アレイル商業ギルドと情報屋
本日2回目投稿です
ラウンツさんが商業ギルドの受付のお兄さんに話しかける。
「ダースグランの素材を売りたいのだが……大きくてな、ここでは出せぬ。 誰かに取り計らってくれないか?」
「……? グランドダースバードではないのですか?」
「違う。 だがダースグランの素材だ、意味はわかるな?」
「……!! お話をお伺いしますのでご案内致します……」
やっぱり商業ギルドはバージョン3対応だ。 出来る。
2階の商談部屋へ通された。まずは受付のお兄さんが詳しい話を聞きたいそうだ。
「ではお伺い致します。 単刀直入に言うと、何の素材ですか?」
「ダースグランの最奥にいたボス、未確認のトレントだ。 冒険者ギルド会議で名前を決めるらしい。
巨大なトレントでな、広い場所でないと見せられん」
「なんと!! 未知の素材ですか!? ギルドマスターに報告してきます!!
素材は今どこにあるのですか?」
「わ、わわ私の亜空間に入ってます!!」
「ええっ!? そんなに大きいんですか!?」
「ニーナは精霊使いだからね!!」
「なるほど……では少しお待ち下さい!」
すぐに、ギルドマスターであろう高級そうな服を着た痩せこけたおじさんが来た。
「ギルドマスターを務めておりますサルーナと申します。 よしなに」
「ラウンツだ、よろしく頼む」
「巨大な未確認トレントとの事でしたな。
街一番の材木店の倉庫へ連絡して行きましょう。 そこで見せて頂いても?
あと、査定のために材木屋にも一人立ち会ってもらいますがいいですかな?」
「うむ、わかった」
念話で連絡しておいたのか、材木屋の大きな倉庫の前にムキムキのおじいさんがいた。
材木屋代表のロダスだと自己紹介をされて倉庫の中に入る。
中は空の倉庫だった。
亜空間からトレントの幹を出す。
「おおおおお!! 素晴らしい!! ロダス、どうだ?」
「ふむ……どんな特徴がある?」
参考のために枝葉も少し出して説明する。
「え、えっと、枝をブンブン振り回すのと、木に擬態してたのは普通のトレントと一緒ですね。
ただ大きさが物凄いのと、あと、黄色い瞳が出現して睡眠魔法を使ってきました。 たぶんこの葉っぱからその煙が出てきました」
「眼はくり抜いたのか?」
「はい、仲間が欲しいそうなので売れません」
「そうか……一旦、皮を剥いでみないと何に使えるかわからんな。 しばらく査定で預かれないか?」
「む、預けるのか?」
「商業ギルドで預かり証を発行しますよ!
冒険者ギルドにも話がいっているなら、万一にも私共が掠めとったら通報して頂ければいい」
もし盗まれたら預かり証を冒険者ギルドに見せて、冒険者ギルドが取り返してくれるってことかな?
「……それなら頼んだ」
サルーナさんは懐から紙束を取り出してサラサラと書き出した。
さすがは商人、いつでも書類を持ち歩いてるのかな。
ラウンツさんが預かり証を確認して頷く。
「査定が終わったら念話でご連絡致します」
「よろしく頼む。 ところで世界樹やエルフについて知らないか?」
「皆様は世界樹探しをしているのですかな?
私は一般に出回っている情報しか知りませんな。 ロダスはどうだ?」
「……そういえばかなり昔、ルーガルに珍しい木材が入ってきたという噂があった。 ルーガル周辺に行けば分かるかもな」
「なるほど……情報感謝する」
倉庫で二人と別れた。
「ラウンツさん! 次はどこに行くの!?」
「どうするか……夜なら酒場があるんだがな」
「ホストクラブで情報収集してくるよ!! 任せて!!」
「アーニャが個人的に行きたいたけだろ。 俺は酒場はこりごりだ……」
アーニャは情報収集そっちのけで暴走しそうだし、お兄ちゃんはラウンツさんにオカマバーへ連れ込まれるんだろうな……。
カイはお姉さんのいるお店に連れてくって約束だし……。
うん、ルルさんに何とかしてもらおう!
