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加純さんのお絵描き録  作者: 澳 加純 
1. ツイッターにイラスト上げてみようかと思います!?
51/94

51. 加純さん、新たな試みに挑戦したいと思う。(第三回イラスト交換会のお話 ③)

第三回イラスト交換会のお話、続きです。

担当した作品は、

 

   家畜の意思 「愛玩用と呼ばないで」   /  腹田 貝 様

      https://ncode.syosetu.com/n5450dn/

 あけましておめでとうございます。

 2022年、今年もよろしくお願い申し上げます。



   挿絵(By みてみん)

      2022年 寅



 加純さん、虎も描けます。モデル丸写しですが、描けるようになりました。

 謹賀新年……と云うより、山月記ってタイトルが入りそうなお年賀イラストです。


 今年も精進して、たくさんイラストを描けるといいな。




   ****




 まずは頂き物のご紹介。


 ツイッターで「黒髪、金目」のキャラを捜していらした一条かむ様に、「黒髪、琥珀色」でもいい? とお願いして描いていただきました。

 『テスとクリスタ』の鷹栖マオ、です。



   挿絵(By みてみん)



 流れる黒髪と背中軽くお尻にかけてのラインがとってもセクシー。でも、ただ甘くないのは左手の緊張感が、観る者の目をはっとさせるからでしょうか。

 かむ様、ありがとうございました。





 天界音楽様からの頂き物はテス。



   挿絵(By みてみん)



 凝った構図でしょう。鏡に映ったテスは、いつもと違った髪型。デートにでも行くのかな? (←相手は誰だ!?)

 淡い瞳の色と小さなピンクの唇が、とってもかわいい。溶けて消えちゃいそうな雰囲気が、いかにもテスらしいですよね。

 天様、ありがとうございました。





 そして、貴様二太郞様に『カドミウムイエロー』をコミカライズしていただきました!

 冒頭部分ですが、こちら。



   挿絵(By みてみん)



 眼鏡女子ナギコさん。ナチュラルテイストで、かわいい。

 作中にはナギコさんの描写はないのですが、よくぞ眼鏡女子にしてくださいました!

 にたろ様、ありがとうございました。現在、本編の最後に掲載させていただいております。





   ****





 年は明けましたが、今回も本題は第三回イラスト交換企画。3回目はいよいよ構図のお話に入っていきます。


   



 途中寄り道をしつつ11月を迎え、そろそろ本格的に構図を決定せねばいけない時期になりました。なんたって、締め切りは11月の末ですからね。これ以上はのんびりしてはいられません。


 それまで物語を読み進めつつあれこれ違うパターンも練っていたのですが、やはり最初(9月中旬頃)に浮かんだ構図(もの)が、一番印象的かつカッコ良くなりそうな感じがします。今回は、クールにカッコ良く決めたいんです。だって、アクションありのSF作品ですもの。


 そこでここに手を加えて、決定稿としようと思います。



   挿絵(By みてみん)



 ……だから、ラフ画って公開したくないのよ。これですよ、これ。どこがカッコいいのかって、頭を捻っちゃいますよね。

 一応、自分では理解しているから、いいんですけどね。描いてないけど、バックには特畜隊メンバーを描く予定……になっておりますのよ。脳内完成予定図では!





   挿絵(By みてみん)

      ボツ下絵  こちらの方がよほど()()()……。





 第一稿を思いついたとき、これはデジタル作画()取り入れた方がいいな、と思いつきました。

 いえ、アナログ描きを止めるわけじゃありませんよ。だから「も」なんですってば。

 テンプレートにも記載したとおり、加純さんは「アナログ派」なのです。っていうか、わたし、そこまでデジタルソフトを使いこなせない。


 必要なところだけ、デジタルで処理しようというわけです。お道具が増えるということは、可能性が増えるということですからね。アナログ派だからといって、制作をオールアナログにこだわることもないのでは? 


 デジタルとアナログのいいとこ取り。プロ・アマ問わず、この方法で製作されている方はたくさんおいでなのだそうです。


 だって、大切なのは作品を仕上げることでしょう。その作品をより良く仕上げるために、道具や画法を模索するのは当然のこと。その道具のひとつがデジタルソフトであって、デジタルで仕上げるという方法を取るだけです。アナログだけでは難しいことも、デジタルの魔法を使えば可能になること、多いですからね。


 もちろん、前回お届けした「紅葉狩り」のようなオールアナログ制作のイラストの醍醐味も忘れてはいませんが、使える手段は多い方がいい! 

