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加純さんのお絵描き録  作者: 澳 加純 
2. X(旧ツイッター)でもイラスト上げてみようかと思います!
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加純さん、花言葉と補色を利用する。

 一昨年の初めに開催された「イセミュ」覚えていらっしゃいます?

 長岡更紗様主催「イセコイ冒頭ミュージアム」企画。


 参加しました、詠み専で!


 だって、イセコイの名手がこぞって参加した企画でしたからね。お勉強、お勉強。

 イセコイは全く自信のない加純さんですから。

(一応連載中のイセコイ物語もあるのですが、もはや痛快活劇と陰謀の話と成り果てているもん!)

 ま、それはこっちに置いといて。


 感謝の気持ちも込めて、そちらに参加された方で希望者にイラストを贈呈しますという企画を立てました。遅筆で遅いという前文句にもかかわらず、たくさんの方に応募をいただきまして、誠にありがとうございました。

 問題は、そのうたい文句のとおりになっちゃったことですよね。はい。


 何とか2枚まではお渡しが完了していたのですが、



   挿絵(By みてみん)



 黒星★チーコ様「美貌の宰相様が探し求める女性は元気いっぱいの野太い声の持ち主らしい……それ私かもしれない」よりサミュエル・ドーム公爵閣下。



   挿絵(By みてみん)



 風音紫杏様「人形王の婚姻」より、ナサーラ王レックス。




 最後の1枚なななん樣へのイラストがいつまでたっても仕上がらず……で。

 なななん様が「待ちますよ」とお優しい言葉をくださったのをいいことに、ズルズルと納期を延ばしまくって。

「ヒロインをわたしの思うとおりに描いて欲しい」と云う、特別難しい注文でもなかったのですが、これがなぜかうまくイメージがまとまらなかった。



 描かせていただいたのは「22. 人嫌いの王子妃になりましたが、わたし、しあわせです。」の主人公シャルテ。

 なん様らしい、穏やかで芯の強いヒロイン。やさしくはかなげな外見に似合わず、どんな困難も乗り越えていけそうな逞しさも実はちゃーんと持ち合わせていそうな気もしました。

 ただね。冒頭だけのお話なので、この先起こるであろうトラブルにシャルテがどう動くか考えるのか掴み切れず(←わたしが悪いのよ)、最初に受けた印象だけで膨らませていったのですが、どんなふうに個性を出せばいいのか、自分のイメージ出会っているのかとか悩んでいるうちに思考の迷路にはまり込んでしまいました。

 こうなると、なにをどう描いても「……違うわ」なことになってしまいまして。


 とにかく青い花を描こう――と思っていました。ネモフィラ。

 これだけは最初から決まっていたのです。



   挿絵(By みてみん)



 ただネモフィラだけだと草原を描く(草原いっぱいに広がるネモフィラ畑設定)か、籠いっぱいに摘んだネモフィラの花とか、ネモフィラの花自体が小さいので、どうにも間が持たない。ネモフィラの花自体は、かわいいし、シャルテのイメージに合っていると思うのだけれど。



 このイラストを描いているとき、実はもう2枚、ほぼ同時進行で描いていたイラストがありました。

 1枚は、前回紹介した「蛇使い」のイラスト。25日に投稿しなければならないので、必死ですよ。さらに脳内ではこの後書く予定の海堂直也様の「次女侍女ちゃん」とか「スイートピー」とかまでぼんやり考えていたのだから、もっと複雑なことになっていたのね。

 なにやってんだって? だって、そうでもしないと間に合わないのですもの!


 話を戻します。同時進行で制作していたのは、瑞月風花様のレモン姫。

 げんら様主催の企画で描かせていただいた、ロリータファッションのレモン姫です。



   挿絵(By みてみん)



 こちらが全身像なので、シャルテはアップの方にしたいという、わたしの都合。

 なんとな~くふたつの作品が連動しているの、わかるでしょ? 雰囲気が似ている。レモン姫はシャルテに引っ張られ、シャルテはレモン姫に影響されている。

 つくづく「蛇使いのおじいちゃん」の影響を受けなくてよかったよ。ホッ。



 それはさておき。

 シャルテの構図をどうしましょう? 問題は、ここだ!


 ちょうどその頃、2月のアイコン用の花の絵も描いていて(あれ、もう1枚同時進行の制作作品が増えたぞ!?)、素材で面白い円環を見つけたのですよね。少しアールヌーボー風。ミュシャのポスターの女性像の後ろにありそうなフレーム。



   挿絵(By みてみん)



 これを流用できないかしら? 

 この円環の中から覗いているような感じにすれば、上半身というかバストアップでも大丈夫そうだよね。そして、ネモフィラの花を風に散らそう。

 あ、問題解決じゃん!!



