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右腕換装!ふたなりブラスター!

作者: 笑石

連載作品では使えないなと思ったネタ。



頭を空っぽにして読んで頂きたいです。

 汝、男根を捧げよ。


「換装!」

 少女の声が隔離空間バトルフィールドに響き渡る。


 叫んだ少女の右肘から先が光に包まれ変形していく。軟体生物の様に蠢き、その体積を増やしながら流動する。同時に、股間から光の棒状の物が飛び出して右腕と合体した。やがて、光が消えると少女の右腕は人間のソレとは大きく異なっていた。


 右肘から機械的なアームに変わり、手首から先に大きな筒を横にした様な物がくっ付いている。


 少女は、その大砲バズーカを肩に担いで……目の前に立つ相手を睨み付ける。まだ高校生になったばかりの少女に似つかない、鋭い眼光。


 思わず、睨まれた相手……真緑の髪色をした男は一歩後退ってしまった。横に並ぶ、機械で出来たゴリラの様な機械獣が唸る。

 その機械ゴリラを見上げて、男は自信を取り戻した様に不敵に笑った。


 少女の背後には一人の女性が気を失って倒れている。その女性を見て、緑髪の男は口を開いた。


「ふっ……お前が、例の?召喚契約の邪魔をしているという噂は本当だった様だ。そしてお前に会ったものは、全員が敗北し契約を失敗したと」


 少女は目を逸らさない。相手の出方を伺っている様だ。その様子に、緑髪の男は警戒心を高める。冷静な女だ……。噂の相手がまさかこの様に若い女であるとは思わなかったが、立ち姿を見ているうちに間違いないと確信する。


 強者の気配だ。フツフツと闘争心が湧き、口角を歪ませながら男は叫ぶ。


「行くぞ!噂通りの実力を見せてくれよ!?『ふたなりブラスターぁぁあ』!」


「その名前で呼ぶなーっ!!」


 チュドーーン!


 少女のバズーカから発射された光弾が機械ゴリラと緑髪の男を吹き飛ばす。


「さすがタマ!澄華スミカ!」


 一撃で吹き飛んだ相手を見て、少女……澄華の肩に乗った卵に手足を生やしたみたいな不思議生物が大いにはしゃぐ。


 これで、また一人。救うことができた。シュルシュルと縮んで行く右腕の機械大砲バズーカが、やがて光に包まれて澄華の股間に消えていった。

 ポロリ……。彼女の頬を一筋の涙が伝う。


「どうしたタマ?圧勝タマ。大喜びするところタマよ」


 不思議そうな顔をする卵型妖精?の言葉を無視して澄華は思う。


 ……何でこうなった?



 その理由は、彼女が高校に入学するよりも前、中学三年生まで遡ることになる。



 受験が終わり、少々開放的な気分になっていた澄華は暗くなるまで遊び歩いていた。友達と別れ、帰路に着く途中の事。突然、だだっ広い無機質な石室の様な場所に景色が変わっていた。


「え?え?」


 戸惑う澄華。歩いていた住宅街は消え去り、冷たい石室はどこか恐怖を感じさせる。カツリ。誰かの足音が響き、そちらへ振り向く。


 誰かが立っていた。


「召喚獣よ、我が配下となれ」


 男だ。何やら長身の男が偉そうな態度でこちらに手をかざしながら歩いてくる。これが、後に卵型不思議生物となるタマ男との出会いだった。



 何やかんやでタマ男を返り討ちにした結果。彼女の生活は一変する事になる。


 タマ男は澄華の住む世界とは異なる世界からきた人間で、その世界では異世界……つまり澄華達の世界から人間を捕らえ、召喚獣という名の機械で出来た獣に変えて使役するのだという。


 澄華が、帰路の途中に石室に閉じ込められたのはその『狩り』の対象になってしまったからだ。

 その石室は隔離空間バトルフィールドと呼び、そこで異世界人を打ちのめす事で隷属化させるのだという。

 しかし、タマ男は澄華に返り討ちにあった。その結果自らの肉体は澄華に奪われ、何故か卵型妖精的な生き物として生きていくことになってしまう。


 一方、タマ男の肉体を奪った澄華には人外の力が備わった。


 それが、右腕の機械大砲バズーカだ。それは澄華のとあるモノを弾薬にして、強大な破壊力を持つ。

 しかし、その大砲は平常時に澄華の股間に収納される。男性の象徴と酷似した……というよりそのものの形で。


 端的に言うとそう、ふたなり化してしまったのである!