 すでに「幻想・夜陰夜会」で、アナログで描いたイラストをデジタルで加工(←原画にはさみを入れずにイラストを切断。※44話参照)するという実験を成功させているので、新たな可能性に挑戦してみたいのです。


 どのみち「みてみん」に画像投稿するには、イラストを写真に撮ってから色調調整だの、サイズの変換など、どうしても加工する必要性が出てくるのですから、それが少し増えるだけのことだよね。

 どうせ、そのくらいが関の山……なんですもの。加純さんの技術(ウデ)では。

 オールデジタルで仕上げるなんて、ムリムリ。ボーッとした風景画が、それとなく(カタチ)になってきたかなぁ(?)な段階ですよん、まだ。

 まあ、アナログ派として、キャラはコピックで描きたいという意地もありますけどね。



 そこで主人公である餡ちゃんとサゴシはコピックで。後ろに配置する特畜隊メンバーはデジタル仕上げ――という構成を取ることに決定しました。

 画面いっぱいに画が入ることになりますが、アナログとデジタルの違いが、自然と餡ちゃんとサゴシを浮き立ててくれるはず。『家畜の意思』という作品は、このふたりが軸となってストーリーが進むのですもの。前面に出さなくっちゃ。

 でも。特畜隊メンバーをデジタル仕上げにしたい理由は、他にもあるのですけどね。



   挿絵(By みてみん)

      構図ラフ画


 あれ(上↑のラフ画)が、2ヶ月後にこうなるのですよ。ほとんど魔法!? な進行具合ですが、ホントにホントなんです。特畜隊メンバーのイメージがはっきり見えてきたので、背景部分がきちんと埋まったのでしょう。


 幸いにもこれで腹田様からOKが出たので、作業を進めます。まずは下描き。



   挿絵(By みてみん)

      餡とサゴシ 下描き



 彩色していて悩んだのは、銃の塗り方。原作には種類の描写がなかったので、おそらくこんな銃を持っているだろうというものを勝手に想像して持たせました。


 自分も文章を書くのでよくわかるのですが、文字書きは、書き込まないことで読者の想像力を膨らませ場面(シーン)を構成することが出来ます。

 が、絵描きはその空白を埋めていかないことには場面(シーン)を作れないのですよね。

 例えば「曖昧な笑みを浮かべた」と文章ならこれで余韻を持って区切れるのですが、絵描きはなんとしてでも、その「曖昧な笑み」を絵にしないと観る側に納得してもらえないのですわ。


 じゃあ、その「曖昧」って、なんぞや? と云うことになるのね。抽象的な表現ほど、描くのは難しい。


 今回の「銃」は、描写からグリップを握って撃てるサイズ(拳銃)だろうと推測できるので、ある程度は絞られてきます。一口に銃といってもいろいろ種類があるので、そこは大事。

 拳銃とマシンガンでは、デザインも機能もずいぶん違いますからね。


 後はフィーリングで、当て推量。

 とはいえ。SF大好き女子同士。腹田様と感覚が似ているところが多くて、そのあたりは本当に助かりました。なにせSFですからね、感覚が違うと推測も推量もズレてくるのさ。


 で。話をサゴシと餡の「銃」に戻しますね。

 餡ちゃんは化け能力もあるから、道具に頼る必要はそれほどないでしょう。だから破壊力の大きな拳銃を持つ必要もないし、女性の手では軽量で小型のオートマチック式(←海外のドラマや映画によく出てくるタイプ)の方が取り扱いはラクだと思います。


 対して、サゴシはガッツリとしたデザインのリボルバー式みたいな拳銃ではないかと。それもコンバット・マグナムとかいうタイプ。(←某三代目大泥棒の相棒が携帯しているアレです)威力は半端ない。

 ナイーブな雰囲気に誤魔化されそうですが、サゴシは人間(ヒト)型ながら、優秀な化け能力集団に加入しても実力は引けを取らない優秀な人材ですからね。大型拳銃だろうと、容赦なく撃ちそうな気がします。(←個人の感想)



   挿絵(By みてみん)

