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ニーナの過去

連続投稿です

私が魔王様に拾われたのは1歳の頃らしい。

拾われてからすぐに歩き出したことから、お母さんがちょうど1歳くらいだろうと言ったそうだ。

だから私の誕生日は、拾われた日と決められた。


拾われた日からは、魔王様の部屋の近くの部屋が子育て部屋とされて、乳母としてあてがわれたお母さんお父さんお兄ちゃんと、少しの間暮らしていたらしい。

その間はちょこちょこ魔王様が私の様子を見に来てくれていたと聞いた。

そして情が移ったお父さん達が正式に里親に決まって、今の家に戻ったらしい。


魔王様からの提案で、お母さんの仕事がお休みの日はお母さんとお兄ちゃんとアーニャで魔王様に会いに行くことが出来た。

たまに会えるおっきいお兄ちゃん、もとい魔王様と、魔法の練習をして遊ぶのが大好きだった。

魔法を使うと魔王様はとても褒めてくれた。


物心ついた頃に魔王様から、私が魔王様の拾い子ということを知らされた。


孤児という事実を私に告げるか大人達は大分悩んだそうだが、お父さんとお母さんが私を溺愛してくれていた事と、大きくなってからうっかり知られるよりは先にちゃんと説明してあげた方がいいだろう、という事になったらしい。


ーーーーーーーーーーーーー


「ニーナ、大事な話があるんだ」


「なーにー! まおうしゃま!」


「ニーナはお父さんとお母さんとお兄ちゃんの事が好きかい?」


「うんっ! だいしゅきー! しゅきしゅき! まおうしゃまもだいしゅき!」


「そうか……ニーナ、最後まで聞いてね?

あのね、実はお父さん達はニーナの本当のお父さん達じゃないんだ。 ニーナは俺が拾ったんだよ」


「?……ふぇ……」


「待って、泣かないで?

お父さん達は、ニーナが本当の家族だと疑わないくらい優しくしてくれてるだろう?

だから血が繋がってなくても本当の家族だからそれは安心してね」


「…………ふぇええええええん!! あーーーーん! あーーーーん!!」


「よしよし……」


ーーーーーーーーーーーーー


魔王様は私が落ち着くまで抱き締めてくれた。

その後、私が魔王城の周辺に捨てられていた事、魔王様が拾ってくれた事、お父さん達家族の事を、ひとつひとつゆっくり噛み砕いて説明してくれた。


説明が終わる頃には、みんなに愛されているという事と、私はお父さん達の本当の家族でいていいんだと納得出来た。





私が4歳の時、魔王様が人界に行ったきり戻ってこなかった。

それまでもちょくちょく人界偵察で魔王様自ら人界に行っていたけど、理由を濁して人界に行ったのは初めてだったそうだ。


そして今に至る。


魔王様のお顔は覚えてるけど、時が経つにつれて段々ボヤけてくるのが悲しかった。

早く会いたい……会ってお顔を拝見したい。





そんな思い出を思い返していたら宿に着いていた。


ルルさんが私に最初にシャワーを勧めてくれた。

物思いに耽ってたから、また私が焦ってると思われたのかな……。


シャワーを浴び終わって、私一人で男子部屋の様子を見に行ってみる。

ノックするとゲッソリしたお兄ちゃんが出てきた。

まだラウンツさんは戻っていないらしい。


「お兄ちゃん、ラウンツさんは?」


「……今日もオカマバーに連行されたから、すぐ逃げてきたよ……」


「……生還おめでとう……」


お兄ちゃんのほっぺにオカマさんのであろう口紅がついてる……強力な呪印だ……。


「ニーナ達は昨日も今日も夜は何してたんだ?」


「うっ……ホストクラブっていうイケメンがいるところで……ルルさんとアーニャがイケメンをはべらせてたよ……」


「……ニーナも大変だったな……」


「うん……。

あ! そうだ明日はロックドランへ出発だね! ラウンツさん早く寝なくていいのかな」


「ニーナ念話してみてくれよ」


「ぎゃぴ! やだよ!」


「言い出しっぺだろ」


「……わかったよぅ……」


『 ラウンツさん? ニーナです』


『 ちょ、ちょっと待って! ……どうしたのぉ?』


『 明日はロックドランへ出発だけど、ラウンツさんまだ帰らないのかなって心配になって』


『 アラもうこんな時間!! ちょっとだけ顔を出すつもりだったんだけどねぇ、みんなにお別れを言ったら引き止められちゃって!! すぐ帰るわぁ!』


『 はい! 明日は馬車で行くんですか?』


『 ……馬車調べるの忘れてたわ!! ルルさんにお願いしてちょうだぁい! ごめんねっ☆』


念話ウィンクやめて!!