「最近多くない?」


 朝ベッドから出て、澄華の放った開口一番の台詞がこれである。それを聞いたのか、おままごと用の小さな家から卵に手足を生やした様な不思議生物がヒョコッと出てきた。


「多分、澄華の事が有名になってきたタマ。自分の名にあっちで箔をつける為の実力試し、みたいな扱いされてるタマね」


 さすがタマ!と続ける不思議生物にデコピンを食らわせて澄華はいそいそとクローゼットの中から服を取り出す。もちろん高校の制服だ。


「痛いタマ!虐待タマ!」


 タマタマうるさい妖精っぽいのは放っておいて寝間着を脱ぎ捨てる。その際に、もっこりとした自分の股間を見て溜息を吐く。


「これ、いつになったら取れるの?」


 涙目でタマ男に聞くが、卵から生えた小さな手の平を天に向けて、タマ男は首?を傾げた。


「でも、それが無いとこちらの人間を守れないタマね」


 その言葉に、澄華はぐっと言葉に詰まった。別に、私が守るなんて偉そうなことは言うつもりないのだけど……。そうは思っても、今まで手放せなかった。


 隔離空間バトルフィールドに取り込まれた人間は、脱出した時に記憶を失う。だから、澄華のやっている事は自分とタマ男……あとは侵略者である異世界人しか知らない、孤独な戦いだ。


「とりあえず学校行かないと……」


 結局の所、澄華は問題を先延ばしにする。取れる取れないだけでなく、力を失うか否か。制服を着終えると、肩先まで伸びた茶色がかった髪を軽くまとめて色々と朝の支度を済ませてから家を出る。



 今まで澄華が助けてきた人の数は二桁を超える。その事を、後悔しているわけでは無いけれど……。やはり、本来ならば持ち得ない身体機能を見るたびにちょっと悩む。


 そう、本来ならば持ち得ない……


「スーミカっ!」


 むぎゅっ、と。澄華の背中に豊満な重量物が押し付けられる。背中に意識が集中し、熱が股間に……


「蓮子……。おはよう」


 脳裏に高校の脂汗ギトギト物理教師を思い浮かべながら澄華は振り返る。後ろから澄華に抱きついて、ニコニコと朝からテンションの高い親友にぎこちない笑みを返す。


「もーっ朝はほんと弱いね」


 パッと離れて蓮子は横に並ぶ。ゆるふわショートカットヘアーは色素が薄く、平均的な身長に華奢な身体。しかし、その胸部は他を圧倒するスイカップ。

 ごくり、思わず澄華は唾を飲んだ。澄華の視線に気付いてか、蓮子は胸を両腕で隠して非難的な目を澄華に向ける。


「なんか最近、視線がえっちくなぁい?」


 ドキリと胸が跳ねる。澄華は慌てて自身の胸と蓮子の胸を交互に指さし


「ほら、あの、私はそんなに大きくないから……妬ましいなぁって」


 その慌て具合を見て蓮子はニヤリとした笑顔を浮かべて澄華の胸をワシワシと揉もうとする仕草をした。


「そーお?スミカの胸も充分だと思うけどなぁ

 たしかに私のはデカイけどー。良いことなんてないしっ」


 何とか誤魔化せたかな?澄華は愛想笑いを返しながら内心でホッと息を吐く。



 股間に男の象徴が付いて以来、女性相手に妙な気持ちになる事が増えた。特に蓮子は、同性の親友である澄華に対してガードが緩い。


(なんでコレって大きくなるの……)


