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ルル先生の舟と鳥の丸焼き

毎日19〜20時頃更新します

ストックがあればその他の時間にも更新します

ブクマありがとうございます!

「舟を出すわね」


ルルさんが亜空間から取り出し始めた舟は、黒の塗料で魔術式が隙間無く描き込まれており、その様はまるで地獄からズゴゴゴゴゴ…………と効果音を付けて出てきたかのようだった。


この舟呪われてそうだよぅ!! 怖い!


「ガッ……共鳴リンクしている……だと?」


アーニャが、左顔面を掴むように手を当てている。

スルーだ。


「ニーナちゃん、移動中、舟に魔力を込めてもらってていいかしら?」


「お易い御用です!」


歩く魔力タンク役ならどんと来いだ!


「硬質化と回流とその他諸々の術式が組んであるから……えっと、とりあえずニーナちゃんの思い通りに勝手に進むわよ!」


「……詳しく……教えて……」


舟に乗り込みながら、ルル先生の魔術式講座が始まった。

ルル先生にはぜひ眼鏡を装備していただきたい。


でも話の内容が分かってるのはメイリアさんだけだった。

私含む他の4人は早々に理解することを放棄して、周りや水の中を警戒し始めた。


「水の中に沢山の魔量を感じるよぅ!! 早く行こ!」


そう言って私が魔力を込めると、もの凄い勢いで舟が推進した!!

もはや小舟ではない。船頭なんて少し浮いてしまっている。


「ぎゃぴぃぃいいいい!!」


「ニーナ! ちょっと出力下げてよ!!」


「これ以上下がりませんんんんんん!!」


あっという間に道が見えてきて、そこに舟ごとジャンピング着地した……。


「……ぐふっ……」


舟屋のおじさんごめん、ルルさんの魔改造のせいで死ぬかも……。


「お尻が痛いわぁ! ともかく、無事着いたわねっ! また走るわよぉぉおおおおお!!」


ぎゃーーー!! 待ってぇ!!


思わず身体強化で走り出してから、〈 影移動 〉を使ってない事に気付いたのでそっとアーニャの影で移動する。


「ニーナ! 私の闇に共鳴リンクしたんだね! 呑まれないように気を付けてね! フフフッ」


あぅ、影を使う人選をミスった。スルーだ。






その後もずっと走ったり舟を使ったり、とにかく全力疾走した。

敵? そんなもの無視だ。

ダンジョン攻略なんてしない。するのは踏破のみ!


「あの大きい木が攻略最終地点よぉ! 休憩するわよ!!」


「ハァ……ハァ……疲れたぜー」


「……もうダメ……」


メイリアさんがグッタリしてる姿は初めて見たな。


「メイリアさん大丈夫?」


大樹の根元にもたれかかっているメイリアさんにお水を渡す。


「……ん……ありがと……」


「お腹ペコペコね! お昼にしましょう!」


ルルさんの言葉に反応して、率先して調理セットを出して準備をする。


「みんなちょっと休んでていいよ! 私は疲れてないから」


「ありがと! ニーナちゃんっ!」






さぁ初めてのひとりで料理だ!

お昼はカレーにしよう。 お腹ペコペコだからカレーならいくらでも食べられる。


「カイも飛んでて疲れてないでしょ? 火をお願い」


カイはトカゲ姿のまま飛んでた。さすがドラゴンだけあってどんな姿でも飛べるのかな。


「みんな疲れてるからの。 しょうがないのぅ」


魔道具の鍋を2つ吊るして、その下のスペースにカイを置く。

仰向けに寝っ転がったカイは尻尾に火を灯して、口からも火を吐き続けてくれる。


「いつもありがとね! カイの火加減はバッチリだよ!」


「メイリアに教えてもらったからの!」


「メイリアさんが作ってくれたルゥってやつも凄いよね! 料理が簡単に美味しく出来るよ」


「メイリアは着眼点が面白い子じゃな」


「カイとメイリアさん仲良いよね!」


「なんじゃ、ヤキモチか? ニヤニヤ」


わざわざ声に出してニヤニヤって言ったよこのトカゲ……。


「みんなご飯出来たよ!」


「ニーナちゃんありがとう。 じゃぁいただくわ」


「ニーナのカレーおいしいよ!」


「……美味……おかわりする……」


男子はもの凄い勢いでカレーをかきこんでいた。 あれがカレーは飲み物ってやつかな。


みんなで片付けをして腹休憩だ。お腹パンパン!


