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加純さんのお絵描き録  作者: 澳 加純 
1. ツイッターにイラスト上げてみようかと思います!?
53/94

53. 加純さん、グレーを選択する。

ご無沙汰しております。

約3ヶ月分を一気に詰め込んだので、今回は長めです。その代わりイラストもいっぱいよ!




 気が付いたら、3月ですわ!


 例のごとく、「春の絶ッ不調!!」開催中。意欲低下に倦怠感。自律神経がくたくた、です。

 なにかしたくても、気力と体力が追いつかないの。



    挿絵(By みてみん)

(ツイッターの企画で。一番人気はマオでした。投票してくださった皆様、ありがとうございました)



 前回が「第三回イラスト交換企画」のお話――って、これ去年のことですから3ヶ月ものらりくらりとしていたみたい……っと、まぁ、確かにしていましたが、一方では表面下でそれでもいろいろやっておりました。


 やらなくなると、ホントになにも出来なくなってしまうので。


 老骨老眼に鞭打ってでも、なにかしませんと。ヤバい。


 このままお墓に直行では未練が……。


 あの世から舞い戻り、娘か息子の身体を借り(乗っ取っ)て作品の続きを描く(書く)。その方が体力面においては格段に効率が上がるとは思いますが、子供たちが母の道楽――もとい執念に付き合ってくれるかどうか。

 無理矢理つき合わせるという手段()もあるけど、そうしたらゴシックホラーの世界に突入ね。(←ホントにやる気でしょ! と怒られた)


 ――とりあえず、で。

 以前から参加している企画への作品提出とたまにFAテロ。そしてリクエストの多かった『テスとクリスタ』へのイラスト追加作業を決行することにしたのです。



 天界音楽様主催「#12ヶ月の小品集2022」 1月のお題「初」


   挿絵(By みてみん)

「ドッキドキの初デート 手を繋ぐのも……」 デジタル作画 





   * * * *




 頂き物のご紹介です。



 志茂塚 ゆり様からの頂き物、『テスとクリスタ』のテス。

 大胆な色使いと鮮やかさ、健康的で弾けそうな笑顔がまぶしいです。


   挿絵(By みてみん)


 志茂塚様、ありがとうございました。





 腹田 貝様よりクリスタをいただきました。

 ボクササイズ姿のクリスタ。少年ぽい表情が、勇ましくて素敵ですね。



   挿絵(By みてみん)



 素顔のクリスタ、という飾らない雰囲気がカッコいい!!

 実はもう1枚いただいておりまして、


   挿絵(By みてみん)



 こちらはライティングを抑えたバージョン。どちらも良きです!

 腹田様、ありがとうございました。





   * * * *





 さてさて。

 これまでに「テスクリ」の本編を読んでくださっているというありがた~いユーザー様はご存じのことと思いますが、あのお話前半の「14. 世界で一番難しいなぞなぞ」あたりまで、連載時はほとんど挿し絵がありませんでした。

 その後、企画や割烹で使ったイラストや、いただいたFAなどを挿入して少しずつ増やしていたのですが、それでも章によっては全く無いところもあり、挿し絵を付けて欲しいというリクエストを受けていたのです。


 あと、登場人物紹介ページ。なにせ出演キャラが多いので。



   挿絵(By みてみん)

      「アイザック」  デジタル作画

(アイザックはラフコリー犬です。ラフコリー犬なの。見えなくてもラフコリー犬なんですよ!)




 連載当初は「わたし、お絵描きできます!」とカミングアウトしていなかったし、イラスト添付の仕方もわからなかった(←第一「みてみん」の存在を知らなかった!)ので、よもやそんなことができようとは露とも考えていませんでした。


 あちらこちらの作品にお邪魔している内に()()()()を知ったのですが、機械オンチにはいろいろとハードルが高かったの!


 だから、がんばって文章を書いていたんですけどね。っていうか、あの頃は長ぁ~~~~いブランク明け後で、絵が描ける状態ではなかったのが最大のネックで。


 なにを描いてもカタチにならない。

 っていうか。絵の描き方忘れちゃいました、みたいな。ホントに。そのくらい長かったのよ、ブランクが。



   挿絵(By みてみん)

        「リック・オレイン」  つけペン作画 デジタル加工



 もう絵は描けなくなっちゃったんだろう、とも考えていました。


 だから挿し絵を付けるなんて、夢のまた夢。



   挿絵(By みてみん)

