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ロックドラン 前編

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ロックドラン方向へ向かって歩いて行くうちに、段々と町が見えてきた。

ダンジョンが近くにあるため多少栄えているようだ。

というより、ダンジョンの近くに町を作ったんだろうな。

ダンジョンの名前もロックドランらしい。


この辺りは木々が少なくて、近くに大きな禿山が見える。

何となく寒々しい町だ。


門番に身分証の提示を求められた。

オルガ都市よりは緩いけど、宿場町よりは人の出入りに厳しいみたいだ。


みんなで冒険者ギルドカードを見せるとすんなり許可が出た。

門番はルルさんを見て顔を赤らめていた。

アーニャは門番がイケメンじゃないのでガッカリしていた。失礼だぞ。


「宿屋はどの辺りにあるかしら?」


ルルさんが門番に聞くと、町の中心に3つ宿があるとの事だったのでその辺りへ向かう。


1軒目で無事、2人部屋と4人部屋が取れた。

もう今日はミッションコンプリートだ!


と思ってたら、ラウンツさんが宿屋のおじさんに馬車について聞いていた。

封印モードのラウンツさんはリーダーとして頼りになる。


ダンジョン往復の馬車は頻繁に出てるらしい。

この町にも冒険者ギルドがあるから依頼を受けてから行くといいって言われた。






宿屋の食堂で夕食を取り、女子部屋へ集まる。

ラウンツさんも女子みたいなものだから、もう広い方の部屋で良くない? っていう雰囲気になった。

段々みんなが親密になってきた気がして嬉しい。

ラウンツさんと寝巻きパーティーは勘弁だけど。


「みんな移動で疲れてると思うけどぉ、明日から早速ダンジョンへ入れるかしらぁ?」


ラウンツさんが作戦会議を始めた。


「ニーナは移動でかなり魔力使ってたけど大丈夫? 封印を解いた時間が長過ぎて後遺症とかあったりしない?」


「アーニャ、私のは封印とかじゃないから……。

全然疲れてないよ、心配ありがとね」


「ふぅ……儂、昨日と今日は頑張ったのぅ……疲れたのぅ……お姉ちゃんがマッサージしてくれるお店はないかのぅ……チラッチラッ」


あ、忘れてた。


「カイ、後で宿のおじさんに聞いてあげるね。お疲れ様」


「カイちゃん後でね。先にロックドランの情報を共有するわね。

ダンジョンは19階層まで攻略されてるわ。岩石エリアが多いみたい。ダンジョンの近くに火山がある影響かもしれないわね。

10階層のボスはグレートロックウルフよ、炎を吐くから気をつけてね。まぁアタシ達からしたらただのワンコよ。


15階層には休憩出来そうな場所があるみたい。

20階層のボスはフレイムゴーレム。硬くてマグマを飛ばしてくるから厄介よ、武器でいうと鈍器が一番効くわね、アタシが頑張るわ」


「岩石エリアかぁ……俺は苦手なタイプだな、前衛でヘイトを取りつつ防御にまわるかな」


「殴ったら骨折しそうだね! 私は今回は魔法で戦うよ!」


「……何でも溶かしてみせる……」


「爆発の魔道具、まだあったかしら……」


みんなが戦闘をシミュレーションしてる中で、私だけどうしたらいいのか分からなかった……どうやったら役に立つかな?


「アーニャ、魔法って何が効くかな?」


「ただのサンドゴーレムなら水魔法が効くけどね……フレイムゴーレムは上位種のゴーレムだから、直接コアを叩ける魔法がいいね。

でもそのコアを見つけるのが大変なんだけど!」


「ニーナちゃんアーニャちゃん、雷魔法が少し効くわよ?」


「ルルさんさすが物知りですね!」


「うふふ……メイリアちゃんの方が詳しそうだけど」


「……金ピカゴーレムの素材欲しい……」


メイリアさんがブツブツ言ってる……いつも通りだな……。

私はとにかく自分に出来る事をやろう!





