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その夜
その夜。
陳は酒店の二階に泊まり、白昼の女の事を思い出していた。
「あれは少林拳だな。それにしても見事な戦いぶりだ」と陳は思った。
突然、一階が騒々しくなった。
(何事)と思い、陳は一階の様子を見に行った。
すると、女に追い出された男達が集まっていた。
「女は何処に行った?」男達の一人が聞く。
「知りません」と店の主人が答える。
「では、二階を探す」と言い、男達は二階に上がって来た。
陳の姿を見ると男達は「何だお前。怪しい奴だな」と言った。
「怪しいのはお前達の方だろう」陳が言うと「何だと。やっちまえ」と襲いかかって来た。