ステータス 1 先祖からの贈り物 5
あれから一角ウサギをもう1体倒して、薬草をもう1つ手に入れた。
手がふさがっているのは危険なので、2つの薬草は背中の袋に入れた。
「けっこう嵩張るな」
食料袋は食料が入っている状態だと消えない事、ゴミだと思って入れた物は処分される事を先生が教えてくれた。
薬草が食料と認識されるかわからないし、食料袋が消えると困るのでペットボトルの水は半分ほど残してある。今夜の野営地に着いたら色々と試してみるつもりだ。
!
ピシッと、身体に走る緊張感。
魔物だ。近くに魔物がいる。
「!」
新しい魔物だ!
ぐにゃぐにゃとした形状の粘着質魔物。コイツはスライムで間違いないだろう。ゲームと違って可愛らしさが欠片もない姿に、掴んだ石をぶん投げる。
グシャ
嫌な音がして、スライムは一撃で倒れた。
スライムの消えた後には、薬草が1束。
これで3つ目だ。
ーーーレベルが上がりました。
レベルが1から2に上がりました。
体力が3上がりました。
魔力が2上がりました。
攻撃力が3上がりました。
素早さが1上がりました。
賢さが2上がりました。
投石レベルが上がりました。
投石レベル1から2に上がりました。
投石力が2から4に上がりました。
「おー!」
なんか色々上がった!
「先生今のって?」
『あなたのステータスです。確認しますか?』
「はい!」
ヒラ
1枚の紙が降ってきた。
守 瑛太
レベル2
旅人
体力 12
魔力 10
攻撃力 12
防御力 8
素早さ 9
賢さ 10
運 8
スキル
先生 野営レベル2 投げるレベル2 危険察知レベル1
「おー!」
これはじっくり見たい。
ステータスの紙をポケットにしまい、今夜の野営地を探すべく足を早めた。
危険察知が反応しない安全で少し開けた場所を、本日の野営地とすることにする。
袋の検証の為、薬草2つは取り出し1つを残す。
そして最後のペットボトルの水を飲み干し、ゴミだと思って袋に入れた。
「おー」
結果。薬草は食料と認識されなかった。
中に入れた薬草共々ぱっと消えてしまったのだ。
「これはマズイな」
食料袋なので、食料が無くなると消える仕組みになっているらしい。
1 今後は食料を少し残すようにする ←腐ったらどうなる?
2 空のペットボトルをゴミだと思わないで入れてみる ←今は実験出来ない。
「2番を試してもいいけど、これから荷物も増えるしなぁ」
そのままでは食べる気がしない薬草も、アルサの街に行けば売れるだろう。
この世界の金を何も持っていない身の上としては、捨てていくなど考えられない。
「やっぱ必要だよな。リュック」
欲しいって願うか?
でもなぁ…。リュックなんて街に行けば売ってるだろうし…
けど街に行っても金が無きゃ買えないわけだし。
金を手に入れるには、魔物倒して薬草手に入れなきゃだし…
うがぁぁ!! めんどくせー!!
止めだ止めっ!
うだうだ考えるなんて俺の柄じゃねぇよ。
「素敵なリュックが欲しいです!」
ピッコーーン。
《収納》を贈ります。
ポンと現れたのは肩掛けカバン。
えっ? オレ、リュックって言ったよね?