私はこの街ではホストクラブに行かないぞ! 奴隷契約はもうしたくない……。
「あ!」
「ニーナどうした?」
『 ラウンツさん、奴隷ってこの街にもいるのかな? 人族の奴隷がどんな契約方法を使われているのか調べられませんか?』
『 ニーナちゃんナイスよ! 奴隷商人がいるか調べましょう!』
「次の目的が決まったよお兄ちゃん!」
「うむ、二人にも念話で説明する」
ラウンツさんって念話と普通の会話でおネエ言葉使い分けてて器用だな……。
ラウンツさんが二人へ、順番に念話し終わった。
「なるほどね!」
「奴隷商人なんてどこにいるんだ?」
「む……うむ……サルーナさんに聞くのもなんだかな……奴隷が合法かどうかもわからぬし」
「じょ、情報屋とかいないですかね?」
「なるほど! 情報屋を間に挟むか……サルーナさんに情報屋の場所を聞いてみる」
ラウンツさんがサルーナさんに念話してるみたいだ。
「場所がわかったぞ。 サルーナさんは世界樹の情報探しだと思っているみたいだ。
ついでに世界樹の情報も聞こう」
街の外郭の方のThe裏通りって感じの所へ来た。
ひいぃ……怖いよぅ……。
情報屋は、鳥のマークが描いてあるテントらしい。
みんなでキョロキョロしながら歩いていく。
ラウンツさんがとあるテントの前で立ち止まった。
鳥のマークが小さく描いてある。
「ここだ」
中を覗いて手招きするラウンツさんに続いて中へと入る。
「何か用かね?」
「世界樹の情報と奴隷に関する情報が欲しい」
「……金が貰えるような世界樹の情報は無いね。 奴隷は? 何が目的か分からなきゃこっちも何を話したらいいか分からないね」
「……この街で奴隷を買えるか?」
「10万ルインだよ」
ラウンツさんが小金貨を渡す。
「買えるよ」
「…………それだけか? 場所は?」
「20万ルインだよ」
……ラウンツさんが固まってる!!
「質問を変えよう。俺達がこの街で奴隷を買う方法と場所を教えてくれ」
「50万ルインだよ」
「50万!?」
「……みんな、払ってもいいか?」
「……しょうがないと思います」
お兄ちゃんの言葉に私は頷いたけど、アーニャは固まったままだ。
「アーニャ?」
「あ! ごめん! ラウンツさんに任せるよ!」
ラウンツさんがまた小金貨を渡す。
「場所は地図を渡す。 ……えっと……はいこれだよ。
後は奴隷を買う方法だね、紹介状があればあんたらでも買えるよ」
「…………」
「…………」
「……紹介状は?」
「100万ルインだよ」
「なっ!?」
ぎゃぴ!! 情報屋って怖い!! 聞かれた質問に対して言葉通りにしか答えない!!
「……払うぞ?」
振り返って聞いてきたラウンツさんにみんな頷く。
もう野となれ山となれ……。
ラウンツさんが大金貨を渡す。
「今書くよ…………はいよ」
「う、うむ。 では世話になった」
「……世界樹の情報が無い、という情報は初回サービスでタダにしてやったよ。 また来な」
「…………」
なんか屁理屈で恩着せがましい! けど何となく悪い人じゃないのかも……?
テントを出て住宅街に出た。
「欲しい情報は得たが、やられたな……あれが情報屋のやり方か……」
「ラウンツさんがいなかったらもっと取られてましたよぉ……気にしないでください」
私だけだったら倍以上取られてた自信がある。
「うんうん!」
「ラウンツさんは交渉上手ですよ? 情報屋がプロなだけです!」
お兄ちゃんナイスフォロー!
「そうか、ありがとう。 ただ奴隷を買う時にもやられそうだな……ルルさんに同行してもらうか」
「そういえばラウンツさん、奴隷買うの? 一緒に旅をするのは無理じゃない?」
「アーニャ誤解するな、奴隷は買うがすぐに解放する。 奴隷にする方法を知りたいだけだ。
その方法が魔術具なら、ルルさんに解析してもらえるだろう」
「なるほど!」
「やっぱりラウンツさん頭いいですね!!」
ラウンツさんがちょっと照れてた。 紳士モードの時の笑顔は素敵だ。
おネエモードの時の笑顔は何とも言えないけど……。
「ルルさん達の様子を見に行くか……」
情報屋とのやり取りは書いてて面白かったですw