宿のおじさんに聞いたら、マッサージ屋さんは無かった。

酒場も、明日ダンジョンに入るのでやめようという話になった。

カイが不貞腐れてたので、アレイル都市なら色んなお店があるからとなだめて何とか納得してもらった。


寝る前にお母さんに念話したら、ゴルグレイム踏破を褒めてくれた。えへへ。

お兄ちゃんの貞操の危機については黙っておこう……。




ーーーーーーーーーーーーーーー


朝一番で馬車の予約をして、冒険者ギルドに来た。


「ダンジョン攻略の依頼を受けたいのだが」


ギルドカードを提示して依頼票を作成してもらった。


「はい! 依頼票はこちらです! 気をつけてくださいね!」


「うむ」


カイで移動すると目立つので乗合馬車に乗り込む。


「よう! 女の子が多いパーティーだな! 精霊使いか?」


「はひゃっ!? はははははいっ!」


知らない5人組に話しかけられた。この人達も冒険者みたいだ。


「……サラマンダーか? 残念だったな……ロックドランの魔物は炎が効かねぇんだよ」


「ニーナは精霊より魔法メインだからね! 問題ないよ!」


アーニャ! 誇大広告しないでぇ! 魔法は得意だけど、実践になるとパニックになっちゃうへっぽこだよぅ……。


「なるほどな、精霊を出しっぱなしにしてるくらいだから魔量が多いんだな……ちいせぇのにすげぇな!」


悪い人たちじゃ無いみたいだ。


5人組と話してる間にダンジョンに着いた。

ここも地下型のダンジョンだ。


「俺はバッシュ、じゃぁダンジョン内で会ったらよろしくな!」


「ラウンツだ。うむ、お互い健闘を祈ろう」





中に入ると岩だらけだった。

ロックリザードが岩陰から見える。


『 さっきの冒険者達とすれ違うかもしれないから、みんな念の為フードを被って』


ルルさんからパーティ念話が届いた。

ルルさんとメイリアさんはローブのフードを、他3人はマントのフードを被った。

私は、宿の部屋と湯浴み以外はいつもフードを被ったままだけど、ちょっと深めに被るようフードを引っ張った。


低階層は敵が弱いので、ラウンツさん、お兄ちゃん、アーニャ達前衛の3人がサクサク倒してく。

私は転ばないようにするだけで精一杯だ。


メイリアさんのお眼鏡にかなう鉱石は無いみたいだ。


10階層入口まで来た。

ずっとさっきの5人組の魔量を感じるけど、何となく私達の後を着いてきてる気がする……。

向かう先が一緒だからそうなっちゃうのかな、考えすぎかな。とりあえずボスだ!


ルルさんが炎耐性のバフをかけてラウンツさんとお兄ちゃんが身体強化したら、ラウンツさんが扉を開く。


……いた!

とりあえず雷魔法! 弱いけど!


「〈 雷電 〉!!」

「〈 氷結 〉!!」


私とアーニャの眼が光って魔法が飛ぶ。


ラウンツさんとお兄ちゃんが〈 縮地〉で距離を詰め、左右から首目掛けて剣を振る。


グレートロックウルフの首と身体がお別れした。


「ね?ワンコだったでしょ?」


「私の出番が無かったわぁ……クスクス」


「……解体の時間……」


メイリアさんが嬉々としてグレートロックウルフに近付く。


いつも通り毛皮と内蔵を剥ぎ取っていく。

グレートロックウルフの骨は硬いので骨も回収する。

メイリアさんが薬品をかけて肉だけ溶かしてくれたので骨の回収は楽だった。

メイリアさんは内蔵に軽く氷魔法をかけて、嬉しそうに亜空間に入れていた。

氷魔法で腐りにくいようにしたのかな?


