狐妖玲奈様 作成小説 1〜3話
~2人の選択 第1話~
「2つの命」
荒れ果てた世界、そこには、1人の神様が居た。神様は2つの人形を作り出した。1つの人形は、洞窟の奥深くで生まれ、もう1つの人形は、荒れ果てた村のはずれで生まれた。
……………。
洞窟の奥深くで生まれた人形は、氷柱の中で封印されていた。名前はアーレイン。
……あはっ……。
もう1つの人形は、殺戮が好きな、暗殺人形だった。名前は、フォーレイン。
……あぁ…つまらない……殺したい…血が…見たい……。
暗殺人形、フォーレインは、血に飢えていた、そんな時、アーレインに出会った。
……氷柱の中に……誰か…居る…のか?
フォーレインがそっと、氷柱に触れると、氷柱が破壊され、アーレインは地面に倒れた。
……………。
アーレインの体はとても冷たく、凍りついていた。
……お前…人形か?
……………。
アーレインは言葉を知らなかった、フォーレインの言っていることも、何を話せば良いのかも分からないのだ。
……言葉が分からないのか……。
フォーレインには、2つの能力があった。その1つを、アーレインに託した、その途端、アーレインの髪色が真っ赤に染まった。
……その…髪の色……血のような……真紅の…色……あは…あはははははは!!……気に入ったぞ!お前!「俺」と一緒に来い!
……俺……
あぁ?
……俺って……言った…。
アーレインには、フォーレインの力が宿った。そのことで、言葉が分かるようになったのだ。
……当たり前だろ、俺は俺だからな。
…そう……。
てか、お前名前とかねぇのか?
……アーレイン……。
アーレインか、俺はフォーレインだ、なんか似てるけどな。まぁ、良いか。さっさと行くぞ。
…うん…。
~2人の選択 第2話~
「神様の存在」
……貴方は…人形?
あぁ?……まぁ、そうだな…。
2つの人形は、荒れ果てた世界で、存在している「人」は居ないと分かっていた。だが、存在している「人形」は居る。
フォーレインには、自分達を造ったのは誰か知っていた。だが、信じていないのだ。神様なんて実在していないと。アーレインはどうだろうか。
……なぁ、お前………お前は、神様は居ると思うか?
うん、居ると思うよ。
何でだ?神様なんて居ればこの世界はこんなんじゃなかっただろ。
神様が居たからこそ、この世界が出来たんだと思うよ。だって、私達を造ったのも、神様だから。
アーレインは、神様を信じていた。そして、自分達を造ったのも、神様だと知っていたのだ。だが、なぜ知っているのか…そう、アーレインは、神様に会ったことがあった。氷柱に封印したのも、神様だったから。
……そうか……。
だから、私は神様を信じるよ。そしていつか…私達を救ってくれると……。
神様は2つの人形を作った、フォーレインには感情がある、しかし、アーレインには感情がない、プログラムを作成する間際に、バグが発生し、「もう1つ」の人形が出来たのだ。それが、アーレインの感情であったが、今はどこに居るかも、生きているのかも不明だ。
私は、人形、感情を持った私が…何処かに居る。
なら、そいつを探せば良いんだな。
え?
は?お前の感情、探すんだろ。
ど、どうして、探してくれるの?
感情、欲しいんだろ?
……!
ほら、行くぞ。
うん!
フォーレインは暗殺人形だった、だが、今のフォーレインは、暗殺チップが停止している、アーレインがそれを壊せば、暗殺人形だった頃のプログラムは消えるが、アーレインはそれを知らなかった。
さてと、まずは何処を探すか…。
…洞窟。
あ?洞窟?って…あの洞窟か?
うん。
そんじゃあ行ってみるか。
分かった。
~2人の選択 第3話~
「3つの感情」
確か…ここだよな。
うん、ここだよ。
行ってみるか…。
うん。
フォーレインとアーレイン、2つの人形は、アーレインが封印されていた洞窟に来た。ここに、感情の1つがあると、アーレインは思ったのだ。
……あった。
それが感情か?
…うん。これは、嬉しさの感情。
もう2つの感情はなんだ?
優しさと、悲しみ。3つ、見つけた。
それをどうするんだ?
…食べる。
あぁそうか、食べr…食べる!?それ食うのか!?
……うん…食べるの。
おっえ、マジか…
……………(パクッ…。
ホントに食ったァァァァァァァ!!!!!!
…味ない…。(ムグムグ
当たり前だ!
うぇっ…なんか吐き気が…
3つの感情を食べたアーレインは、「優しさ」「嬉しさ」「悲しみ」の3つの感情を取り戻した。そして、笑うようになった。それからフォーレインは、可笑しな感情が湧いて来たのだ。今までとは違う感情、「好き」と言う感情が。
……よし、次行くか。
うん、そうだね。
…お前…初めて笑ったな。
え?あ、う、うん、感情が戻ったからだと思うよ。
まぁそうだよな。(……?…なんだ?この…感情……なんかモヤモヤしてきたな……。)
フォーレインにとって、「好き」と言う感情は初めてだった、だが、神様はフォーレインに「好き」という感情はプログラムしていないのだ。しかしフォーレインにはその感情がある、それはなぜか。考えられることは1つ…自ら感情を作ってしまったのだ。
次回 ~2人の選択 第4話~
「伝わらない想い」