   挿絵(By みてみん)



 ラフ画と線画、髪型が風になびくように、おさげからハーフアップに。ネモフィラの花びらを散らすのだから、髪もなびいていた方が自然ですものね。

 ある程度彩色してからおくれ毛を追加して、完成画ではもう少し髪のボリュームを増やしています。

 円環で隠れるから、腕はカット。お手々は花を持つ指先だけにする。


 彼女のお口元を隠すのは、ネモフィラの花ではなく、白いラナンキュラス。花言葉は「純潔」。なん様のところのヒロインは、この言葉が似合うのよ(個人の意見です)。

 もうひとつはフランネルフラワー。「誠実」、「清楚」、「高潔」、「いつも愛して」。やはりピュアなイメージの花です。信頼関係を築きたいときとか、純粋な気持ちを伝えたいときなどに送られることが多いとか。

 物語の冒頭でシャルテがとんでもないことを言い出すし、白い結婚の理由がアレなので(自主規制)、なん様のイセコイだからこの先はこんな展開になる予定なのかなぁ~と、勝手に想像して描き込みました。(←違っていたら、とんでもないことだ!)


 シャルテは植物が好きだという設定でしたから、緑色多め。アクセントで、リボンだけピンク色にしてあります。ネモフィラの花の青とも反対色(ホントは黄~オレンジ色よ)の隣の関係にあるので、補色になりますよね。



   挿絵(By みてみん)



 これは色環図の反対色を選ぶと相性がいい(補色)と云う法則。緑色の反対色は赤紫色なのですが、ピンクは類似色になるのでOK。っていうか、緑色だったらほぼ何色でも大丈夫です。ほら、いろいろな色の花がありますが葉や茎は緑色でしょ。どの色の花でも引き立ててくれるでしょ。

 やっぱり緑色は懐が深いのですよ。(個人の意見です)


 そんなこんなで、ようやく、ようやく描き上げることが出来ました。



   挿絵(By みてみん)



 なん様、お待たせ~~!!

 大切なキャラを、ありがとうございましたぁぁ。




 ****





 突然の訃報。

 声も出ませんでした。


 知らせを受け取る2日ほど前に、ふとお名前が脳裏に浮かんだので「久しぶりに活動報告でも上がるのかしら」なんてのん気なことを考えていたくらいでしたから。

 たまにあるのです、虫の知らせというか、フッと名前が浮かぶこと。何の脈絡もなく浮かぶので訳もわからず「あれ?」と思っていると、その人から何らかのアプローチがあったりすること。

 まさか悲しいお知らせだとは思ってもみなかった。


 折り悪く春先の不調でメンタル撃沈中、体調も優れない時だったのでショックが大きく響きました。しばらく気持ちがもやもや~としていましたが、【バレンタインの恋物語企画】にも参加して、その後気持ちを整理するために下手っくそな詩と短歌も贈らせていただきました。



   挿絵(By みてみん)



 リアルでお会いしたことはないので、作品や活動報告の様子からイメージして。


「え~、こんななのぉ」


 と、あちらで笑ってくださっていると良いのですが。


 そうだ、以前お贈りしたファンアート。かなり挑戦的で大胆な絵でしたが、喜んで受け取ってくださいました。嬉しかったなぁ。



   挿絵(By みてみん)



 香月なるみ名義で発表された「リレー詩集【季節の花を編んで絆に】」より、秋明菊の詩イメージイラスト。

 「だ~れだ! 企画」でも、鋭く特徴を突いて、加純さんの塗り絵を当ててくださいましたっけ。ありがとうございました。

 ご冥福をお祈りしています。





 ****





 ごぼうかえる様主催「#新12ヶ月の小品集2025」

 2月のお題は「こたつとネコ」でした。


 色々と撃沈していたので、なかなかプランがまとまらず――で。



   挿絵(By みてみん)



 こちらはこたつの中から窓の外に降る雪を眺める猫ちゃん。

「寒いと思ったら……」とかつぶやいて、また暖かいこたつの中に潜り込みそうな雰囲気で。


 もう1枚。

 こちらはもっとポップな感じに仕立ててみました。最初に浮かんだのはこちらの構図だったのですが、発表の場がSNSで、スマホで観るには肝心のネコが小さくて分かりづらいのではないかと思ったのですよね。



   挿絵(By みてみん)



 クロちゃんとシロちゃんが仲良く並んでこたつから顔を出す、というバージョン。

 かえる様から「絵葉書にしたらいいかも」のお言葉をいただきました。マグカップの側面にあっても、暖かそうでよさそうですね。





 ということで。今回はここまで。


 次回は3月。

 お祝いカードやファンアートでもスイーツをたくさん描いていました。 

 あと毎度のことながら、春先スランプで自キャラが描けない病が発病して主催者様を困らせた話……。うわ~ん、ごめんなさい~~!




 作品は(なんとか)無事仕上がっていますので、その顛末話をお楽しみにしていてくださると、加純さんはうれしいです(お辞儀)。



ご来訪、ありがとうございます。


3月は春を意識した作品が並びます。

「すぷりんぐ はず かむ」ですからね。

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