ダンジョンの謎
本日2回目投稿です
「むにゃ……はぇ?」
メイリアさんが隣で寝てる……。
あ! そうだハンナちゃんにベッドを譲ったんだった。
ハンナちゃんはすーすー寝てる。
昨日は色々あったなぁ……今日はどうするんだろ?
みんなも起きて各々準備を始める。
ハンナちゃんはキョロキョロしてホッと息を吐いた。
昨日買われた事、解放された事を思い出したんだろうな。
「ハンナちゃんおはよう。 今日はお家に帰れるといいね!」
「おはようございます……はい……ありがとうございます……」
「 おはよう。 今日はまず2人を送り届けようかしら?
ニーナちゃんいつも悪いけど、私の準備が終わったら向こうの部屋へ呼びに行ってくれる?」
「はい!」
いつも一番に起きる私は準備が終わるのも早いのだ。
アーニャは寝ぼすけだけど、ルルさんは毎朝ドレスやお化粧道具と格闘しているので実はルルさんの用意が一番遅い。
綺麗になるのって大変なんだな。
お兄ちゃん達を連れて部屋へ戻って来た。
ラウンツさんが口を開く。
「まずはこの2人の事か。 ハンナから送るか?」
「そうね。 その後テッドはどうしようかしら? 武器を買ってあげれば後は自分で何とかできるかしら?」
「こちらの都合で買ったからには最後まで世話をしてやるのが筋か……そうしよう」
「武器をいただけるんですか!? それだけで十分です! 最悪、採集依頼を受けてその日暮らしはできますから!」
「じゃあそうしましょう」
下で朝食をとった後、ルルさんとハンナちゃんを先頭にハンナちゃんの家へ向かう。
着いた先は大きな食料品店だった……ただ品物は少ない。
「おじいちゃん! おばあちゃん!」
店の奥からハンナちゃんのおじいさんおばあさんらしき人が出て来た。
「……ハンナ!!」
「ハンナ!? どうやって……?」
「このおねえさんたちがかってくれて、すぐにかいほうしてくれたの! もうどれいじゃないよ! またおじいちゃんとおばあちゃんとくらせるって!」
「……なんと!!」
「……ぐすっ……ありがとうございます……ありがとうございます……なんてお礼を言っていいか……」
「初めまして。 ルルと申します。 私達の都合でそうしたのですから礼は必要ないですわ」
「なぜこんなに早く解放してくださったのかよくわかりませんが、礼を述べない訳にはいきませぬ。 本当にありがとうございます……」
その後おじいさん達の話を聞いた。
ハンナちゃんの両親は買付けの途中で魔物に襲われて亡くなったそうだ。
借金を返そうと、頑張って遠くまで買付けに行ったのが裏目に出たらしい。
ありがとうありがとうと言われて何だか体がかゆい。
「おねえちゃんおにいちゃん達ありがとう! ルルさままたね!」
ハンナちゃんは笑顔で手を振った。
元気になって良かったな。
「ではテッド、武器屋へ案内してくれ。 馴染みの店があるだろう?」
「はい!」
テッドさんに着いて行き、とある武器屋の店内へ入る。
「らっしゃい……テッド!? 買ってもらったのか!?」
「おやっさんお久しぶりです。 はい、この方達に買って頂きました。 それだけじゃなくすぐに解放して頂きました! 更に、餞別に武器まで頂けるそうです!」
「……!! なんて運がいいんだ……感謝しろよ?」
「はい! もちろんです!」
その後テッドさんは、冒険者をやめて故郷に帰る事をおじさんに話してた。
おじさんも、そうした方がいいと言っていた。
おじさんが手頃な片手剣を出して、安く譲ると言ったのでラウンツさんが代金を支払った。
「俺はもうここで大丈夫です。 この街には知り合いも多いですから。
短い間でしたが皆さん本当にありがとうございました!!」
テッドさんが深く腰を折る。
「うむ、頑張れよ」
「平和に生きるのもひとつの幸せよ? 頑張ってね」
皆でテッドさんを励まして店を出る。
テッドさんはおじさんとまだ話すみたいだ。
「ふぅ……終わったわね」
「昨日から疲れたな……さてどうするか」
「ダンジョン生成に関してまだ調べてないから、図書館はどうかしら? みんなも本を探したり資料を読むのは手伝ってくれるでしょう? そして夜は自由にしましょうか」
「やった! 久しぶりの自由時間!」
アーニャが何を考えてるか聞かなくても分かる……読心術スキルも開花するかもしれない……。
「……夜は調合する……」
「やっとお姉ちゃんのいる店にいけるのぅ!」
夜の事を考えると頭が痛い……ルルさん助けて!
