ハルキア 前編
本編の前、第一話にプロローグ挿入しました
中に入ると石造りの通路だった。 なんか薄暗くて不気味……。
「人が多いぜ!」
「わお! イケメンいるかな!?」
「……採集物が無い……」
「人の少ない階層まで走るぞ! 地図は馬車で頭に入れてある!」
ぎゃぴ!! 人が多いから影移動出来ないよぅ!!
走り出したラウンツさんを、身体強化のみで頑張って追いかける
周りの冒険者からの視線が! みんなビックリしてるよぅ!!
「ハァ……ハァ……ラウンツさん! 麻痺を使ってくる魔物がいるんじゃ!?」
「当たらなければどうということも無い!!」
ひぃぃぃいいいいいいい!!
「ハァッ……ハァッ……」
一気に9階層まで来たから私とメイリアさんの息が荒い……。
「よし! 次はゴブリンキングだ! 殴れば死ぬ! 行くぞ!」
作戦とかないの!? 待ってぇぇぇえええ!!
「うぉおおおおおお!!」
「グギャッ!!」
ぁぁあああああ!! ホントに大剣で一撃だったよ!!
「19階層まで行くぞ!!」
ぎぃゃぴぃぃいいいいいい!!
ラウンツさん、オカマバー行って元気になりすぎぃ!!
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……」
「よし!次はオークキングだ! 殴れば死ぬ! 行くぞ!」
さっきも同じような事聞いたよぉぉおおおおお!!
「うぉおおおおおお!!」
「グゴッ!?」
さっきと同じだよぉぉおおおおお!!
「29 階層まで行くぞ!」
「ラウンツ待って! もうっ! そろそろニーナちゃんとメイリアちゃんが死ぬわよ?」
「ぬ!? ……すまん……」
「……コヒュー……コヒュー……」
私と同じく瀕死のメイリアさんが震える手で渡してくれたドロドロのポーションをイッキ飲みする。
イッキしないと地獄の時間が延びるので頑張って流し込んだ。
「うぎゃぁぁぁぁああああ!! まずい!!」
「ニーナ大丈夫か……? 冒険者が少なくなってきたからもう少しでスキル使えるかもな」
「イケメンいたのに声かける暇すらなかった!!」
「ちょっと休憩しましょう?」
「うむ!」
ふぅ……ルルさんがいてくれてよかった……。
「おやつ食べようっと……」
ゴザを出してみんな座っておやつを食べる。
木の実を蜂蜜とかで固めたやつだ。 硬いけど腐りにくくてダンジョンにはもってこいだ。 人族の作った食べ物は美味しいもぐもぐ……。
「この調子なら夜には最下層まで行って宝部屋を探せるな!」
あ、そっか……私が早く魔王様を探したがってたからラウンツさん頑張ってくれてるんだな……よぅし!
「はい! 頑張ります!!」
「うむ! では行くぞ!!」
えっもう!?
急いでゴザと水を片付けてラウンツさんを追いかける。
待ってぇぇぇえええ!! やっぱりゆっくりでいいですぅぅううううう!!
「ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ……もうだめぇ……ぐふっ」
地面にへたりこんだ。 おやすみなさい永遠に。
「ニーナ死ぬなー」
「死んだら闇に飲まれちゃうよ!」
「……ニーナ……はい……」
メイリアさんに仰向けにされて変な臭いのポーションを飲まされる。
「……!! ぎゃぴぃぃいいいいい!! 熱い!! 辛い!!」
「メイリアちゃん何飲ませたの?」
「……開発薬……グレートロックウルフの内蔵で……ポーション作った……」
また人体実験に使われた……!!
「ニーナちゃんで遊んじゃダメでしょ?」
「……つい……」
ついって何!?
「よし、休憩するか!」
「悔しい……メイリアさんのポーションのおかげでもう平気……泣きたい」
「そうか! では最下層のケルベロスを倒して宝部屋探索だ!」
あっ! しまった! まだ元気じゃないです!!
ぁぁあああああ!! 待ってぇぇぇえええ!!
ラウンツさんが最下層、30階へのドアを開ける。
「ラウンツさん作戦はぁぁあああ!!」
「殴れば死ぬ!! レイスター! アーニャ! 行くぞ!」
頭が3つある大きな犬の魔物がいた!!