「あちゃー、先を越されたか」


5人組が来た。


「うむ、すまんな」


「いいってことさ、俺らは20階層のボス狙いだからな!」


「そうか」


「って、みんなフード被ってるからどこの宗教集団かと思ったぜ! 炎避けの装備か?」


バッシュさんがケラケラ笑う。


「それにしてもあんたら進むの速えーな! おかげで俺らも楽にここまで来ちまったぜ、助かる」


「別に礼を言われる筋合いはない」


「俺らは休憩するよ。頑張ってな!」


ラウンツさんが無言で11階層へ向かったので、みんなも無言で着いて行く。

何となくソワソワしたので、私だけペコリとお辞儀してからみんなの後を追った。





11階層に着いた所で遅めのお昼休憩になった。

私はルルさんとメイリアさんと昼食の準備だ。

前衛の3人は交代で武器の手入れをしながら近くの敵を警戒してくれている。


昼食を囲んでいただきますする。

基地からもらった新鮮な食材はもう使い切っていたので、やむなくロックリザードの肉を使ったスープと硬いパンだ。


「あの5人組はちょっと気持ち悪い」


ずっと無言だったラウンツさんが真面目な顔で言う。

騎士モードだ。パーティメンバーだけなのに珍しい。


ラウンツさんより気持ち悪くないよって喉まで出かかったが、確かにアッチモードのラウンツさんとは違う気持ち悪さがあったかも。

私は5人組の動向をずっと把握していた。


「だから安全な10階層ではなくここで休憩にした」


「な、何となく、跡をつけられている感じがしました……き、気のせいかもだけど……」


「ニーナが言うならそうなんだろうな、ニーナは魔量感知が鋭いから」


「……ニーナ……凄いの?……」


「レイスターの言う通りだよメイリアちゃん。 ニーナはマナに愛されてるんだ。 私は闇に愛されてるけどね! 呑まれないようにするのが大変だよ!」


マナとは魔力の最小構成の分子の事だ。お父さんの本で勉強した。


「マナに愛されてるなんて素敵ね!」


「ニーナ、アイツらの警戒を頼んでいいか? 変な動きがあったら教えてくれ」


「はい、ラウンツさん」


「私も警戒しておくわぁ。 何かいい魔道具あったかしら……」


「……ふぅ……今日はこのまま先へ進む? 15階層まで行かないと野営出来ないけどぉ、みんな大丈夫ぅ?」


あ、ラウンツさんがおネエに戻った。


満場一致で15階層を目指すことになったので、片付けをして早速先へ進む。





相変わらず岩がゴツゴツして歩きにくい……。

サンドゴーレムは私とアーニャとルルさんの水魔法でサクサク倒していく。


「〈 水竜 〉!!」


竜の形をした水がサンドゴーレムに喰らい付いてサンドゴーレムはただの砂になる。

そのあとは砂から出てきた黒いコアを、ラウンツさんとお兄ちゃんの剣で砕くだけの簡単なお仕事だ。


竜の形以外にも出来ないかなと〈 造水 〉の魔法でグネグネと色んな形を作る。


「ニーナ何やってんだ??」


「えへへ、うさぎ。可愛くない?」


「……弱そうだな」


しょぼん……お兄ちゃんは強そうなのがいいらしい。


もう何度目か分からない位サンドゴーレムを倒していた。

段々面倒くさくなって、ラウンツさんの代わりにコアに向かって矢じりみたいなイメージの水魔法を飛ばした。めっちゃ速くて強いイメージで!


「ふふん! お兄ちゃん、これなら強そう?」


「……強いってか……新しい魔法創ったのか!?」


「ニーナちゃん……凄いわ! 初めて見た水魔法よ!」


「ほぇ?」


ルルさんに褒められたって事は本当に凄いのかな?

じゃぁもっと凄いのも創れるかな……。

なんか凄いやつ……凄いやつ……ルルさんがビックリするような……。


あ!! ルルさんの魔道具ビーム!!


水を細く長く、小さい穴から勢いよく噴出させるイメージをする。

子供の頃ホースで水遊びした時みたいに……。

名前も付けちゃおう! カッコイイの!


サンドゴーレムの身体の中の一番魔量が濃い部分目掛けて撃ち込む。


「〈 水カッター 〉!!」


あぅっ!! カッコよくない!!

名付け失敗したよぅ!! 恥ずかしい!!

〈 みずかったー 〉!! ……だって! ダサい!!


ふぉぉおおおおお!! とゴロゴロ転げ回りたくなる気持ちを抑えて、さも「これがカッコイイんですけど?」という顔をしておく。


サンドゴーレムは一瞬で砂になり、中から小さな穴の空いたコアが見えた。


「なっ……!?」


トドメを刺しに行こうとしたラウンツさんが驚く。


「ニーナちゃん……凄いの創ったわね……一撃で倒せるほど攻撃力の高い水魔法なんて無いわよ……?」


「でもちっちゃい穴しか空いてませんよ? 全然強そうじゃないです……」


「……高圧力噴射……水なのに石が切れる……魔道具でも未完成な技術……」


「そうよニーナちゃん!! 水が石を貫通するなんて普通有り得ないのよ!?」


「え? じゃぁ強くてすごいって事ですか?」


「そうよ!!」


「えへへ、お兄ちゃん、これならカッコイイ?」


「……カッコイイとかじゃなくて……はぁ……マナに愛されてるな、ニーナ」


お兄ちゃんがポンポンと頭を撫でた。

ラウンツさんはため息をついていた。


その後はもう作業だった。

サンドゴーレムやらサンドウルフやらが出て来たけど全部〈 水カッター 〉で一撃だった。


〈 水カッター 〉を使用すると眼が光る。 魔族魔法に分類されたらしい。

誰が決めてるんだろ? マナ?

何で魔族魔法は眼が赤く光るのかな。





そんな事を考えながら15階層まで来た。

すぐ近くに洞穴がある。魔物の気配は遠い。


「ラウンツさん、この階はホントに休憩階層みたいですね。 魔物の気配が遠いです」


「あらそぉ? 良かった。 じゃぁ予定通り今日はここで野営ね☆」


ラウンツさん、野営でもネグリジェなのかな……。

いや、知りたくないからいいや。


洞穴の中に野営セットを3つ組み立てる。

ルルさんとメイリアさんは洞穴から出た所で調理器具などを設置していた。

洞穴の中で火を炊くと臭いのない毒ガスが発生するって本で読んだ事がある。

さすがルルさんとメイリアさんだな。


夕食と湯浴みを簡単に済ませて就寝の準備をする。

見張りは2人ずつ交代だ。順番をどうしようかと話していたら……。


!!


「ルルさん! あの5人組がこの階に来ます!」


近くにいたので小声で伝える。


『 みんな、あの5人組が来るわ』





「よう! 」






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