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07 死に場所

「私も行くわよ。」

真剣な眼差しだった。

断っても真琴は行くだろう。

「行こっ!!」

医務室を出ると、

「これは…。」

目の前の空間は地獄絵図そのものだった。

赤色に地面は描かれている。

それを見るだけでも吐きそうだ。

その中に見覚えのある物があった。

それは雪の杖だった。


「本当だったんだね…。」

杖は既に折れていて使い物にはならなかった。

正直な所、実感が湧かなかったんだ。

「それでも最後まで戦ってくれたんだね。…ありがと。」

雪が頑張ってくれた事が伝わって来た気がする。

「そっちで少しの間待ってくれる?」

私は杖を校舎の廊下の隅に置いた。

「もうすぐ行くから。」

「待たせてごめん。」

私は杖に向かって言っても、雪は帰って来ない。

私が雪を見殺しにしたんだ。

だから責任は私が取ろうと思う。

「それより学校に傷一つ無かったんだけど…。」

刹那ちゃんに聞いてみた。

「確か常時、結界を張っているはずです。旧校舎にも張ってはありますが、」

「旧校舎の方はそうメンテナンスとかやってないと思います。」

手抜きで放置じゃん!

「あの魔女の魔法は空間ごと消し去るので、結界は無意味ですけどね。」

1回ぐらいは耐えてよ!!


「伏せなさいっ!!」

その言葉の直前に真上に黒い線が見えた。

「怖っ…!!」

「あんなものが当たったら命を持ってかれそうですね。」

黒い線が通った場所は空間か歪んでいた。

「魔女に殺された人間の魔力も吸収してるわね。」

「最初に出会った時より強いって事?」

「魔女自体はむしろ弱っているはずよ。」


「魔女の魔法は別だけどね。」

封印用に書かれた魔法陣まで誘導すれば、

どれだけ強くても魔女を封じ込めれる。

「だったら私が魔法陣まで誘導するよ。」

魔女の魔法自体は変わりはない。

でも魔力が上がってるとしたら私の複製魔法は意味がない。


それに私の複製魔法は劣化するだろうし。


「無茶だけはしないわよね?」

約束は出来ないと思う。

「分かってる。」

「もう一度だけ力を貸して。」


うさぎの耳が頭に生えるのが分かる。

遠くの音や声まで聞こえる。

「……何か生えてるわよ?」

「あれが動物との契約なんですね。」

「契約は簡単に見えて、すぐに出来る事じゃないわ。」

「デメリットの方が大きいから使う魔法使いは居ないのよ。」

「デメリットってどういうのがあるんですか?」


「いけぇ…!!」

飛ぶのは良い。

けど、重大な欠点を見落としていた。

それは飛んだ後は身動きが何も出来ない事だ。

「くっ…煉獄の炎っ!!」

炎を放っても軽く手で打ち消される。

地面に着地と同時にもう一度飛ぶ。

これを繰り返しながら誘導していく。


「雛先輩!!避けて下さいっ!!」


その瞬間、魔女がすぐ横にいた。

鋭い爪が腕を掠った。

少し反応が遅れたら腕ごと持ってかれていただろう。


「少し掠っただけで済んで良かったよ。刹那ちゃんありがとっ!!」

私が言っても聞こえてないようだった。

「雛先輩が何か叫んでますね。」

「やっぱり、うさぎと契約したから聴力と跳躍力が上がっているわね。」


「ッッ!!」

「あれが魔法陣か。」

目の前には巨大な魔法陣が湖のように広がっていた。

「案外、簡単だったね。」


既に魔女が魔法陣の中に入り、封印されている。

「この姿も長くは続かないし、そろそろ解こうかな…。」


私が契約魔法を解いた瞬間だった。

魔女の方から来た黒い光線が私に直撃した。

それをやり終えた魔女はニヤリと笑いながら、封印されていった。


「「ひ、雛っっっ!?」」

「雛先輩…。」

私は油断していた。





この日、私は死んだ。


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