加純さん、がんばってテンションを底上げする。
風音紫杏様「人形王の婚姻」のナサーラ王レックス登場です。
ふと気が付いたら、10月よ!
今年も酷暑に殺されそうになっていましたが、このエッセイ前回の更新が5月で、ほぼ半年エタっていたことになります。なにもしていなかった訳でもありませんし、描いていなかった訳でもない(むしろ企画とか積極的に参加していたよ!)のですが、夏を越すのに必死だったのは確かです。
在庫がたくさんあるので、今回は前書きは短めに。
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前回の続き、3月(←おい!)に描いたイラストからお話を始めます。
すみません、季節が半年ズレていますがお付き合いくださいませ。
天界音楽様主催「#12か月の小品集」3月のお題は「ひなまつり」でした。
桃の花に包まれたお内裏様とお雛様。華やかに、愛らしく。
珍しく王道の絵柄ですね。っていうか装束を描きたかっただけで。着物描きたい病がっ。
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この頃、軽~くスランプに陥っていました。
リアルの方で持ち上がった問題をもやもや考えているうちに、どうやって絵を描いていいのかわからなくなっちゃったのよね。
長岡更紗様主催の「イセコイ冒頭ミュージアム #イセミュ」の全感想を書き終えて「イラスト描きます」企画で抽選の当選者様2名様のイラストを描かねばいけなかったのですが、なにか気持ちがピタッと嚙み合っていなかった。
なにがどう、といわれると上手く説明ができないのですが、描いてもわたしが描きたいと思うものにならなくて。
仕方がないので、他のキャラを描いてテンションを上げることにしました。描いていればなんとかなるかなぁ~という、実に安直な考えですけれど。
まず、「テスクリ」からアダムとディーのコンビ。
中途半端な構図が、いかにも絶不調を現わしていますね。
自分でもよ~くわかっています。
そこでもう少しウォーミングアップを続けようとファイルを漁っていたら、描きかけの絵が出てきました。
同じく「テスクリ」のマオ。
一昨年のクリスマスの頃、なろう絵師様方の間で、塗り絵が大流行していた時期がありましたよね。多分あの頃描いたであろう線画が残っていたのですわ。今更「どなたか塗り絵しませんか?」とも言えないし。
ちょうどいいや、これを塗ってみようと思いました。
色で誤魔化していない分だけ、中途半端がよくわかる線画です。(ため息)
ここに色を入れたもの。
さすがに「中途半端な線画、このままじゃいかん!」と思いまして、猫を抱いたポーズに変えてあります。迷いながら彩色していたので、髪の毛をどう塗っていいのか途中でわからなくなってしまい、ぐるぐる悩んでいた記憶が。
髪の毛塗るの難しい……。
どーしてもコピック塗りの癖が抜けなくて。そこから抜け出すにはどうしたらいいのかと、ずっーーと迷走していましたっけ。こんなことならコピックで塗ればよかったと半泣きで画面とにらめっこすること数日。ようやくここまでこぎつけたのよ。努力だけは認めて。
背景は桜。彼は(訳あって)桜と縁が深いので。季節も春だったし。
なぜ着物かって? 決まっているではありませんか。装束を描いたら、当然着流し(羽織や袴を着用しないラフスタイル)も描きたいでしょ。ね!
でね。昼間の桜を描いたので、今度は夜桜も描きたくなりませんか――と4月のXのアイコン用に描いた夜桜。
照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の 朧月夜にしくものぞなき (大江千里)
現代風に訳すれば、「天気的にははっきりしないけど、春の朧月夜ってサイコー!」ってところでしょうか。大江千里(ここは「おおえのちさと」ですよ。「おおえせんり」ではありません)が詠んだ和歌ですが、白楽天の漢詩「不明不暗朧朧月」を、「朧月夜がイチバン!」と言い切った感が半端ないというか。
なんといってもこの和歌を有名にしたのは源氏物語。「花宴」の巻で朧月夜がこの歌を、しかも第五句を「似るものぞなき」とアレンジして口ずさみながら印象的に登場するの。
あ、ごめんなさい。脱線が長くなりました。
ここまでピンクや薄紫(←色の話よ!)が続いたので、目先を変えたくなっちゃった。
春ですから、チューリップも描きたいの。
ガラッとムードを変えて、シックな雰囲気に。不調だと花の絵を描きたくなる加純さんでした。
メンタルのリハビリに花の絵はいいですよ。
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花の絵を、もうひとつ。
こちらはファンアートとしてお贈りしたもの(←要するに、いつものFAテロです)。タイミングよくというか、虹色冒険書様が黒薔薇の絵を描いていらっしゃったので便乗しました。
このお花が重要アイテムになる作品「BLACK ROSE RAPUNZEL 」。
現存する黒薔薇は、有名なところでは「ブラックバカラ」とか「黒真珠」とか。
でも、自然界に真っ黒なばらは存在しないのです。黒みを帯びた赤や紫のばら、くらいなのですね。白ばらに数種類の染料インクを吸わせて、人工的に黒ばらを作ることもできるそうですが、やはり漂うソレジャナイ感は否めません。
以前トルコで天然の黒ばら発見というニュースがありましたが、あれフェイクだったんですって~~!!