「じゃあみんなで図書館でいいかしら? 行きましょう」
図書館では保証金がかかるので、ラウンツさんが踏破報酬をみんなにある程度分配した。
これからも別れて行動する事があるかもしれないしとの事。
誰が言い出した訳でもないけど、何となく、踏破報酬は魔王様探索資金、素材売却代金はみんなのお小遣いって認識になっている。
図書館に入ったらまず、ルルさんとメイリアさん&カイの2チームに別れて、2人にめぼしい本を見つけてもらう。
私含め他の4人は、その本から人界のダンジョン生成に関する記述を見つける係だ。
記述が見つかったらルルさんかメイリアさんを呼ぶ事になった。
「あ! やっとダンジョンの仕組みについて考察してる本があったよ!
…………ダンジョンは各地に約百〜数百年に1度の頻度で発生している様子……。
メイリアさんの言った通りみたいだね」
「続きは!?」
「今から読むから落ち着いてアーニャ。
…………ダンジョンになぜ魔物がいるのか……魔物にとって住みやすいマナで空間が満たされているからではないか……」
「マナの種類とかってメイリアちゃんが何か言ってなかったっけ?」
「そうだね、メイリアさんにこの本を読んでもらおう。 まだ続きがあるよ。
…………なぜ宝があるのか……魔物だけではなく人間の発するマナをダンジョンが欲しているからではないか……つまりダンジョンに人間を呼び込もうとする意思があると仮定……」
「ダンジョンは色んなマナが欲しいの?」
「そういう事なのかな。 なんで欲しいんだろ?
…………だが宝がどうやって生成されているのかは不明……ダンジョンに意思があると仮定しても、マナから金銀や宝石の錬成に成功した例は無い……」
「私達が開けた宝箱からは宝石とか出た事ないね」
「そうだね。 ……これくらいしかダンジョンについて書いてないなぁ。 メイリアさんを呼ぼう」
念話でメイリアさんを呼んで本を見てもらった。
読んだ後、メイリアさんは最後の方のページを見ていた。
「……この本の発行年は28年前……昔は短期間にダンジョン生成されていなかったという事……ここ20年は異常……」
「そうなんだ!! やっぱり新しいダンジョンには何か謎があるのかもね!」
「メイリアさん、ダンジョンが色んなマナを集めてるって書いてあるように見えるけど……意味わかるかな?」
「……色んな分子構造のマナが集まれば何か創れる……?
……人間と魔物では持っているマナの分子構造が違うから集めてる……?
……確かに錬金術でも金銀財宝を錬成するのは無理……錬金術師の夢……みんな失敗した……。
……でもダンジョンなら創れる……?
…………マナについてもっと調べてみる……」
「分子とかの話になると私はちんぷんかんぷんだよ! メイリアちゃんよろしく!!」
「……うん……」
「カイはどう思う?」
「確かにダンジョンには色んなマナが漂ってるかものぅ……外とは何となく居心地が違うんじゃよ……」
「そっか。 ……ルルさん達はどうかな? 」
図書館を見渡すまでもなくいた……ドレスに大きな帽子の美女はこの空間では異彩を放っている。
少し離れた書見台で、お兄ちゃんとラウンツさんと本を読んでた。
「ニーナ、メイリアちゃん、お腹空かない? 私の胃が血を求めてるよ!!」
「そろそろお昼だね、ラウンツさんに念話してみるよ」
ラウンツさんと念話して、ルルさんのキリのいい所でお昼を食べに行くことになった。
ご飯を食べながらお互い見つけた本の話をする。
ルルさん達の方は魔物図鑑とかダンジョン内部の特徴が書かれたものしか見つからなかったみたい。
ご飯を食べたらまた図書館で調査だ!!
再びダンジョンの本を探してたけど、そろそろアーニャが図書館から逃げ出したくなってる……。
「頭痛いよ……もう文字見たくない……イケメンが見たい……」
「アーニャ休んでていいよ?」
「……ごめん、そうする」
「……もうここにある本のタイトルは一通り見た……マナの事を調べる……」
「ダンジョンの本はもう無いってことかな?」
「……うん……」
「じゃあルルさんに念話しとくよ」
念話したら、ルルさん達は本を片付けてこちらへ合流してきた。
「みんなお疲れ様。 ダンジョンについての成果は、お昼にメイリアちゃん達が話してくれた事くらいね。
世界樹やエルフについては昨日調べたけど目新しい情報は無かったわ。
図書館はもういいかしらね」
「……マナの事調べる……本の場所はわかってるからわたし1人でいい……」
「もうすぐ夕方だぞー? 晩メシ食べて自由時間にしよーぜ? 疲れた……」
「レイスターの言う通りだよ! リフレッシュが必要だよね!!」
「メイリアちゃん、後でまたここに来ていいから、一度帰りましょう? 休むのも大事よ」
「……ん……わかった……」
「うむ、では今日は着替えてまたレストランにでも行くか」
「わぁい!」
「ニーナよ、儂とのやくそ……」
「お! おおお覚えてるよ!!」
また忘れてた!! 危ない危ない……。




