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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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 隣村に実梅を山ほど植え、『食材育成』スキルを使い可成り成長を促した。

 梅酒と梅干し作り作戦はちゃんと始動した。


 寮に帰るとキッチンがないので、実家で作りためたおやつをストレージに入れて持って行く事にしたので、その為の料理の時間も可成り取られた。

 でも、理想はストレージにストックした物とか、スキルで呼び出した物よりも、気分転換に料理そのものがしたいんだよね。何とかならないかな?


 週明けにはお菓子でパンパンのストレージとバナナを持って寮に帰り、ちゃんと銀貨4枚をせしめました。おほほほ。

 もちろん勇者様への貢ぎ物は無料でございます。


 午後のクラブ活動は毎日ではなく週の内2~3日が普通なんだけど、錬金術クラブも月曜と水曜が正式な活動日であるにも関わらず、結構部員は毎日部室に顔を出している。


 私も先輩たちが作業してるところを見るために、月曜と水曜以外にも顔は出しているんだけど、木曜は闇王会だからなぁ。

 毎日顔を出している訳ではない。


 さっさと先輩に教わって、魔石を動力とする調理器具を作りたい。

 これは入部前からの希望だ。

 でも、今はどうやって金属や木材を加工するかを習っている。

 正直言って金属や木材なら錬金術でなくスキルでも色々作れるし、その方がデザインが洗練されているし、機能も数段良い。


「今日は卒園されている先輩がみんなに教える為にわざわざ来てもらった。みんな、こっちに集まって」と天使の美貌のオスカル先輩が新入部員を集めた。

「僕は君たちの先輩でもあるハビットという者だ。よろしく。さて、錬金術に関しては説明が複雑な事もあり、毎年この時期になるとこの部出身で錬金術協会に所属している者が説明に来る事になっているんだが、今年は僕に白羽の矢が立った。とっても光栄に思っている」

 大人なOBの出現に私たちはちょっと引き気味だが、ちゃんと全員で「よろしくお願いします」と挨拶をした。


「もう、君たちも知っていると思うけど、錬金術とは素材を作る事、作りたい物の機械的な設計をする事、実際に必要な部品を作ったり組み立てたりする3つの工程に分かれるんだ。錬金術師の中には機械系と言われる単純な金属加工や木工加工のみをして素材作りをする者と、同じ金属加工でも魔法を駆使して全く新しい金属を作り出して素材作りをする魔術系と言われる者がいるのは知ってるね。機械系の素材だけを作る事に関しては錬金術師でなくても、鍛冶師なんかに任せる事もある。で、機械系も魔術系も物を作る時同じ工程を辿るけど、素材作りの部分と部品加工の部分だけ違うんだ。魔術系は全ての材料が揃っていなくても狙った素材を作る事が可能だし、部品を作る時も旋盤等を使わずとも好きな形、大きさの部品を作る事ができるんだ」

 ハビット先輩の説明に新入部員全員が頷いた。何故なら、この説明は入部して直ぐにサラサ先輩から教えられていたからだ。

 こういう説明だけを聞くと、この世界の錬金術とは部品を設計して加工し組み立てる、一人工場みたいな感じに聞こえる。

 ちなみに回復薬みたいな薬品に関しては薬師と言う職が別にあって、錬金術とは違う系統とされている。


 家のクラスのランビットは魔法スキルを持っていないので、魔術系職人にはなる事ができないが、機械系を目指して錬金術クラブに所属しているらしい。

 もちろん私は魔術系を目指してる。


「機械系の錬金術師は鉄や鉄と複数の金属をこの錬金鍋の中で溶かして、思った素材を作るので魔力を使う事はない。だから、魔法スキルを持っていない錬金術師は機械系の錬金術師になるんだ。鍛冶師と機械系錬金術師の違いはその加工精度にある。錬金術だとミリ単位で部品の加工が可能になるのに対し、鍛冶師の仕事は経験と勘が頼りになるし、全く同じ大きさ形の部品を大量生産するのには向いてない。でも、錬金術ならそれが可能なんだ」

 どんな理論でそんな事が可能なのかは分からないけど、錬金窯を使えば金属の融点とか考える必要なく混ぜる事が出来るのだ。

 錬金鍋は便利グッズなのだ! 


「でも、おかしいと思わなかったかい?魔法スキルを持ってる者も魔法の発動は持ってる属性の魔法しか発動できないのに、他の属性の魔術系錬金術が出来るっていうのはどういう原理なのか」

 言われてみればそうだ。

 火属性を持ってる人も、土属性の人も、等しく魔術系錬金術が出来るのだろうか?

 それとも作れる物が違うのだろうか?


「これ!」とハビット先輩は羊皮紙をヒラヒラさせながら私たちの目の前に突き出した。

 そして、「入部してから先輩たちが使ってるのを見た事があると思う」と続けた。

 勿論、見た事あるよ。だって、多くの先輩方が毎日使ってるんだもん。

「魔術系の錬金術を使う時に使用する物で、魔力を使って金属を混ぜて新しい金属を作り出したり、素材を特定の形に成形する時に使うんだ。例えば、鉄とアルミが手元にあって、ただ混ぜるだけならこの錬金鍋で溶かして混ぜる事ができるが、それだけでは作り出せない新しい金属を作りだしたい時はどうするのか?そんな時は魔法陣を作るんだ。つまり、手元に必要な材料が無い時や、何を混ぜたら良いか分からない時に自分たちで魔法陣を作り、魔力を通せば作れる可能性が出てくるんだ。あくまで可能性で、必ずしも狙った素材が出来るわけではないけどね。そして、魔法陣さえあれば流す魔力の属性は問われない」

「「「なる程!」」」


「だからインゴット作りで機械系と魔術系で違うのは、材料が全部揃っていなくても狙った素材を作れるかどうかだけで、魔法スキルを持ってない機械系錬金術師でも設計する力が飛び抜けていれば、魔術系錬金術師より優れた物を作り出せる人はいっぱいいるんだ。でも、好きな様に素材を作れる可能性のある魔術系もロマンがあるだろう?」

「「「はい」」」

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― 新着の感想 ―
年齢の設定が全くピンとこない。 5〜7歳児を集めて大人(20歳以上?)の先輩が指南している…? 絵面が思い浮かばない…
年齢設定にちょい無理があるし、5歳で赤ちゃん言葉は無いかな 家のクラスってのは誤記? うちのクラスって読ませたいなら、身内のクラスが語源だと思うから、どうしても漢字にしたいなら内のクラスだけど、通常…
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