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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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「お前ら闇王と新しいクラブ作るんだって?」

 ホームルームが終った後すぐガスペール先生に呼ばれて皮肉っぽい笑顔を浮かべられた。

「あ、まぁ・・・・」とフェリーペが代表して答えてくれた。

「奇特なこって。まぁ、がんばれよ!」と変な励ましを貰ってしまった。


 あややクラブに関してはガスペール先生だけじゃなくって、家のクラスのマリベルやナナからも入りたい!攻撃を何度も受けているけど、闇王様がこれ以上部員を増やしたくないと公言しているので、なんとか逃れている。

 でも、二人はまだ諦めていないみたいで事ある毎に、この話題を蒸し返して来るのでちょっと煙たい。


「君たち、クラブを掛け持ちしてるんだって?」とは天使のご尊顔、オスカル先輩だ。

 錬金術クラブの部室でも私たちのあややクラブ入部の話しが知れ渡っているみたいだ。

「錬金術だけでも結構覚える事いっぱいあるのに、大丈夫?」なんてサラサ部長にも心配される感じだ。


 まだ部室を作ってもらってる段階なので、あややクラブは活動を始めているわけではないのだ。

 それでも闇王様は乗馬クラブを辞めてしまい、数多の女子生徒を涙の渦に沈め、学園内はあややクラブって何?どうやったら入れるの?あそこの工事って何かすごくない?出来上がったら見てみたいなど、様々な憶測や感想をいろんな生徒から引き出している。


 何をするのかは私たちにもまだ分かってないんだよね。

 だって、『アドルフォ様が やりたいこと全部 やるクラブ』なんだよ。

 全部、アドルフォ様次第なんだよぉぉぉ。


 でも、部室の工事も闇王様のご実家の金と権力に物を言わせてやっているので、1か月の工期で出来上がるらしい。

 後2週間かな。

 家具なんかももうほぼ出来上がっているらしい。

 ベランダの植物に関しては植えてもすぐ育つわけじゃないし、全ての植物がちゃんと根をはっているかどうか確認も必要だから、部室を使い始めてもしばらく職人さんが出入りするらしい。

 まぁ、出入りすると言っても私達が授業を受けている間に全ての作業をしてもらうらしく、直に顔を合わせる事はないらしい。


 今日はキッチンで用意して欲しい食材一覧を持って来いというお達しだったので、作って来ましたよ。

 ふふふふ。砂糖いぱーい。

 ハチミツいぱーい。

 フルーツもてんこ盛り。

 牛乳や卵も遠慮なく頼む事にしました。

 だって金に糸目を付けなくっていいって言われてるもんね~。

 ひゃっふぅ。

 大公様の時も思ったけど、あるところにはあるのがお金なのねん。


 冷蔵庫も冷凍庫も完備。魔石で温度調節できるレンジやオーブンもある。

 ミンサーやミキサーはないけど、かなり道具も揃っている。

 甘い物だけじゃなくって飲茶っぽいおやつもいいなぁということで、蒸し籠や中華鍋の図を描いて渡しておいたので、部室完成の暁には是非作ってみたい。

 蒸し器あったら茶わん蒸しも出来るね。蒸しパンやサツマイモや採れたてトウモロコシも蒸かせるよん。むふふふふ。


 最初は闇王様たちと一緒ということで全然乗り気じゃなかったあややクラブ。

 部室を自分の好きな様に作らせてもらえただけで、もう自分の分身の様に感じるよ。


 メグなんか自分でお湯の用意しなくても使用人にお風呂を用意してもらえるってだけで目がハートになってる。

 実は私も地味にお風呂はありがたい。

 使った都度、使用人が掃除してくれるそうで、申し訳ないと思いつつも、めっちゃ嬉しい。


 ボブも2階の錬金スペースに持って行くインゴットとかを毎週末、実家から密かに持ち込んで自分の寮の部屋で保管しているらしい。

 平民の部屋って狭いのにねぇ。今、ボブの部屋ってどんな感じになってるんだろう・・・・。

 気が早いと言うか、用意周到というか・・・・。


 フェリーペに至っては闇王様のリクエストで考えた作戦本部風勉強部屋を闇王様より楽しみにしているきらいがある。

「戦時物資を入れる様な棚とか、箱とかも置いて、紙とか文房具とかをいつでも取り出せる様にして欲しいなぁ」なんて、自分の頭の中である程度想像しているんだろうなぁ。

 もちろん、フェリーペの要望も部室案に入れさせてもらいますよん。

 キッチンの食材と同じで、紙なんかの文房具も闇王様が随時補充してくれるって言ってくれてたしね。

 そういう所は本当に闇王様々でございます。

 学園から部費がある程度出るみたいだけど、それだと満足じゃないと持ち出し上等で色々揃える気になっている闇王様におんぶにだっこでスマン!

 でも、ありがたや~。


 最初はみんな闇王様の無茶ぶりに鳩が豆鉄砲を食らった様な感覚で始まったあややクラブだが、部室が出来上がる前から早くも楽しみにしているのだ。

 早く完成して欲しい。

 多分、私が一番楽しみにしてると思うよん。

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