……大きな木だなあ……。

幹の太さは馬車の荷台くらいある。

世界樹はもっと大きいのかな……なんかそんなイメージ。






「そろそろ行きましょ! ニーナちゃん、グランドダースバードらしき気配はある?」


「少し先に大きな魔量を感じますけど、ずっとじっとしてますね。 鳥だから巣にいるのかな? 木が邪魔で目視できないですね」


「オッケー! 適当にやっつけて、晩ご飯は鳥の丸焼きよ!」


ああ! またラウンツさんが走り出した!!

封印を解除したおネエモードだとラウンツさんは暴走気味になる。


「ま、待ってぇ!!」


ルルさんの影で影移動する。 影が目視出来ないと影移動出来ないんだよね。

ラウンツさんの影はもはや木の影と混じって分からない。


「いたわよぉぉおおお!!」


ラウンツさんがモーニングスターを振り回しながらジャンプした。

大きめの木に作られた巣の中に、大きくて丸々と太った黒い鳥がいる。


……あ、一撃で死んだ。


誰だ、あの馬鹿力にモーニングスターなんてリーチを与えたのは。 チートだよ!


鳥にとっては事故みたいなものだろう。

自分が死んだ事にも気付いてないかもしれない。 天国へ行けるといいね。


羽根をむしって解体して、グランドダースバードの身体を亜空間に入れる。


メイリアさんが羽根と内蔵を欲しがったのであげた。 欲しがってたふわふわのお布団を作るのかな。

気持ち悪いので切り落とした頭もメイリアさんに預けた。ごめんなさい。

だってちょっと凹んでて眼とか飛び出てて気持ち悪さ倍増なんだもん……。






その後はまた足と舟で全力疾走だ!


鳥や猿の魔物が追いかけてきたけど、ルル先生の舟の速度には追いつけない。


「ラウンツさん! だんだん大きい魔量に近づいてます! ボスかも!!」


「わかったわぁぁあああ!!」


道が開けたと思ったら、また大樹があった。

木の上に、手の長い巨大な猿がいる。


「うぉぉおおおおおお!!」


走ってたラウンツさんがそのまま特攻する。


待ってぇ!!


ラウンツさんとお兄ちゃんは、厄介そうな長い手を狙っているようだ。


メイリアさんが拘束の果実を投げているが、猿はすばしっこく動いているから捕まえられなかった。


『 閃光の魔道具を投げるから合図したら避けてね! 3・2・1……〈 起動 〉!!』


目をつぶりながら〈 炎天 〉を発動する。

アーニャからも〈 炎天 〉が発動された。


猿の魔量で位置を把握して、殺られないよう警戒する。


『 動きが止まったよ!』


そろそろいいかなと目を開けると、お兄ちゃんとアーニャが猿の腕を切りつけて動きを止めさせ、大剣に持ち替えたラウンツさんが首を切り落としていた。


「フッ……封印チカラに頼るまでもない……」


アーニャの決めゼリフで戦闘が終わった。

リアルでフッ……って言うな! フッ……って!


「……これ、スグリーヴァ……手が長いのが特徴……」


「メイリアさん物知りだね!」





解体したけど、流石に猿の肉は食べるのに抵抗があったので捨てていく。

もはや頭と内蔵はメイリアさんが保管する係になりつつある。


「ニーナちゃん、ここのダンジョンどれくらい広いかわかるぅ?」


「そうですね……はるか先ですが魔量が無くなっているので、急げば明日のお昼過ぎには到着出来るかと」


「2日で帰るって約束だったけど、間に合わないかもだわぁ、ニーナちゃん、どうしたい?」


「ラウンツさん約束覚えててくれてたんですね。 ……キリが悪いし、終わりが見えてるので最後まで行きます!」


「そう……ありがとう。 何か魔王様への手がかりがあるといいわね……。

この先に休憩できる所があるか分からないから、今日はここで野営しましょうか」


「おー、疲れたぜー」






皆で野営の準備する。


夕飯はラウンツさんの宣言通りグランドダースバードの丸焼きだ!

メイリアさんが調味料を出してくれたので美味しく頂けた。

毒しか持ってないんじゃないかなんて思ってごめんなさい! ご飯が美味しいのはメイリア様のおかげですぅ!!


湯浴みをしてから見張りの順番を確認して、私とお兄ちゃん、ラウンツさんとメイリアさんは先に寝る。


寝る前にお母さんと念話した後、ダメ元で魔王様にも念話してみた。

今までもたまに魔王様に念話してみてたけど、今日も繋がらなかった……。


繋がらないってわかってても、魔王様に念話する時は緊張する。

でも繋がらなかったら繋がらなかったでガッカリしちゃうし、どっちにしろ魔王様に念話するのはちょっと怖い……。

でも、魔王様に念話をもらった私が会いに行かなきゃ!! めげずに頑張ろう!!


頑張って明日はここを踏破できるかな? 大きいダンジョンだから心配だな。






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