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本番、映える

作中で登場したアーティスト名は運営様とご相談して書かせていただきました。

浜田一馬は約束の時刻の30分前に昨日と同じ待ち合わせ場所にいた。


居たのだがその様子は明らかに狼狽していた。


アレっ?おかしいな?昨日と同じ場所に行くだけなのになんでこんなに焦るだろう?

「なんだろう、全然!いやもう全然!落ち着かないどうしようコレ!…ハっ声出てた!!アウっ!」


この様子を遠くから見ていた3人が居た。

「おいおい一馬の奴なんかいつも以上に変だぞ?」

「いやぁ、ははっ…うん…テンパってるね」

「周囲の人一馬の事めっちゃ見てるね」

(やっぱ似合うわ〜)


「おまたせ!一馬くん、待った?」


「やぁ可愛さ―」

 なんだ?この灰色の世界は?違う!!目の前の可愛さんが眩しくて周りの景色が色褪せて時すらも停まったというのか!この体内の動悸の速さ喉の渇きがそれを物語っている!!

世間一般の恋愛ソングでは彼女がいるだけで世界が彩るなどと言うが相手がこうも圧倒的だと世界の色が落ち相手を際立たせるのだな!恐ろしい女よ


「どうしたの?」


 小首を傾げないで胸が熱くなるうぅう加速した鼓動音が聴こえてしまう!


可愛さんの格好は白のブラウスに白のスカートを合わせた色気の欠片もない服装だった。

僕は早々に「もう少し肌が露出してて胸元を開けてスカートは太ももが見えるくらいがそそるね」と言おうと口を開いたら


「いやぁ華麗だね……本当に綺麗だ」


 アレ?言おうしたセリフが出てこない。


 さて気を取り直して


「………もぅっ♡」


 あっ駄目だわ目の前の人が照れてらっしゃもの。

もうセリフ言えないよ、っていうか声でないわ。


「それじゃあ行こうか?」


「えぇ」


最初に行ったのはレウンド・ワン昨日の川上さんとやった時よりスコアが出なかったけど可愛さんは褒めてくれた。


「いやぁもう少し行けると思ったんだけど「うん、知ってるよ」緊張したかな?前はそんなに緊張しなかったんだけど可愛さんだからかな……ってアレ?」


「わたしが居たから緊張したって…」


「可愛さんさっきなんて―」

 あーこれは僕の話聞いてくれそうにないかなぁ〜


「まぁいいや、可愛さん次はどこに行く?」


この様子を遠くから見てる3人組、風間・清水・川上である。


「さっきのやり取り可愛さんから」

 風間がゴクリと喉を鳴らしながら清水に振る


「あぁなんか真っ黒なオーラがって朱音ぇえええ!どうしたお前!産まれたての子鹿みてえにガタガタ震えて!!」


両胸を抱え込んで震える川上

「やばヒっあのオーラあの目っ昨日の変に刺さる視線の正体っ!あれはヤバひっ!」


 この流れで当然行きつく先は

「もしかしてよぉあの会話の内容と朱音の震えっぷりからするによぉ昨日尾けてたんじゃねぇの?可愛さん」


「そうだろうね、普通に清純な子だと思ってたんだけど」


「だよなぁ」

風間は普段女子に言い寄られてる関係で女の本性を見極める目はピカイチだその風間ですらついこの間まで可愛さくらの本質は清純だけだった筈だ


「まさか!」


「どうした清水くん」

「健二?」


「昨日のデートの下見の事を()()()()()()()()()()()()()()()!!」


「「いたら!?」」


「俺らはいや、学校の連中は可愛さくらを()()ってカテゴライズしていた。

だが、俺たちが可愛さんを見かけなかった空白の時間に『病み』という属性が()()()()()()()()()()!!」


「されていたら!」


「一馬の行動次第で俺たちに害が及ぶ!!」


「なんだって!!」


三人がゴゴゴゴゴゴみたいな効果音を出してる時には一馬と可愛さくらはカラオケに行っていた。


「カラオケかぁいやぁエロ漫画やAVの定番ステージのここに女子と来る日が来ようとは〜」


「一馬くんここカラオケだよ?なんでAV機器?」


「なんか世間一般だとカラオケでエロチックな事が起きるそうだよ」


「へぇ〜そうなんだね」

って平静を装ってるけど顔真っ赤だね。

良しっ調子戻ってきたぁ!!


「一馬くんは何を歌うの?」


「僕かい?僕ははねぇ◯スペラーズかな」


「一馬くん◯スペラーズ聴くの!!!」


「うん特に◯沢さんがリードボーカルを務めてるのが好きだね」


「私はリーダーがリードボーカルをやってるのかな」


「じゃあ入れようか」


その後2人以上のカラオケで人生初の◯スペラーズ縛りをした。


可愛さんは僕がラブソングを歌えばコーラスをやってくれてお返しに僕もコーラスをやったり満喫きた。


心の底から楽しくって、ホッとして、癒されて、ドキドキした。


男の人の曲なのに可愛さんが歌えばその横顔から視線が外せなかった。そして可愛さんの歌は僕を包むようでどこまでも心地よかった。


5時を周り夕方になる頃

「ご飯でも食べるかい?」


「うん、私お気に入りの店があるんだ」


「そこに行こうか」


レウンド・ワンから少し離れたお好み焼き屋へ来た。


「ここの焼きそばとお好み焼きが私好きなの、高い火力の鉄板でしっかり焼いたのが美味しくてね」


「確かに香ばしい香りがここまで漂ってくるね可愛さんの匂いが搔き消える程に」


「!!」


あっやべっなんか今の結構気持ち悪いこと言っちゃったわ、


隣を見ると可愛さんは顔を赤くして僕の手を引いて店に入っていった。


この様子を遠くで見ていた三人は、


「「「どうしてそうなる!!」」」


そしてお好み焼きのソースの香りが腹を空かせた三人の胃袋を刺激し続けるのだった。


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