       「美味しいディナーはいかが?」  デジタル作画




 ――だったのに。


 ……ですよ。


 現在は自作品の挿し絵のみならず、FAテロと称してあちこちにファンアートを送りつけているのですから、人生わからないものです。





   * * * *





 暮伊豆様の作品、「精霊の歌 〜追放された侯爵令嬢と奴隷上がりの戦士〜」より、ヒロインのイザベル・ゼマティス。

 久々にオールハンド制作です。デジタル作画が続いたので、少しストレスがたまりまして。

 やっぱりアナログは楽しいですよぉぉ。


   挿絵(By みてみん)

     「イザベル・ゼマティス」  丸ペン 墨汁



 彼女は強い意思と並外れた行動力と強い魔力を持った魅力的な少女。本編ではも少しクールなイメージなのですが、14歳という若さが持つ輝きというか、はつらつさも勝手に加えちゃいました。てへ。

 暮伊豆様、ありがとうございました。





 もうひとつ、ちはやれいめい様の作品、「とべない天狗とひなの旅」から。雀の妖怪、袂雀のまるちゃん。

 ちはや師匠に贈ったものは書籍発売のお祝いメッセージ入りですが、こちらは文字なしver.で。

 食いしん坊で騒がしいまるちゃん。旅の一行のムードメーカーです。


   挿絵(By みてみん)

     「まるちゃん」  ミリペン、色鉛筆



 まるちゃんの言動を考えると、ど~してもどや顔になっちゃうんです。

 雀に表情をつけられるのか? とか思案する間もなく、描いたらしっかりどや顔になっていました。まるちゃん、すごっ!

 ポーズも「どや!」。


 師匠、ありがとうございました。





   * * * *





 話戻って。


 ――その後。

 このお絵描きエッセイを始めて、心優しいなろう民の皆様がわたしの絵を面白がってくださるということを知り、「わたしも挿し絵なるものを描いてみようか」と某日記の作者みたいなことを思い立ちました。



   挿絵(By みてみん)

     「アダム&ディー」 つけペン デジタル作画

(ほとんどいかさま師にしか見えないふたり……)



 そうは申しましても、あちら様は三十六歌仙にも選ばれている平安初期の(出世は出来なかったけど)偉大な歌人です。その上「おとこの娘」の先駆者みたいな仮名文字オタ(←怒られるぞ!)で、その後の女流文学の「〇〇日記」シリーズやエッセイ・物語に多大な影響を与えた(かもしれない)お方です。

 肩を並べるなどおこがましいこと(←絶対怒られる!)ではありますが、そこは寛大なお目こぼしをいただくことにして、とにかく「挿し絵なるもの」を描いてみたのでした。


 不評だったら削除すれば良いのです。


 その決心が物語が後半に突入するあたりで、その後は毎回挿し絵も付けるという暴挙に走ったんですけど、ね。

 結構大変だったのですよ。


 ほら、加純さんは遅筆なので!


 描くのは楽しいのですけど。筆は、自慢できるほど鈍い。


 一度にあれもこれもと制作できる方、ホントに尊敬します!



   挿絵(By みてみん)

     「マリア・エルチェシカ」  デジタル作画



 まあ、体力が無いのはわかっていることですから。

 無いなら無いなりに。行く先がアステロイドベルトだろうと木星までであろうとも、コツコツ進めるしか無いですよね。(※『テスとクリスタ』の舞台はアステロイドベルトにある架空の人工改造惑星なのです)



   挿絵(By みてみん)

     「ちぐはぐな会話と星のダンス」 デジタル作画





 ところで。お気づきでしょうか? 

 ちょっとだけ、トーンの仕様を変えました。



   挿絵(By みてみん)

     「ウィテカーとの出会い」 デジタル作画

(余談なのですが、ウィテカーは「中年男性だけど年齢より若く見える」という設定なので描くのが難しかった!)





 唐突ではありますが。わたし、トーン貼りが好きなのです。


 ああ、そうでした。先ずスクリーントーンというものを説明しなければなりませんね。「当然知っているよ」という方はなにを今更でございましょうが、まあここはお付き合いくださいませ。


 スクリーントーンとは模様が印刷された粘着フィルムです。使用する際は、フィルムを台紙から剥がして模様の欲しい部分に貼り付け、型どおりにナイフで切り取って使用します。


 例えば、以前紹介したこのイラスト。帽子や顔にかかる影の部分、テスの衣裳、背景にトーンを使用しています。



   挿絵(By みてみん)

