「これはまた変わった味じゃの。美味しいのぉ」

「はい。これは私の魔法で作った調味料を使っておりますので、私しか作れません」

「ほほう。で、これは店でも出すのか?」

「いえ、賄いでしか作らない心算です」

「ふむ。気に入ったんだがのう」とおっしゃったので、いつでも必要な時はお声を掛けて頂ければ作りますと言って帰って来た。


 前世で海外進出をした中国人に聞いたんだけど、各国で中華料理店を開店する時、必ずその国で使われている油を使う様にしていると。そうすると大抵どの国でも中華料理が受け入れられるとのこと。

 私もこの国で良く使われているひまわり油を使ってみたので、大公様たちにも抵抗無く召し上がってもらえたのかもね。


 本当に気に入ってもらえた様で、その後も結構な頻度で依頼が入った。

 今度は中華料理を極めてみるのもいいかもしれない。

 問題は火加減だよね。

 そんなこんなで休みの間は料理三昧で、とっても幸せだ。


 ただ錬金術の方は未だに綺麗に魔法陣の線が引けない。

 でも、魔法陣の意味については可成り理解を深めたので、ちゃんと線が引ける様になればすぐにでもいろんな魔法陣を作れるのにとちょっとジレッたい。

 冬休みの後には、錬金術クラブの園内販売イベントがあるので、それまでに自分でも道具を作って販売したいけど、このままだと間に合わないかもしれない。


 まだ万全ではないけれど、毎日結構な回数、魔法陣を書き写しているので、少しづつだけど羽ペンの使い方も上手くはなってきている。本当に少しづつだけどね。

 錬金術が上達したら線を引き易いボールペンを是非にでも開発したいものだ。

 できるかな?


 私の鑑定は、料理に関する事であれば、どうしたら良いかまでちゃんと鑑定の中に出てくるのだけれど、料理や調理器具に関係ないと思うと、そんな親切設計にはなってない。

 例えば錬金術でボールペンもどきを作って鑑定したとして、どうしてボールペンとして機能しないのか等は表示されないのだ。

 私が心の底から、ボールペンは調理道具と思えればもしかしたらいつものチートが適用されるのかもしれないけど・・・・ボールペンは流石に調理器具とは思えない。


 まぁ、何にしても、まずは羽ペンだよね。

 これに慣れない事には錬金術を究める事はできない。

 さぁ、練習、練習。


 あ、それに休み明けの錬金術クラブの即売会で売る物のアイデアはあるので、父さんにお花を一杯育ててもらおう。

 ふふふふ。今から作るのが楽しみじゃぁぁ。


 後は、やっぱり年末に向けて生餃子を作ってストレージよね。

 この年末は実家に帰る住込みの奉公人は少ないらしく、ほぼ全員が家に残るので、作らないといけない餃子の数が半端ないんだよね。

 御節おせちはどうしようかな~。

 素材が無くてもスキルでどうにかなっちゃうんだけど・・・・まだ、みんな和食には慣れてないしね。

 餅米の栽培とかもどっかに頼んでおけばお餅を作ってお雑煮って手があったんだけどなぁ。

 まぁ、いざとなったらスキルで作ろう!

 お雑煮はお澄ましタイプにすれば、みんなの口に合うはず!

 よ~し、餅つきも家の恒例行事にしちゃう?

 ふふふふ。年始年末はいろいろ楽しめちゃいそう。

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― 新着の感想 ―
鍋の蓋に沿って書けば円にならない? 確かにフードペン(食用着色料を使用したマジック形状のペン)は行けそうだけどあまり認知されてないから主人公が知らないのかも?
建築みたいに、魔法陣を料理に関係あるものとこじつければ作れそうな気もするけど、それしかできないと人前で使いにくいでしょうしね……
大公様ってこんな好々爺みたいな感じだったっけ?
感想一覧
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