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魂の売買人  作者: 齋藤千夏
1/1

千夏の物語

1章魂


 1-1 始まり

原子レベルで言うなら、人間は主に炭素でできている。

 炭素だけではないが主にはそうなのである。

 では、人間の心はどうだろう?

 心は炭素ではできていない。

 何でできているかわからないのだ。

 では、心に価値はあるのだろうか?

 その答えはどこにもない、はずだ。

 

 1-2 帰り道

 今日は会社の有休を使っていた。

 東京で働く私にとって休みは貴重だ。

 あまりにも忙しいため、悲鳴を上げていた体にお休みを与えてあげたいと思っていた。

 しかし、ある一つの出来事が私の心をつかんで離さない。

 とても休めそうにはない。


 時は昨日にさかのぼる。

たまたま、先輩が私の仕事の一部に着手していたため、やっておいてくれるとのことだった。

 「すみません。先輩も忙しいのに。」

 私は心からの感謝を言葉に込めた。

 「いいよ。千秋さんもたまには休暇取らないと、疲れちゃうだろ?」

 「ありがとうございます。いい気分転換に慣れるように頑張ってきます」

 「いや、頑張る必要はないんじゃないの。気持ちが休まればいいね」

 

 私は会社の玄関口から出て、イルミネーションの映える並木道を歩いた。

 無数の光が束になって私の目に襲い掛かってくる。

 これを見てはしゃぐ子供やSNSに嬉々として写真をアップロードする大人には理解ができない。


 だって、これ、綺麗じゃない。

 なんで木を不自然に一直線に並べて、そこに電球をムチのように巻き付けるのか。

 いや、じゃあなぜそんな感情を持っているなら、東京なんて人工物の塊にいるんだって言われてしまう。

 イルミネーションが汚いんじゃない、並木がいびつなんじゃない。

 私の心に少しのよどみがたまっていることが、そんな気持ちにさせているんだ。


1-3 占い師?

 いつもは会社からの帰り道に、スーパーで買い物をして帰宅する。

 今日は、明日が休みということもあり、いつもと違う道を通って帰ろうと思った。

 それは神田川沿いの静かな道だった。

 月明りよりも派手な街頭に照らされ、私は歩く。

 すると、ふと右手に人影が見えた。

 どうやら占い師のようだ。

 他ではわからないが、東京ではその辺でよく見かけるので特段不思議には思わなかったのだが、

 看板に書いてある言葉にぎょっとした。


 『あなたの魂高価買取』


 魂?

 占い師だからその未来を魂と表現しているのだろうか。

 それにしても買取とは?

 普通は占い師が占うのだから、「販売」では?

 

 立ち止まった私の顔に一瞥もくれないその占い師?は、俯いたままこちらを見ようとはしない。

 あくまで声をかけられるのを待っているのかようだ。

 私は最近、自分の好奇心がこれほど高まったことがなかったことを感じ、声を掛けることにした。


※プロット無しのため、矛盾が生じる可能性有。不定期更新です。

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