     「tess 32」 つけペン、スクリーントーン使用



 このようにスクリーントーンを使用すると、アナログ画でも中間色や背景や衣服の柄等の表現方法が増えて、絵に深みが出てくるのですよ。

 それは、もう。魔法のようなアイテムです。


 ただし、この魔法を使うのにも練習が必要なの。フィルムをナイフで型どおりに切り抜かなければならないので、ぶきっちょさんにはちょっと難儀な作業なのですわ。



   挿絵(By みてみん)

      スクリーントーンとデザインナイフ



 かく言うわたしも、以前は苦手でした。カッターナイフだと、なかなか思うようにフィルムが裁断できなくて。それでも頑張ってやっていましたけど、曲線とか「超ムズい!!」。


 ところが、ある日。娘が「使わなくなったから、これあげるね」とデザインナイフを寄越したのです。

 なんのことはなし、不要品の始末をわたしに押し付けただけなのですが、そこはありがたくいただいておく(わたし)

 タダで新しいアイテムのお試しが出来るのですもの。ありがたいことです。


 娘が言うには「百均で買ったものだから、切れ味は期待しない方がいい」とのことでしたが。

 なんということでしょう。

 それまでカッターナイフで四苦八苦していた加純さんでしたが、そのデザインナイフを使用すると、スクリーントーンもするすると切り取ることが出来るではありませんか! 


 目からウロコ。

 なに? この切れ味の良さは!


 なにがいいって、小回りが効くんです。しかもフットワークが軽い。手に馴染む。(※注 個人の感想です)

 それもそのはず、プラモデルや切り絵、クラフトワーク等の細かい作業用のナイフだったんですね。


 そういう超便利なものがあるのなら、なぜもっと早く教えてくれなかったのだ! と思いつつも、これがあればトーン削りも楽しく出来るじゃない! と感謝し、速攻あれやこれやと試作を始めたのは言うまでもありません。(←その後、味を占めた加純さんは文具店でもう少しランクのいいものを買い直しました。さらに切れ味も良くなり満足度も上昇よ!)


 たかがナイフ一本で? とお思いでしょうが、楽しいんだな。これが。

 アイテムひとつで作品の出来が変わるというのも、アナログ制作の面白さなの。



   挿絵(By みてみん)

     「マリアの目」  デジタル作画



 ところが。

 それほど楽しいトーン貼りだったのですが、それが辛くなっちゃった。


 原因は、めまい。


 老眼も苦しいのですが、それは拡大鏡メガネの使用で乗り切りました。ところが、このめまいだけはどうにもならない。

 目を開けていられないのですよ。


 網点だとかノイズ柄だとか、柄が細かくなる程にトーンを直視出来ない。当然、ナイフを持って細かい作業は出来ません。うっかり指を切っちゃったら原稿を汚しちゃいます。(←そっち!?)

 第一、切り取りに失敗したらやり直しですよ。トーン、お高価(たか)いのに……。



 天界音楽様主催「12ヶ月の小品集2022」2月のお題「バレンタイン」。

   挿絵(By みてみん)

     「Doki Doki バレンタイン」  デジタル作画



 そこで、もっと簡単に貼れる手段がないかとグー〇ル先生に尋ねたら、アナログ原稿でも、トーンだけデジタルで処理すること出来るということをみつけました。

 これならナイフを使わなくてもすみますし、削ってもゴミも出ないし、間違えてもやり直しカンタン。コストも抑えられる。

 ここは利用しない手はありませんよね?


 〇ーグル先生にさらなる教えを請い、やり方を伝授して頂きました。そして実践。



 ところが、しばらくして、とんでもない問題にぶち当たりました。



 モアレがぁぁ。


 モアレというのは干渉縞ともいい、規則正しく並んだ模様(トーン)を重ね貼りしたとき、模様同士が互いを干渉して、こちらが意図していない柄を創り出してしまうことがあるのです。

 特に網点トーンが酷かった。フィルムのトーンを貼っても、デジタル処理しても、出るときは出るのよ!!



 意図的にモアレを作るときもあります。

 こちらの絵、ヴェールの重なった部分に、意図的にモアレを出しています。



   挿絵(By みてみん)



 ですが、こちらの絵。背景の壁部分、うっすら模様が入っているでしょう。これ、モアレなのです。



   挿絵(By みてみん)



 かなり神経質になってモアレ駆除をしてある絵なので、わかりにくいのはご勘弁を。もっとわかりやすい画像(もの)は、モアレ出現のショックに絶えきれず破棄しちゃったのさぁ~。

