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料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
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 今日の魔法合同授業は新しい魔法を作った時、どうやって登録し、その魔法を使う他者から使用料を徴収するかという話だった。

 結論から言うと、魔法省に届け出て、それ以前に同じ魔法がないかどうかについて魔法省が調べ、全くの新しい魔法であれば発動を確認し登録され、その後10年間はその魔法の使用者は創生者に使用料を払うというシステムらしい。

 中には魔法を発動する時に見ればすぐ真似できる人もいない訳ではないけれど、理念が分からなければ見ただけでは模倣が難しい魔法等は、使用希望者が魔法省に届け出て、使用料を払って登録されている魔法の情報を買うらしい。

 大まかな部分は地球の特許と同じと思っておけば間違いなさそうだった。


 10年間という期間が何を基準に設けられたのかは分からないけど、まぁ、10年経てば自由に使えるのなら、魔法の裾野は年々広がると思って間違いない。

 先生が言うには、新しい魔法を開発しても魔法省に登録しない猛者もいるらしい。

 そういう人は金を欲せず、他人に自分の魔法を使わせたくない人たちらしい。


 私なんて料理魔法だから他の人が聞いた事もない魔法、全てが新しい魔法と言って過言でない。

 でも、魔法省に登録したって同じ属性の人でないと使えないので、意味がないしね。

 それより私的には今日の午後、闇王様たちとの勉強会がある事の方が重大事なのよ!

 やっぱりクリサンテーモの応接室まで行かないといけないのよね?

 あう~。


 全部の授業が終わって、平民教室でガスぺール先生のいつもの決まり文句「今日はこれで解散!明日も遅刻するなよ」の一言でみんなが散り散りに。

 マリベルとナナが私たちの方へ駆け寄って来て、「あんたたち、闇王様に聞くの忘れないでよね」と何故か上から目線でお願い?された。


 この二人は午後のクラブ活動もダンス部にして、貴族の子弟との繋がりを持つ事に腐心しているみたいだから、闇王様とお近づきになるって福音くらいにしか思っていない様だけど、私には地獄への招待状にしか見えないんだよねぇ。

 まぁ、家の勇者様はそこまでは思ってないんだろうけど・・・・。


「じゃあ、行って来るね」とフェリーペたちに言ったら、「早く戻って来いよ」と返されてしまった。

 全くだよ。直ぐに戻って来たいよ。


 メグと二人で貴族教室を避け、一般食堂の後ろを通ってクリサンテーモの食堂の入口まで来た。

 食堂部分は半円形なんだけど、上の階に大きなベランダとかあるので、上から見ると四角い建物に見えるはず。

 何が言いたいかと言うと、2階は四角、1階は半円形の建物でこの世界ではあまり見かけないハイソなつくりなのだ。

 柱だってアカシアの葉の彫刻で装飾されていたり、玄関ドアもどっしりとした樫の木だし、彫刻で複雑な模様が施されている。

 そしてクリサンテーモ地区の特徴は、どの建物の前にも使用人というガードマンが2人以上待ち構えているということだ。

 この地区には食堂の他に、男子寮や女子寮もある。

 クリサンテーモの会員の方々は一般寮ではなく、こちらの寮で生活をなさっているのであ~る。


 はっきり言って、下々の者と天上人が不用意に顔を合わせるのを避ける良いシステムだと思う。

 けど、その良いシステムからはみ出してしまった私たち二人は、何時この地獄から抜け出せるのだろう・・・・。


「平民1年クラスのメグとアウレリアです。アドルフォ様たちと約束があって来ました」

 家の勇者様は気おくれする事なく、扉の前の使用人に用向きを伝える。

「お前ら下々の者を通す事は出来ん!」くらい言ってもらえたら、「あ、そうですか。じゃあ、帰ります」といって、すぐに回れ右できるのに、「伺っております。どうぞ」と重たい樫の木を開けられ、クリサンテーモのやんごとなき方々がお茶をなさっているメインのダイニングでくつろいでいる闇王様ご一行の所まで誘導してくれる。

 ああ無常・・・・。

 明けましておめでとうございます。

 今年もどうぞよろしくお願い致します。

 本年が、みなさまにとって良い年であります様に。


 作者の励みになりますので、よろしかったらブックマークや★をつけていただけたら嬉しいです。

 よろしくお願い致します。

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子牛が売られて行く歌が浮かぶのは何故だろう。
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