 そうなのだ。この要らぬ股間は要らぬ機能を持っていて、澄華はそれがとても嫌だった。内心で全ての元凶であるタマ男に毒を吐きながら、澄華達は高校へ向かっていく。




「スーミカっ!帰りにケーキ食べに行こー!」


 一日の授業を終え、主に股間の事情で部活に入っていない澄華。普段は真っ直ぐ家に帰っているのだが、今日は吹奏楽部の活動が休みなのか蓮子が元気良く澄華を誘いに来る。


「うん、行く行……」


 モゾモゾ。股間で蠢く。サーっと澄華は顔を暗くして、大きく溜息を吐いて項垂れる。


「ごめん、今日用事あるんだった」

「あら、そうなの。残念。他の人誘うもんねー」


 特に気を悪くした様子はない蓮子と別れ、帰路に着く途中で物陰にスッと入り込む澄華。ボソリと小さな声で囁く。


「タマ男、今日はどこなの?」


 ひょこりとポケットから顔を出したタマ男がビシッとある方向を指差した。


「あっちの方角タマ!……強い気配タマ。これは、今までとは違うタマよ!」


(普段と違って真面目な声色……)


 タマ男のいつにない真剣な声に、自然と身が引き締まる澄華。タマ男の指す方角へ走り出すと、彼女の身体は優に人間を超えた速度を出した。


「ここタマ!」


 そして、タマ男がとある地点で叫ぶ。そこは人気の無い廃工場の様な所だった。ムズムズと、澄華の股間が隔離空間バトルフィールドの気配を感じ取る。


「侵入するよ!」


 ぐわん、と。景色が歪み、澄華の肉体が隔離空間バトルフィールドに転送される。


 そこに居たのは、まるで蜘蛛のような機械獣とフードを被った謎の人物。


『来たか、ふたなりブラスター』


 フードの人物は、澄華が来た事を察したのか……まるで抑揚のない声でそう言った。身構えながら、澄華は周囲を見渡す。


(誰もいない……?)


 いつもならば、召喚獣として狙われた人間がこの隔離空間に囚われているのだが、今回は誰も見当たらなかった。

 つまり、コイツの狙いは……。


『心配は要らない。私の目的は、ふたなりブラスター。あなたを召喚獣として使役する事なのだから』


 蜘蛛の機械獣が、その多脚を軋ませる。


 ふたなりブラスター、その名前は嫌いだ。タマ男がひょこりと澄華の肩に乗って拳を振り上げる。


「この俺が負けた、ふたなりブラスターにお前如きが勝てるわけないタマ!」


 ベシッとタマ男を弾き落とす。


「何するタマ!」

「あんたがそうやって私の事を変な呼び方するから定着しちゃったんじゃない!」


 本名を知られると、隔離空間から出た人間の記憶が残ってしまうと言ってコードネーム的なのを名乗ろうとタマ男が言い出して、異世界人しんりゃくしゃの前で勝手に澄華の事をそう名付けたのだ。


 澄華としても、隔離空間での出来事は覚えていて欲しくないし、忘れて欲しいのでそこには承諾したが……この名前は無い、酷すぎる。


 しかし、召喚獣の契約失敗は向こうの世界ではとても恥ずべき事であるらしく、何回も撃退しているうちに向こうで有名になってしまったらしい……ふたなりブラスター、として。


 もう、これを訂正することは難しいだろう。一度定着した名前は簡単には変えられない。


『行くぞ、いざ』

「ほら!くるタマよ!」


 タマ男と揉めているうちに相手さんは痺れを切らしたようだ。蜘蛛の機械獣が跳ねる。今回の隔離空間はまるで無機質な森だ、四方に生えた石のような木々を踏み台に360度縦横無尽に跳ねた機械獣が、その多い脚を使って澄華に襲い掛かる。


『換装!』


 澄華が叫び、股間を掴む。

 蜘蛛の脚が澄華に刺さる、と同時に右腕は変化し終わりそれを防ぐ。


 キィィン。高い金属音が響き、蜘蛛の鋭い脚を澄華の機械大砲バズーカが防ぐ。残りの脚が雨の様に降り注ぐ、それを澄華は機械大砲を一発撃ち、その反動で移動する事で大きく蜘蛛から距離を取って回避した。