『 分かりました! じゃぁおやすみなさい』


『 おやすみ〜!』


「ラウンツさんもう帰るって。でも明日の馬車の手配忘れたらしいからルルさんに相談してくるね」


「みんな羽根伸ばしすぎだろ!」


「あはは! お兄ちゃんだけ災難だったね!

じゃぁ部屋に戻るね、おやすみなさい」


「おう、おやすみ」





「ルルさん、ラウンツさんが明日のロックドラン行きの馬車調べるの忘れたって」


「あらぁ、ラウンツちゃんが珍しいわね」


「今オカマバーで人気みたいです……」


「あぁ……ラウンツちゃん、封印が解けたから楽しんでるのね……。

わかったわ、私が馬車の手配してくるからみんなは寝ててね」


「はい、おやすみなさい」




ーーーーーーーーーーーーー


「ニーナちゃんおはよう、起きてる?」


「むにゃ……おはようごじゃましゅ……」


「馬車なんだけどねぇ、昨日は時間が遅すぎて予約が定員いっぱいだったわ。

追加の馬車の用意も急には無理だって。どうしようかしら」


「イケメン巡りの旅がぁ!!」


「そうですか……メイリアさん、カイ、何かいい案は無い?」


「…………」


「なんじゃそんなことか。儂が皆を乗せてやろう!」


「ドラゴンはまずいよカイ! 魔族ってバレちゃう!!」


「儂、サラマンダーじゃ!」


「その設定は今はいいって!」


「違う違う、この姿のまま大きくなってやるぞい。背中に乗ればよかろう」


「あっ! なるほど!」


「ニーナー、カイの背中に乗っても揺れで落ちそうじゃない?」


「アーニャの言う通りだね……うーん……」


「……空間魔法は……?」


「メイリアさんナイス! 空間魔法で固定すれば落ちないね!

カイ、早速宿の馬車置場を借りて試してみよ!」


「ほいほい」





女子だけで馬車置場に来た。

カイが6人乗れるくらいの大きなトカゲになる。

裏道なのに、何事だとざわざわ人が集まってきた。


ぎゃぴ! 目立ちたくないよぅ!


ルルさんが、精霊使いだと街の人達に説明してくれて、ギャラリーが納得したみたいなのでホッとする。


ギャラリーがいて緊張したけどとりあえず跨って、カイに裏道を少し歩いてもらう。

鱗が少しザラザラしてるから、ツルッと落ちることはなさそう。だ。カイの肉感が感じられて意外と座り心地もいい。


「うん! 落ちないように空間魔法で見えない壁を作るだけで大丈夫そうだよ!」


「ニーナちゃん、移動中ずっと空間魔法使いっぱなしになるけれど、魔量大丈夫かしら?」


「…………そうですね……」


本当は大丈夫だけど、ギャラリーの前でユニークスキルを言いたくないので濁す。


「一旦部屋に戻りませんか?」


チラッとギャラリーを見てからルルさんに視線を移すと、ルルさんは悟ってくれたみたいで頷いた。





男子部屋に向かう私にみんな着いてきた。


トントン


「お兄ちゃん、入っていい?」


「いいぞー」


「ルルさぁん、馬車の手配、ごめんねぇ」


「ラウンツちゃんもたまには羽根を伸ばしたいものね。 気にしないで。

でも馬車は満員だったわ。そこでカイちゃんの出番よ!」


「カイちゃん?」


「はい、カイが大トカゲになって皆さんを乗せます。落ちないように、空間魔法の見えない壁を私達の周りに固定します。

私は何故か魔量枯渇しないので、長時間の移動でも多分大丈夫ですよ!」


「さすがユニークスキルね!頼もしいわぁ」


「ニーナまで封印を解くなんて! 仲間だと思ってたのに!!」


封印を抑える仲間になんてなった覚えは無いよ!


「じゃぁ早く行こうぜ! ラウンツさん、ロックドランはどれくらいで着くんですか?」


「馬車で3日よ。カイちゃんのスピードがまだ分からないからなんとも言えないけど」


「カイ! とりあえず出発しよう!」


「まかせるのじゃ。 次の町ではお姉ちゃんのいる店に行きたいのう……チラッチラッ」


「カイのスピード次第では考えるよ!」


「頑張るぞい!」





カイはボヨヨンを求めてすごいスピードで走り始めた。


「ぎゃぴぃ!! 揺れるよぉぉおおお!!」


空間魔法の壁にゴツンゴツン頭が当たって痛い……。


改良する事を心の中で決めながら、何とか踏ん張ってカイに跨って街道を抜けた。






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