表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理魔法なんて魔法あったんだぁ  作者: 花明かり
天色の章 <前半>
105/549

2

 園長が挨拶をしただけの入園式が終ると前もって学園から届いていた案内の手紙に書かれていた教室へ移動だ。

 新入生は幼いので、答辞なんて出来る子そうそういないから園長の挨拶だけなのかな。

 まぁ、年齢を考えると、お式の間静かに出来ているだけで上等だもんね。

 そんな中、お貴族様はたくさんいるけど、今年の平民の生徒はたったの15名。

 全員が同じクラスらしい。


 入園式のあった大広間は教室棟の端にあり、平民の教室はその反対側の端だ。その間には複数の貴族の教室があるのだ。

 教室棟は4階建てで、1年生の教室は1階で、学年が上がるにつれ階数が上がるのだ。

 つまり学園には1年から4年までしかなく、卒園してからも勉強したい人は各業界の研究室みたいな所や騎士になりたければ騎士団に従騎士として入るのだ。

 所謂大学と言うのは無い。

 入園する年齢は決まっていないけれど、大体5歳から8歳くらいが新入生なので、体力的に4階への上がり下りはキツイだろうという事で下の階になってるらしい。

 

 貴族教室前の廊下を通って平民教室へ行きかけると、入園試験の成績表が上位者のみ張り出されていた。

 なんと!私がトップ!

 そして、2番目がメグという子らしい。

 平民は苗字を持つ事が許されていないので、メグという子も私と同じく平民なのかもしれない。

 私は前世と前々世の記憶があるので勉強も苦ではなかったけど、メグって子がただの平民の子ならすごい事だと思う。


 うわぁ。闇王様が3位で、セシリオ様が4位だ。

 やばい!変に目立っちゃったよね・・・・。

 でも、大公様から良い成績で入園する様にというお言葉があったので、手を抜く事はしなかったんだよね。

 成績表を前に、思わず左右に廊下を見回し、誰も私が1位の平民だと気付いていないのを確認してからちゃっちゃと平民クラスへ移動した。

 絡まれたくないしね、スタコラサッサ一択だよ。


 廊下からチラっと見えていた貴族教室は広々としていて、生徒の机も書斎に置いてある様などっしりとしたデスクが並び、調度品も細かな装飾が施されているザ・お金持ち!といった感じだった。


 貴族教室が終わると細く短い廊下を渡って1つしかない平民教室がある。

 なんだろうねぇ。平民と貴族をきっちり分ける意味合いなんだろうか?

 わざわざ1メートルくらいの廊下を設けている意図が分からん。

 しかも生徒用のデスクが無い!貴族教室との落差が酷い。

 椅子の右の肘の所に蝶番で取り付けられた小さな板があるものがパラパラと言った感じに配置されている。


 教室の一番後ろの椅子を窓側へ移動させ、座ってみる。

 あら、意外と座り心地は悪くない。

 ゆっくりとひじ掛けの板を倒すと、小さな机の様になった。

 おおおお!便利。


 座って落ち着くと、どこからか分からないがこっちに向けられた視線が気になった。

 誰か私を見てるよね?


 ぐるりと教室の中を見回すと、2人の人間がじっと私を見ていた。

 むむむむ。

 一人はめっちゃイケメンの男の子だ。

 チラっと見ただけだけど、たぶんクラスで一番のイケメンだ。

 濃い茶髪で目がちょっぴり垂目気味。目の周りには目を閉じる度にバサバサという音がしそうなくらい長いまつ毛が縁取っている。鼻筋も通っており、眉はキリリとしていて、ちょっぴり垂目気味で甘さがある顔をキリっと引き締めている。

 自分がイケメンである事をしっかり自覚している感じで、意図的にイケメンオーラを発する事で素よりも更にイケメン度が上がってる感じ。

 座っているから確かじゃないけど、背も高そう。

 くすくすって感じで私をガン見していて、私と目が合うとニッコリ笑って来た。


 なんなのーーー!

 ドキドキしちゃうじゃん。

 やめてよね。

 母さん譲りの美貌なので異性の注意を惹くのは想定内だけど、こんなにあっけらかんとガン見されるとどう対処していいか分からないじゃん。

 あばばばばば。


 間が持たなくなって、慌ててもう一人の視線の元を探した。すっごく可愛い女の子だった。

 こちらは明るい茶髪でくりくりっとした瞳がチャーミング。

 彼女も私と目が合うとニッコリ笑ってくれた。


 どうやらこのクラスに女子は私を入れて4人しかいないみたいなので、絶対彼女とお友達にならなくっちゃ。

 そのまま、他の女子の方を見ていたら、2人並んで座っていて、きゃいきゃい言いながら先ほどの男子の方を見て騒いでいる。

 雰囲気からして、入園前からの知り合いなんだろうな。


 続けて教室内を興味津々で見回していたら、顎に無精髭のある40代くらいの男性が教室に入って来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公なら立場的にはそこまで問題にならないと思う。大公が後見人なら家庭教師とかも公爵家が用意するのに負けてなくておかしくない。そしてそれこそ大公、ひいては王族の力だと思えば下手に疑問をもったり言うのは…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