「ちょっと小さくないタマか?もしかして澄華……ヌい……」


 バシューーン!タマ男の言葉を無視して澄華の機械大砲がもう一度爆ぜる。光弾は蜘蛛の脚の一本を吹き飛ばし、バランスを崩した蜘蛛は地面に崩れ落ちた。

 しかし、残った脚を器用に使って蜘蛛は跳ねる。木々を利用した三次元移動、徐々に速度は増していき、それと比例して振るわれる脚の威力は増していく。


 跳ねながら、すれ違い様に攻撃を加えてくる蜘蛛に対し、澄華は防戦一方であった。光弾を放っても、蜘蛛を捉えきれず彼方へ飛んで行く。


『こんなものかふたなりブラスター』


 フードの人物がニヤリと口角を上げ……気付く。


 蜘蛛は地面に降り立った。


「さて、これで……あんたご自慢の移動力は封じられたわけ」


 いつの間にか、周囲の木々が全て破壊されていた。先程までの縦横無尽な動きを封じられた蜘蛛は、苦し紛れに呻きの様な金属音を鳴らす。


 ググ……。蜘蛛が、身を縮めて力を込めた。


 次の瞬間、蜘蛛はクラウチングスタートを切る様に澄華へ一直線に跳ねる。シンプルな突撃、しかしその速度は一瞬で彼我の距離を埋める。


 もちろん澄華はそれを読んでいた。蜘蛛が飛び出すと同時に光弾を放ち、空中で二つが衝突した。


 軌道の逸れた蜘蛛が澄華を通り過ぎてはるか背後に着地する、その身体は半分以上がボロボロに吹き飛んでいて、既に勝敗は決した様に見えた。


「さて、どうする?まだやる?ご自慢の召喚獣さんは、もうダメそうだけど?」

「澄華、いつもなら今の一撃で倒せたタマよ。やっぱり昨日ヌ……」


 澄華の機械大砲はとあるモノを原動力にしている。それはともかくタマ男を地面に叩き落とした澄華は機械大砲の銃口をフードの人物に向けた。


『さすがだな、ふたなりブラスター……だが』


 そう言って、その人物はフードを外した。


 中にあったのは、機械の……。


「……!澄華!隔離空間バトルフィールドが新たに発生したタマ!」


 機械人形が不敵に笑う。


『お友達は、頂くよ』


 そして隔離空間は解除され、その場には二人の人間が裸で残されていた。

  隔離空間での戦闘に敗北した機械獣は元の人間の姿に戻る。もちろん五体満足でだ。つまり澄華の戦いは、これから捕まる人と現状捕まっている人の解放の二つの意味があった。


「澄華、あっちの方角タマよ」


 お友達……?タマ男の指差す方向は、記憶の通りなら、蓮子の好むカフェがある。いや、そんなのは偶然だろう。


 でも、心の中を不安が支配する。


 知らずのうちに、走り出していた。タマ男の指す方へ、不安を振り切るために、間に合えと。


「澄華……よく聞くタマよ。もし、澄華の友達が囚われているとしたら、その子に見られた記憶は消えないタマよ」


 息を切らし、とあるカフェに着いた澄華は隔離空間に入り込む。


「やぁ、来たかい。ふたなりブラスター」


 そこにいたのは謎の仮面の男。足元に寝転ぶ女性は、澄華のよく知る人物。親友の蓮子。


「あんた……その子から離れなさい」


 自分でも驚くほどの冷たい声だった。

 ニヤリと笑う仮面の男。


「澄華、大事なことタマ。自分の歪な姿を、見られるタマよ!」

「うるさいっ!」


 この様な非現実、忘れ様にも忘れられないだろう。もし追求されれば、いずれ澄華の歪な姿もバレる。


「澄華、あれだけ知られるの嫌がってたタマ」


 タマ男は、澄華が自身の身体を恥じている事をよく知っていた。それでも、己の正義感から戦いに身を投じている彼女を尊敬している。だからこその心配の声だった。


「そんな事より、大事なものが私にはある」


 その騒ぎで目を覚ましたのか、横たわる蓮子の目が開いていく。


「ス、スミカ……?」


 彼女が目にしたのは、股間を掴む親友の姿。


『換装』


「こい!ふたなりブラスター!」


