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え?ほとんど解決じゃね?

俺は、何も無い白い世界で仰向けの状態で目を覚ました。


「こんにちは。」


いきなり覗き込む様にして声をかけられる。少し驚いたけれど、ゆっくり身体を起こす。声をかけてきた人は、分かってはいたが、もの凄く美人だ。ここで俺は、ふと思い出す。自分がガンで死んだ事を。


「思い出しましたか?横田清輝よこたせいきさん貴方はガンにより死にました。私達は、条件に合った魂を探して、貴方を見つけ此処に呼んだ次第です。」


俺はもう一つふと思い出す。自分が極度のオタクであった事を。


「俺が考えるに貴方は神様ですか?」

「はい、そうですね。名はシステルと申します。」

「ここまで早く理解して頂けるとは……やはり貴方を選んで正解でしたね。」

「その言い方だと、他にも候補が居そうですね。」

「ええ、居ましたよ。でも選ばれたのは貴方です。」

「それは……素直に嬉しいですね。」

「そのご様子だともう既に今後について理解している様ですね。」

「はい、それはもちろん。俺達オタクにとってこのシュチュエーションは一つの『夢』みたいなものですからね。」

「……少し想像以上ですね。」

「神様の想像の上を行けるなんて光栄です。」

「少しどころか一癖も二癖もある面白い子の様ですね。」


そう言ってお互いに笑い合う。


「さて、貴方をここに読んだ理由ですが……既に理解されている様なので、簡潔に申し上げますと……」

「異世界に行くんですね?」

「はい、そうですね。」


それを聞いて、うずうずしていると『まるで、ピクニックに行く前の子供のようですね。』とクスクスと笑われた。


「では、詳細を説明して行きましょうか。貴方が行く異世界は私達『異世界転生党』の三つの内の一つの世界です。」

「異世界転生党とは何ですか?」

「はい、私達神は、仕事の内容の同じ神同士グループを作って仕事を行うものです。貴方達でいうと政治の『党』の集りを仕事の内容で決めたものです」

「以外と現実的なんですね。」

「ええ、では続けますね。異世界に行くにあたって、貴方の肉体は今はありません。なので2つの肉体から選んでいただきます。一つは『神竜』になる肉体ともう一つは『神狼』いわゆる『フェンリル』になる肉体ですね。」


ここで一つつ程疑問が出て来たので聞いてみる。


「未来形という事は、自分で頑張って格を上げろと?」

「ええ、そうですね。私達が貴方を亜神にする事は可能ですが、ステータスを上げるのは戦闘経験を積むのに丁度いいですからね。」

「だから、あえて神様は肉体のみを与えて、後は俺に任せると?」

「ええ、そうですね。では、どちらの肉体にします?」

「では、神竜で。」


竜を選んだ理由は特に無い。強いて言うなら、空を飛んでみたかったからだ。


「では、貴方に異世界に行って、おこなってもらう事を説明しますね。貴方が行く世界は、少し前に邪神が誕生した世界です。」

「つまり、それを討伐しろと?」

「いいえ、違います。邪神は既に討伐されました。」

「では何故?」

「当然の質問ですね。理由は、それは邪神がいた場所にあります。」

「いた場所ですか?」         

「ええ、その邪神は『自分』で作ったダンジョンに居ました。」


その瞬間俺は全てを理解した。


「つまり、邪神は討伐したもののダンジョンだけは残った。でも、そのそのダンジョンの力は、邪神が居ない今も強力で、大方自分達が干渉できる程度の力ではダンジョンを消すことが出来なかった。しかし、邪神を出したのは、自分達の責任。そして、当たり前のように、その邪神が作ったダンジョンも自分達の責任。だから異世界に転生出来る条件に合った魂を眷属にして、強い肉体を与えて。ダンジョンの管理と言う名の世界の管理を任せようと。」

「うっ、そ、そこまでお分かりで……無茶な事を承知でお願い出来ませんでしょうか!」

「いいですよ。」

「はぁ、ですよね、ダメに決まって……今なんて?」

「え?ですから、いいですよって。」

「本当ですか!?」


そう言って肩を両手で鷲掴みにして、ズイっと顔を近づけ興奮した様子で聞いてくる。


「ち、近いですよ。」

「あっ」


すぐさま離れる。神様は、恥ずかしそうにもじもじしている。うん、可愛い。


「ダメですよ、神様に恋なんてしたら。」

「勝手に心を読まないで下さい。」

「えっ!何で分かったんですか!?」

「神様なんですからそれぐらいは出来ると想定してますよ。それと、その気にさせる様な行動するからですよ。」

「は、話を戻しましょう。ですが、何故今回の件を了承してたくれたのですか?」

「素朴な疑問ですね。言ったでしょう?俺達オタクにとってこのシュチュエーションは『夢』みたいなものだってね。」


それを聞いて驚いていた顔をしていたが、すぐ微笑みに変わった。


「確かに、素朴な疑問でしたね。どちらかというと、あなた方にとっては少し失礼でしたか?」

「いいえ、人の価値観は人それぞれですからね。」

「私、神なんですけどね。」

「『人』がせっかくフォローしてるのに、そんな細かい事を『神様』が気にしてどうするんですか?」


そう言うとまたお互いに笑い合った。


「また、話がずれてしまいましたね。貴方が管理するダンジョンは『大狂乱の森』と言って、その世界の魔王すら近付くのを拒む危険な森にあります。最高位レベルモンスターの生息地なのでレベル上げにはうってつけです。」

「それって開始早々死ぬんじゃ……」

「大丈夫ですよ。ある程度強くはしますから。」

「なら安心ですね。」

「でも、油断は禁物ですよ?」

「分かってます。」

「それならば良し。それと私からは『加護』と『全知全能』(ぜんちぜんのう)スキル差し上げます。」

「加護とスキルにはどのような効果が?」

「加護は経験値100倍、全知全能スキルは簡単に言えば何でも出来る、いわゆるチートスキルですね。私も持っています。」

「た、確かにチートですね。それで俺は地上に行ったらどうすればいいのでしょうか?」

「ダンジョンから魔物が溢れないように定期的に狩って貰えればいいですよ。後は自由です。」

「定期的にですか……思ったんですがそれって俺がダンジョンマスターになってダンジョンの魔物の量なんかをコントロールしたら良いんじゃないんですか?」

「……そ、それは盲点でした。」

「神様も全知全能スキル持ってるって言ってましたよね?もしかして何でも知っている事をいいように、何か物事を考えるという事をして来なかったから、考える脳が劣化したんじゃ……」


そこまで言ってよく神様を見るとの笑顔になっていた……でも目が全くもって笑ってない!


「あっ、はい、何でも無いです。続きをどうぞ。」

「はぁ〜、問題解決してしまいましたね。」

「何か……すいません。」

「なぜ謝るのですか?」


笑顔なんだけと……やっぱり目が笑ってない!


「本当に!すいません!」

「だから何故……もう、いいです。」

「ではもう説明しましたので向こうの世界に送りますね!どんな方法でも良いのでとにかくダンジョンを管理してくれればいいですぅ〜!」


何故か最後だけ強い口調で説明を受け異世界に送られるのであった。








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