2. 加純さん、春の憂鬱に悩み、新アイテムの購入を目論む。
無事2話目をUPです。
ホッ!
それで、なぜ急にコピックなる画材が欲しくなったのでしょう?
絵を描きたくなったのでしょうか?
それは「春」のせいなのです。
* * * * *
春は憂鬱。やうやう白くなりゆく脳内、気圧の変動にてつむりが痛み、思考には霞がたなびきたる。
あ、清少納言が草葉の陰で泣いていそうですね。
春は憂鬱と云う方は多いでしょう。
さいわいにも花粉症の症状はないのですが、わたしの場合、それ以上に悩ましいのは偏頭痛。めまい吐き気を伴うこの怪獣には、子供の頃から悩まされています。
天候や気圧の変動、体調不審、最近は天変地異(おもに地震)まで、いろいろな理由でズキズキと頭が痛みます。痛すぎて、吐き気を伴うほど。気圧の安定しない春先から梅雨明けまでは、特につらい時期でもあります。
鎮痛剤は、つねに常備。それでも薬を飲むタイミングを逃すと、ロキ〇ニンも効果ありません。
めまいがひどい時には、椅子に座っていることも困難で、滑り落ちた経験が。階段は要注意。2~3段踏み外すなど、朝飯前(!?)。そして頭が重くなってくるのです。
こうなっては、もう安静に身体を横にしているしかありません。
それでも症状は止まらないのですけどね。
自律神経がアヤウイらしい……とのこと。
体質なので、上手に付き合う方向でこれまで対処してきました。
3月に入った頃から、なんとなくその兆候はあったのですが、前回の「テスとクリスタ」のUPをした後から、どーんと憂鬱はやって来ました。
不調の勃発。
ズキズキの前兆、もわ~っと霞がかかったような、倦怠感がはびこる日々が続くようになりました。
続きを書こうとPCに向かっても、一向に文章が思い浮かびません。
早く、続きを書きたい気持ちはあるのに。
書いても書いても、なんだかしっくりこない。
これじゃない……、こうじゃない……、書いては消すの繰り返し。
気分を変えて別の話を書こうかと思っても、一文字も出てこない状態に突入。
スランプするほど才能はないのに、なぜなのよ~~!
そのうち頭痛肩こりめまい……、と症状が悪化してきまして、ついにはPCを立ち上げるのもおっくうになってしまいました。
そんなとき、ふと思ったのです。
絵を描きたい、と。
現実逃避と言わば言え! わたしにとって絵を描くことは、精神的リハビリでもあるのです。
医師だって、趣味を持って気分転換を図ることは、大変良いことだとおっしゃっておりました。
あ、先に言っておきます。
絵と云っても、二科展に出すような芸術的絵画な作品ではなく、子供の頃から親しんだ、漫画の影響にどっぷり浸かったようなイラストです。わたしが描くのは。
少女漫画食べて成長したような人間ですもの。
美術部にも、芸大にも所属したことはありませんが、絵を描くことは好きなんです。
好きなのですから、描きたいのです。
集中して、時間を忘れて、絵と向き合うのが楽しくて仕方ないのです。
技術は二の次、三の次でも!
子育てが忙しい時は、お道具を広げることもままならず、この趣味は半ば封印していました。
でも、もういいわよね。
わたしは「イラスト描き」と云う趣味を復活させることに決めました!
* * * * *
アナログ画。
前回デジタル画について少しお話いたしましたが、では加純さんが目論むアナログ画とはなんぞや。
かなりざっくり説明すると、紙に描く絵、です。
ざっくり過ぎて、クレームが来そうですね。
PCのソフトを利用して書き上げるデジタル画に対して、鉛筆や色鉛筆絵の具……等々を使用して、下書きから場合によっては色付けまで手作業で描き上げるのがアナログ画です。
場合によっては……とヘンな言い回しをするのはなぜって思ったお方。
するどい!
なかには線画は手作業でも、色付けはPCに取り込んでソフトを使用するという、双方いいとこ取りする方法もあるのですよ。
さて。
わたしがこれまでイラスト描きに使用してきた画材は、主に水彩絵の具です。あと、補整に色鉛筆。
でもね、最近のアナ画の主流派は、コピックなるマーカーだそうな。
絵の具が悪いって訳ではありません。色鉛筆だって、柔らかな色合いは捨てられません。水彩絵の具や色鉛筆で描きたい絵もあります。
でもね、使ってみたいではありませんか。
コピック!
マーカー独特の鮮やかな発色は、インスタ映えすること間違いなし。
SNSやツイッターなど拝見すれば、マーカーで着色された素敵なイラストが多々お見受けされて、
「ああ、わたしもコピックで描いてみたい!」
と、目を奪うとりどりの色彩は、長いブランクから帰って来たウラシマ絵描きの心を揺さぶられずにはいられないのでした。
ところが、ここに最大のネックが立ちはだかるのです。
それは価格。
コストパフォーマンスが~~~~!
コピックでイラストを描くには、ある程度、色を揃えなければなりません。水墨画のように黒一色の濃淡で表現できるウデがあればよいのでしょうが、わたしにそれは無理と云うもの。
過去に描いたイラストから使用頻度の高い色を割出してみると、最低でも20色くらいは欲しくなる計算になります。
カラーイラストが描きたいのですから、やっぱり色数が欲しい……!
ここで冒頭のつぶやきに戻るのです。
コピックを揃えるのだったら、「大人買い」するしかない、と。
一口にコピックマーカーと申しましても、種類があります。
ここは、もっともリーズナブルなチャオシリーズで買い揃えると仮定しましょう。
それにしても単価250円(税別)の品を40本というのですから、堅実な(!?)主婦としては二の足を踏んでしまいます。
資金繰りをどうしましょうか?
さっそく脳内ヴィジョンでそろばんが弾かれます。
電卓でもよいのですが、皮算用をするときは、なぜかそろばんの方がイメージがピッタリくるのでございますよ、お代官様。
かくして頭の中で、そろばんの玉が上にあがったり、下に弾かれたり……。
頭痛めまいと闘いながら、加純さんは珠算検定3級と云う過去の栄光を発揮して、答えを導き出す努力を続けたのでした。
* * * * *
でもね。
ふふふ。
ここで、棚からぼた餅が落ちて来たのです。
念ずれば通ず。
踏み倒す前に道が開けた、とでも。
加純さんは、コツコツと溜めたお買い物ポイントと交換したクーポン券4000円分と云うアイテムを手に入れたのだったー!
<バースディカード>
こちらも過去画。友人に送るバースディカード用に描きおろしたイラスト部分です。
実物は、台紙を付け、さらにデコパージュなどして完成させました。
手前の人物とばらの花は、透明水彩絵の具を使用。バックの効果は、コピックインクをエアスプレーで吹き付けて着色しています。
さあ軍資金を調達した加純さん。
はたして無事コピックを購入することが出来るのでしょうか?