3人がそれぞれの頭を攻撃するとケルベロスはドサリ……と倒れた。
……ラスボスなのに一撃ぃいいい!!
さすが悪魔達と対等に戦えるラウンツさん……ほとんど1人でダンジョン攻略してしまった……。
「よし! ……ニーナ、後続に冒険者達はいないか?」
「えっ!? あっ! はい! 27階層位から人らしき魔量は感じませんよ」
「ふぅ……これでゆっくり出来るわぁ! 探索よぉ!!」
人がいないのを確認しておネエに戻った……!!
ケルベロスを解体したらメイリアさんと私が亜空間にしまう。
犬の肉は食べたくないので捨てる。
ラウンツさんがボス部屋の奥にあるケルベロスの石像へ歩いていく。
「……ラウンツさん元気だな……」
「私達いらなかったよね!?」
「悪魔達との狂宴の興奮が冷め止まないんだと思います……」
「あらあらぁ……ラウンツちゃん昨日はお楽しみだったのねぇ」
「だいぶハッスルしておったの!!」
「そういえばカイは何だかんだ楽しんでたよね……」
「久しぶりに面白いやつらに出会ったからの!」
「ルルさぁーん! この石像怪しくなぁい?」
ラウンツさんに呼ばれたルルさんにみんなついて行く。
さっき倒したケルベロスの何倍もの大きさがある石造りの彫像だ。
「怪しいけどあからさますぎるわね……とりあえず魔道具でこの部屋を調べてみるわ」
「……ラウンツさん、念話届きますね」
「そうねぇ……一応ここまでは攻略されてたから既に探索隊が調べたと思うわ。 私達がする事は宝部屋、つまり隠し部屋の探索ねっ!」
みんなで彫像周りをウロウロしてみる。
「ニーナ! 彫像とか壁の外側には何か魔量を感じる?」
「……ううん、感じない……」
「……罠探知の魔道具は何も反応しないわ。 壁の外側に空洞も無さそうね。 反響の魔道具が感知しないもの……石像の中は空洞だけど中に何も無いみたい」
「む。 壊してみるか?」
「今までの冒険者がそれを試さなかった訳が無いとは思うんだけど……どうしましょうね」
「腹へったー飯食おーぜ」
「そうねっ! 先にご飯にしましょ!」
ご飯を食べてひと通り寝る準備まで済ませたら、またルルさん達は部屋の中を調べ始めた。
私とアーニャとカイはテントから頭だけ出して寝っ転がっていた。
「……天井とか床に何か隠しスイッチとかないかな!?」
「うーん……私達が思い付くような事は、ルルさんが言ってたように今までの冒険者達も思い付いたと思うんだよね……」
「確かにね! 私は頭を使う事は他の人に任せるよ!!」
「アーニャのその割り切れる所が羨ましいよ……」
結局今日は何も見つけられなくて、そろそろ寝ようということになった。
安全なボス部屋なのでカイに任せてみんなで寝る。
「ニーナよ」
「……ん……カイ……どうしたの?」
まだ寝足りないから夜中のはずだ。
「お主の魔力、変じゃないかの?」
私の魔力……?
「わわっ!? 何か魔力が減ってる!! 何で!? こんなに減ったことなんてないのに!!」
「ニーナ! どうしたの!?」
アーニャが起きた。
「何か私の魔力が半分くらい無くなってる!!」
「えっ!? ニーナの魔力が半分になった事なんて無いんじゃない!?」
「うん! 何で!?」
「……ニーナちゃんどうしたの?」
ルルさんも起きてきて私とアーニャのテントを覗いた。
「ニーナよ、魔力があの石像に吸われておらんかのぅ……?」
「……ホントだ! 何で!?」
「ダンジョンが色んなマナを集めてるかもって話があったよね! ニーナの魔力が欲しいのかな!?」
「…………ニーナちゃん、あれに魔力を流したら何か起こるんじゃないかしら?」
「……やってみます……」
石像に手を当て魔力を少し流してみると、グングン吸い取られていった!!
「ぎゃぴぃ!! 勝手にどんどん吸われるぅぅううう!!」
魔力が無くなりそう!! と思った所で石像の眼が黄色く光った。