もうがっかり。泣くよぉぉ。
自然界では(――と言っても品種改良で作られた品種だけど)ゆっくりと花が熟成する秋に黒味を増していくのですが、なんでも花びらを構成する細胞の並び方の密度と高さが関係しているようで、そこに当たる光の加減で黒味を帯びて見えるのだとか。詳しくは知らないけれど。
でもエルマの黒ばらは、きっとベルベットみたいな艶のある漆黒の黒ばらであろうと勝手に想像して、こんな風に色を付けてみました。
虹色冒険書様、ありがとうございました。
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ここまで描き散らして、ようやく「イセミュ」の依頼に手を付けることができました。
仕込みが長すぎる……。
あ、待って。引かないで。ここからなのよ。
風音紫杏様「人形王の婚姻」から、ご依頼があったのはナサーラ王レックス。
――というより、冒頭でセクシーインパクト爆発させていたあの方、と言った方が通りが良いかもしれません。テンプレもいただいたのですが、あの冒頭シーンの印象が強くて。
で、最初に浮かんだイメージはこんな感じでして、これはもうセクシー路線でいくしかないでしょう、となりました。
でもさ、加純さんはがっしり筋肉を描くの苦手なのよね。細マッチョなら、なんとか誤魔化せる(←??)のだけど。
そこで筋肉系の雑誌を買ってレックス王のイメージに合いそうなマッチョさんを見つけ、BLのイラストを観てどう描けば色っぽくなるのかなぁとか。色っぽいマッチョ系美肉体を描くなら、お手本はBLですね!(※個人の意見です)
わたしなりに研究したのです。これでも!
そう、そのためにマオにデジタル塗りの練習台になってもらったのさ!
いつもよりはえっち度上がったセクシーになっているよね? ね?
絵とは全く関係ないのですが、加純さんには「はじめましての法則」というのがあるのです。企画でお相手様を抽選で選出するとなると、なぜか「はじめまして」の方に当たる。
「イラスト交換企画」の際、この法則が働きまくりまして、たくさんのご縁をいただきました。
今回の抽選でも、この法則が有効に働きましたね。どこまで続くか、この法則。
はじめましての方、もしイラストを希望する方がおいでならば企画が狙い目ですよ。その代わり、めちゃ時間はかかるのは覚悟しておいてください。
お話を戻します。
最初に浮かんだイメージ画に色を付けてみました。
あっさり水彩ラフ画風に仕上げたつもりだったのですが、レックス王の凄みがグレードアップしたのはなぜでしょう?
紫杏様、ありがとうございました。
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レックス王を描いている途中から、無性に桜餅を食べたくなったのです。
紫杏様に迷惑がかかるから断言しておきますが、レックス王と桜餅には共通点も関係性もありません。ないのですよ。
大事なところです、もう一回。
ありません、からね。
理由は、たぶん、ある方がわたしを「桜餅を食べているイメージ」だとおっしゃったから。
はい。大好物なの、桜餅。道明寺も長命寺も、どっちも好きよ。
ああ、食べたくなっちゃった。
ところがそういう時に限って、なんやかんやで食べられない。お店に行っても、売り切れだったりするのね。
仕方がないから描いちゃいました。
メンタルのリハビリには、スイーツの絵もいいですね。
お花見にお菓子。というところで、最後にもうひとつ。
お花見の絵です。
天界音楽様主催「#12ヶ月の小品集」4月のお題、「お花見」。
この企画、毎月25日にX(旧ツイッター)に投稿するルールなので、季節先取りで藤と菖蒲の花見にしてみました。(公開日は4月25日)
そうそう。
なぜに寝殿造りなのかといえば、毎週欠かさず大河ドラマ観ているので。あの頃確か枕草子の「香炉峰の雪」のエピを再現していて、雪見ではなくとも「簾を掲げて」みたくなったのでした。
ただ、この絵色々失敗したのよね。
締め切り間際、時間が無く慌てて描いたこともあり、資料集めの時間が無かった。パースが酷いのはいつものことですが、諸々雑になってしまいました。
それが、もう心残りで。
資料を集め直していつか描きなおしたいと思っています。
いつか。うん、いつか!
それでは、また。
ご来訪ありがとうございます♪
今回は目に麗しいイケメンとお花と和スイーツというラインナップとなりました。
季節がズレまくっているのが申し訳ないのですが。
次回は「ナナメ上」を目指すアイディア勝負のイラストを集めてみます。
どうぞお楽しみに!