 蓮子の肉体が変貌する、皮膚の下から機械の肌が露出して、腕は翼に、下半身は鳥の様に変貌した。

 人型鳥の機械獣となった蓮子は、自身の変貌した視界で、たしかに見た。


 股間から生えた大砲を腕に抱えた、親友の姿を。


 勝負は一瞬だった。蓮子の視界を光が包み込んだかと思えば、いつの間にか裸になって親友の足元にいる。


「さぁ、どうする?」


 挑戦的に問う、澄華。その相手は、不敵な笑みを浮かべたままだ。その男の背後から、とても巨大な影が現れる。


「やばいタマ、あれはA級召喚獣タマよ」


 澄華の肩で、タマ男がガクガクと震える。


 今まで澄華が対峙して来たのは、せいぜいB級までだ。


 挑戦的な態度とは裏腹に、澄華は限界だった。先程の蜘蛛との連戦……。弾を使い過ぎた。身体中が疲弊感でガクガクと震えだす。


「おやおや?ふたなりブラスター、弾切れ……ですかね?」


 まるでドラゴンの様なA級召喚獣を従えた男が余裕を持ってそう言った。くっと、苦し紛れに澄華が光弾を放つが、それを召喚獣は避けようともせずに受け止める。


 小規模な爆発が起きる。しかし、A級召喚獣には傷一つ付いていなかった。


 ガクリと澄華は膝をついた。今ので完全に弾切れだ。蜘蛛との戦いで乱発し過ぎたのもある。


「くくく!くははははは!勝った!あのふたなりブラスターに俺が勝ったんだ!」


 勝利を確信する異世界人。澄華が悔しげに睨みつけていると、その様子を見ていた蓮子が立ち上がった。


「逃げようスミカっ!よく分からないけど、辛そうだもん!」

「あっ」


 彼女が澄華の前に飛び出して、タマ男の素っ頓狂な声が響く。


 プルンッ。そんな擬音が耳に聞こえた様な、巨大なソレが澄華の目の前で揺れる。その先端の桃色な……。


 膝をついたまま固まった澄華の左腕をむぎゅっと抱え込み、引っ張る蓮子。意図せずして、澄華の手が蓮子の股付近に触れる。


「死ねぇっ!ふたなりブラスターぁぁ!」


 ドラゴン型召喚獣が、その大きな口を開き光を蓄えた。通常の澄華の砲撃よりも強力なソレが、辺り一面を光で包み込み……晴れた時、そこには首から上を失った召喚獣の姿があった。


「は?」


 異世界人の間抜けな声が響く。消し飛ばし、自らの召喚獣にしてやろうとした相手を見る。ふたなりブラスター……澄華は、巨大な大砲を肩に担いで立っていた。


「バカなっ、弾切れ……」

「吹っ飛べー!」


 確実に勝った確信があった、直前のふたなりブラスターはどう見てもエネルギーを枯渇させていた。一体、どこからそんな力が湧き出て来た……!?

 そうして、訳も分からぬまま異世界人の視界は光で塗りつぶされることになった。




 隔離空間が解けた時、ようやく自分の姿が裸であることに気付いた蓮子がキャッと可愛い悲鳴を上げて、自分の身体を抱きしめてしゃがみ込んだ。


 しかし、今のは何だったのだろう。チラリと横を見上げると、自身のよく知る親友が……少し腰の引けた体勢で立っていた。


「す、スミカ?」


 色々聞きたいことがあるが……。思わず視界に入った澄華のスカート、何やら少し盛り上がっている様な……。


「蓮子、説明は絶対後でするから」


 自身のブレザーを脱ぎ、蓮子に掛けた澄華が目を逸らしながら言う。


「ちょっと服取ってくるから待ってて。動かないで、あと見ないで」


 ポロポロと涙を流す親友に、蓮子は何も言えなくなった。




 ふたなりブラスターの戦いは続く……。

 異世界からの侵略者がいる限り。


勢いで詰め込んで書いたので、いずれ丁寧に連載物として書いてみたいなぁ

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[一言] 初めまして、待ってる、面白そう
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