 ちゃんと銃に見えるか不安だったので、ツイッターに流して反応を見た絵。



 もちろん銃の型もおおまか「そんな感じ」で、適当にデザインを加えて変化させています。

 そう。舞台は未来世界なので、発砲時の強い反動も、対ショック装置が現在とは段違いに改良・進化を遂げているはず。だから片手撃ちだって出来るのだよ、明智君。ははは。(←個人の見解)

(※コンバット・マグナムは訓練を受けた人間でも片手での射撃は不可能に近く、発砲の際はグリップを両手で握らなければ撃てないそうです)



   挿絵(By みてみん)



 加純さん、拳銃のことはほとんど知らないの。


 それと餡ちゃんのポーズ、多少不自然ではありますが、普通に立っているよりこちらの方がセクシーに見えるので「不自然」は無視する。


 「見映え」だけで描いています。





   挿絵(By みてみん)

      餡とサゴシ 着色後



 以前もお話ししましたが、黒の彩色は難しいんですよ。

 色の入れ方によって、地味にもなるし派手にもなる。べたっと塗っちゃうと重くなるし、下手に抜きを作ると陳腐になるんですもの。問われるのはセンス! なので、毎回ヒヤヒヤ。

 でもこれをデザインしたのは、わたしだし……。


 ――で。

 餡ちゃんは全身黒尽くめですが、いつものようにコピックの黒は使っていません。グレー系のC、W、N、TにBVやBをアクセントに入れています。ごめんなさい、どこに何番を入れたのかは覚えていない……。

 ハーフトップとホルスターがW系なのは確か、なのだけど。


 サゴシの髪は明るめの茶色ということで、E35,E34、E31あたりのはずです。ジャケットはGとYG系。インナーのハイネックシャツとジャケットの切り替えはT系あたりで、パンツはBV29、25、23だったような。


 う~ん、日々進む痴呆症が加純さんの記憶を消していく……。



 この絵をスキャンしてパソコンに取り込み、お絵かきソフトに読み込みます。

 そして餡とサゴシを別々のレイヤーに分けました。これは後から彼女たちの立ち位置を調整できるように、です。

 いいですねぇ、デジタルだと後から位置の調整が出来るんですもの。ありがたや、ありがたや。



   挿絵(By みてみん)

   餡とサゴシ 合成後 餡の化け能力発動!   



 もとより構図は決まっているのですから、小道具の配置も決定しています。ですが背景に入る特畜隊メンバーや、黄色のバリケードテープ(立入禁止区域を示す黄色いテープ)も、このときはまだ配置バランスに不安がありました。

 今回、このバリケードテープがおおきな役割を果たすので、角度や文字の並べ方に神経を使っていたのです。


 テープの文字をハッキリ見せたい、それもデジタル作画を使いたかった理由なんです。だって、これを全部手描きでレタリングするのは大変なんだもん! 


 ちなみにこのイラストではテープの文字は「KEEP OUT」ではなく、

「I don't want you to call me a l〇ve doll」(※〇は保険)、「愛玩用と呼ばないで」です。

 間違っていないよね、英訳アプリ使用しましたもん。(←それにつけても学生時代にこんな便利なものがあったら、わたしの英語の成績はも少しなんとかなっただろうになぁ……と真剣に思えました)




   挿絵(By みてみん)

      特畜隊メンバー 陸稲






ご来訪、ありがとうございます。

今年もマイペースではありますが、たくさんイラストを描く所存でございますので、引き続きどうかよろしくお願いいたします。


イラ交のお話、③で完成まで持っていく予定だったのですが、一身上の都合で、ちょっと間に合わなくなってしまいました。ので、もう一回! 

(その代わり、描き下ろしやら秘蔵ラフ画やら、かなり放出しましたよん!)


次回は特畜隊メンバーの彩色のお話、そして完成図へと進めていきます。

お付き合いの程、どうかよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あのイラストは、このように出来上がっていたんですね。すごい……!! コピックは使ったことがなくて憧れなのですが、黒が難しいというのは全身全霊で頷きます。そうそう、そうなんです……! なん…
[一言] そう。デジタルのいいところはレイヤーを分ければ好きなだけ移動や修正ができるところ! どちらの良いところも使って作品にしていくの、いいと思います! 黒の塗り、難しいですよね。素敵に仕上げていて…
[良い点] イラストが出来上がってゆく過程を見るのは大好物です(´艸`*) 私のラフはそれはもう酷いので、お見せ出来ません(笑)
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