 まさか、エッセイで使う日が来るとは思いもよらず……ですわ。



 この絵のように、モアレが入っちゃっても誤魔化せる部分なら目をつぶりますが、コワイのは入って欲しくないところに出現してしまう場合。


 例えば、キャラの顔。加純さんの場合、クリスタの肌色に網点トーンを使うので、ここにモアレが出てしまうのが一番困るのです。

 だって、美女の顔だよ。絶対に美しく描きたいではありませんか! そこにモアレはいただけませんよ。


 でもね、原画にはモアレはないの。意図的に作った箇所以外は、原画にはモアレはないのです。


 なのに。


「みてみん」等サイトにイラストをアップするにはサイズ規定があって、そこに合わせるために原画のサイズを縮小しなければならない。したらばと縮小を掛けると、あら不思議、そこに意図なしモアレが出現していたりするのですねー。

 つまり、蓋を開けてみるまで結果がわからない状態。(※場合による)


 も~、出会い頭にモアレさんにご対面した時のザンネン感ったらありません。数時間掛けて仕上げた原稿が、一瞬にして灰になってしまったような消失感。足下から崩れそうになります。

 なんでも拡大・縮小をすることで網点の角度が変わるので、そのズレがモアレを引き起こす原因らしいです。





 あれこれ錯誤を繰り返して、これまではなんとかしのいできましたが、めまいに負けました。モアレを見ていると、めまいが増幅するんですもの。



(――降参!!)



 そこで特に酷いモアレを引き起こす網点トーンをグレースケールに変更することにしました。これならも縮小をしても、モアレが出ません。



   挿絵(By みてみん)



 クリスタの顔に模様が出ないかと、ハラハラすることから解放されます。精神的負担を減らさないと治るものも治りません(←めまいの方ね)し、原稿も直せません。

 わたしはスクリーントーンの方が画面に与えるインパクトは強いと思うのですが、グレースケールは少しマイルドな印象になって、また違った味があると思います。

 いかがでしょう?



 でもね~、まだスクリーントーンの方が模様の種類がたくさんあって、チョイスする楽しみがあるのですよ。

 だからマンガとかモノクロ画でどうしても使いたいスクリーントーンがある場合は、網点トーンや代用できる素材を貼れる箇所を除いてトーン貼りまでアナログで、仕上げだけデジタル処理という手法を採ることにしました。



   挿絵(By みてみん)

      「和やかな食事会」  

 線画は丸ペン、スーツやネクタイなどの衣裳の柄はスクリーントーン、肌色や影などの中間色はクレースケール仕上げ。



 ウェブで作品を発表できるのはとてもありがたいことなのですが、お道具が変わればやり方も変わる。使う側も、それなりに対応していかないといけないようです。



   挿絵(By みてみん)

      「Christa 24」 デジタル作画 



 でも、アナログ制作も止めないよん!!




   挿絵(By みてみん)

    「アドニス」  コピックライナー(コバルト) コピック (枠は素材)








 おまけ


 暮伊豆様「#いいねをした人をイメージして小説の書き出し一文」から。


   挿絵(By みてみん)

     コピック コピックライナー(さくら)(背景のみデジタル作画)



(ご質問がありましたので、補足説明です) 

 JKちゃんは、コピックライナーの桜色ピンク0.3ミリで線画を描き、コピックのRV系で着色しています。

 当初別の背景を描いたのですが、思い立って描き直すことに。

 オールで描き直しても良かったのですが、そうすると落書きぽいラフ感がなくなってしまう。でもこの絵の面白さは()()ですから、それは……ですよね。(どんなに同じように描いても微妙な違いが出てきますものね、アナログ画って)

 ので、JKちゃんだけ残して背景をデジタルの魔法で消したのち、スプレーで5~6色吹き付けてふんわり感アップ。耽美な雰囲気を盛り上げてみました。

「テスクリ」の挿し絵はまだ増幅中。

本編の方にもお越しいただけたら幸いです。


『テスとクリスタ ~あたしの秘密とアナタの事情~』

   https://ncode.syosetu.com/n5837di/



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― 新着の感想 ―
[一言] トーン、うちにも昔のがたくさん残ってますが(捨てられない)もうトーンを「貼る」という言葉が伝わらなくなってきたりしてるのですよね(。´Д⊂) トーンナイフ、私も憧れだったな(笑) この時期…
[良い点] 読み応えたっぷり!! とても興味深く読ませていただきました〜ヽ(=´▽`=)ノ
[良い点] 雀さんの可愛さー! ラフコリー犬も素敵!と思ってました。 動物の足、なぜそんな自然に描けるのですかー?! 挿絵のモノクロイラストはデジタルなんですね。 ラノベの挿絵らしいタッチが好きです…
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