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ロックドラン 後編

本日3回目投稿です

「動くな!! 精霊使いさえ抑えれば、Cランクなんて俺らに適わないぜ?」


ひぃい!! 人質にされてるぅぅううう!!

首元に何か良くない物が当たってるっっ!!


さっきの戦闘で、お兄ちゃんとラウンツさんまでは大分距離がある……。

一番近いのはアーニャだ。


バッシュさん達4人は私の前に陣取っていて、残る1人が私を羽交い締めにしてるようだ。


どうしたらいいの!! 人質になった時の対処法バージョン3なんて読んでないよ!!


「ニーナを離せ!! 外道が!!」


お兄ちゃん……あ! 念話でみんなに助けてもらおう!


「あーそうだ、念話でコソコソするなよ?

こっちには念話妨害の魔道具があるからな?」


ぎゃぴっ!! 心読まれてる!?

……ってか、そんな魔道具あるの? 魔王様もその魔道具がある所に閉じ込められてるのかな?


「その子、そんな拘束ぐらいすぐに抜けられるわよ? 今ならギルドに突き出すだけで済ませてあげるわ」


どうやって抜けるのぉぉおおお!!

教えて!! ルルさん!!


『 ニーナちゃん! ……やっと繋がった!』


『 ルルさん! どうやって念話を?』


「……フン!! やってみるんだな!」


『 それは後で! 影移動って自分と場所を入れ替えられる?』


「ルルさん奴らを刺激するな!!……バッシュよ、我らと交渉しよう」


『 あっ! 出来ます!!』


「交渉?」


「そうだ。我等は最下層に到達さえ出来ればいい、ボスの素材や宝などは置いていってやる」


『 良かった! メイリアちゃん、拘束の果実を出したらすぐに投げて!! ニーナちゃんは、果実が見えた瞬間に影移動でラウンツさんの所まで行ける?』


『 了解……』


『 すぐ行けます!!』


『 ……ニーナ、行くよ……』


「ハッ! そんなバカみてぇな話信じるかよ!」


拘束の果実が見えた!!


「〈 影移動 〉」


ラウンツさんの影へ移動した瞬間に、メイリアさんがツタで5人を拘束した!!


「……ね? 言ったでしよ?」


「なっ!?」


「……悪い子……おしおき……」


ツタがギリギリと音を立ててバッシュ達を締め上げる。


「ぐっ!! ……くそっ!! Cランクじゃなかったのかよ!! なんだそのスキル!!」


ビクッ!!

私の顔の方を向いていた人はいないから、眼が光ったのは見られてないよね……?

でもユニークスキル見せちゃったなぁ……。


「この子がサラマンダーとしか契約してないとでも思った?」


「……闇精霊もか!? そんな無茶苦茶あるかよ!! クソッ!!」


ルルさんのおかげでなんか勝手に勘違いしてくれてる!


「……悪い子……溶かす?……」


「メイリア待て、拘束したままでいい、少し考える」


『 ルルさんのおかげでここでは念話可能な事が分かった、次の階層を見てから考えよう』


「ルルさん、レイスター、扉を調べるぞ。残りは奴らを見張っててくれ」


「オッケーだよ! 私を怒らせたら左目が黙ってないからね!!」





ラウンツさん達が扉を開けて入っていって、少ししたら大きなモーニングスターを手にしたラウンツさんとお兄ちゃんが戻ってきた。


「次の扉が最下層だったようだ。これがあった。

もう少し調べたら帰還するぞ」


『 そうだ、彼らの念話妨害魔道具回収しといてほしいわ。解析するから壊さないでね。あと素材回収もしておいて!』


「念話妨害の魔道具を持っているのは誰だ」


バッシュが女の人を見る。

その人の首の後ろに大剣を構えるラウンツさん。


「拘束を少し解くから全部出せ、変な真似するなよ?」


メイリアさんが少し拘束を緩めると、女の人は震えながらローブのポケットの中から魔道具を出した。

ツタの拘束がまたその人を締め上げる。


「アーニャ、ルルさんに渡してきてくれ」


「はーい!」


項垂れているバッシュ達を尻目に、戻ってきたアーニャ達と素材の回収だ。

でもメイリアさんいわく、コアしか素材として価値がないらしい、残念。


しばらくしたらルルさんが戻ってきた。


「ここにはもう用はないわ。帰るけど、彼らどうしましょうね?」


「ここなら今は安全だから、しょっぴかれるまで放置でいいんじゃないか?

ニーナに怖い思いをさせた罰だ」


「……ふむ、そうだな、急いで帰って憲兵隊なりギルドなりへ通報しよう」


ダッシュで帰ることにした。


みんなバッシュ達への怒りで最大効率で魔物を倒しながら地上へ駆け上がって行った。

私の為に怒ってくれてるみたいで、不謹慎だけどちょっとだけ嬉しい。





地上へ出た時にはもう真っ暗だった。体力的に疲れた……。


「カイ、町まで乗せてくれる?」


「大変じゃったのぅ。今日は特別じゃぞ」


「ありがとね」


ロックドランの町ギリギリまでカイに乗っていたかったので、カイの身体にステルスをかけてもらって町の入口近くまで来て降りる。


まず冒険者ギルドへ報告した。

ダンジョン内での冒険者同士のいざこざなので、ギルドが彼らをしょっぴきに行くそうだ。

それとダンジョン踏破の確認もしてくれるらしい。


私達は一刻も早く宿へ戻りたかったので、すぐに戻って夕食を取り、シャワーの後に女子部屋へ集まることになった。


「ふぅ……大変だったわねぇニーナちゃん。大丈夫?」


湯上りラウンツさんは、今日は流石にネグリジェじゃなくて普通の寝巻きを着ていた。

良かった……今日はこれ以上疲れたくない。


「大丈夫です。でも疲れました……」


「疲れてると思うけど、今日のまとめをするわね。

まず、あのダンジョンは念話が通じるわ。そして隠し部屋なども無かった、そうよね?ルルさん」


「そうよ。それで、念話妨害の魔道具だけど解析できたわ。

同じような魔道具が魔王様に使われてるのかも知れないけれど、私がすぐ解析できるレベルの物なんて魔王様に効かないと思うのよね。

実際、魔道具が作動していても私が無理矢理パーティ念話の術式をねじ込めたもの。

ただ、もっと強力な同じ魔道具があるかもしれないわね。この件については私が調べていくわ。あと、魔界にも報告しておくわ」


「あ!ルルさんのおかげであの時念話が出来たんですね!」


「うふふ、そうよ」


「コーディちゃんにはアタシから念話で報告しておくわね。

じゃぁ今日はこれでおしまい! 寝ましょう!」


ラウンツさんとお兄ちゃんが退室して、みんな疲れてたのですぐにベッドへ入った。






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