19. 加純さん、チャレンジ精神に火を点けようと思う。
今年も暑い夏でした。
クーラーの効いた部屋から出るのが躊躇われるほど、暑い日々が続きました。
暑さが苦手は加純さんにとって、夏は大敵なのです。もう、なにもしたくない。ひたすら秋の到来を指折り数えて待つ日々で。冬眠ならぬ夏眠をしてやり過ごしたい。
そう思っても夏はやって来るし、なにもしない訳にはいかない。されば、どうやってやり過ごすかが課題となってくるわけで……。
『人魚』 ペン画 画像加工
要するに、熱中できるものがあればよいのですよ。
ほら、心頭を滅却すれば火もまた涼し――と云うではありませんか。暑さなど忘れ去るような、楽しいことがあればいいのです。
しかし。子供の頃ならともかく、社会人ともなれば楽しい事だけを追いかけてもいられません。責任を果たさねばならないことが、次々と湧いて出て来る。
さらなる枷は年齢。積み重ねるほどに体力は低下し、情熱の維持も簡単ではないものに。
夢は現実に侵食され、砂の城のようにもろく崩れて行くし。沈殿する後悔に憤ることさえ億劫になり、いつの間にか一心不乱になってひとつの事に対して集中して取り組むとか、たゆまぬ努力をすることなど忘れてしまうのですよ。
どうせ手が届かないと諦めてしまうと言いますか。
諦めることが上手になってしまうのですね。
それはそれで処世術なのかもしれませんが、すべての大人が「諦め上手」とは限りません。
ここにもひとり。夢見る頃はとうの昔に過ぎ去りましたが、加純さんはようやく見つけ出した「やる気」のかけらに、なんとか火を点けようと思い立ったのです。
ポンコツなので、そう簡単に点きやしませんけど――さ!
『貴石の奇跡 ルルとふしぎな石の精』より ルル コピック 色鉛筆
『なろう』やツイッターでお世話になっている陽麻様が絵本を製作なされていました。制作過程をエッセイ『初心者が絵本をつくってみる ~貴石の奇跡 ルルと不思議な石の精~ https://ncode.syosetu.com/n3799fd/』やツイッターで拝見していたのですが、それを見て思ったのです。
ああ、自分の作品を製本するっていいなぁ……って。
実は、絵本をつくったことがあります。
息子が保育園を卒園するときでしたか。保育士の先生の発案で、保護者様方が子供たちへ、成長の記録を手作り絵本にしてプレゼントしたのです。
制作に費やせる期間、約1年。進級のバタバタが落ち着いた頃、呼び出された年長組の保護者達(当時)に言い渡された課題は、とんでもなくハードルが高かった。
先生のご指導の下とはいえ、ドが付く素人が、表紙と裏表紙に正味8ページを埋めるのにどれだけ苦労したことか!
指導する先生方は日頃そういったことに慣れていらっしゃいますから、「カンタンですよ」と笑顔でお手本を示してくださいます。が、不慣れな保護者一同は、すでに絵本(成長アルバム)製作プラン提示の地点で腰が引けた状態で、作成手順の説明についていくだけで必死! 画用紙を半分に折るだけでも、眉間にしわが寄ってしまいます。
「内容は(子供に送る成長記録なら)どんな表示の仕方でもいいですからね」と先生はおっしゃいましたが、「完成品は卒園式の時に教室に並べます」と言われてしまったら、もう、頑張らないわけにはいきません。(←ヘンなところで負けず嫌い?)
当時、リアルがごたごたしまくったおかげで実質製作期間――約1か月。
写真の張り込みにシールの張り混ぜ、イラスト、折り紙切り絵にパッチワーク……まさにあの手この手でページを埋め尽くし、製本し、なんとか締切ギリギリに提出した記憶があります。
遠い昔ですが。
(息子よ、その母の力作をどこへ仕舞い込んだのだ!?)
ですから、陽麻様の絵本製作過程を読ませていただくのが楽しみでした。ページとページをきれいに貼り合わせるのが大変……とか、うなずけることしきり。
試行錯誤を繰り返し、より良いものを制作しようと努力する陽麻様にエールを送りつつ、自分の作品を本にして残すということに憧れも抱くようになりました。
そんなときです。
念是れば通ず――と申しますが。
みつけちゃいました、ピッタリの企画!!
『みんなで画集を作ろう』企画。
さすがです、ちはや師匠!
「はい!」っと、手を上げさせていただきました。
「お聞きになりまして、奥様。印刷して製本されたイラスト集を作成するのですって! 自分のイラストが画集に収まるのですよ」
「まぁぁぁぁ、夢みたいな話じゃございませんこと!?」
(ここは宝塚版「ベルばら」、モブの貴婦人方の会話風に脳内再生をお願いします)
いえ、マジ、それは「夢」です。叶えてみたいじゃありませんか。
ひとり2ページ担当(予定)。描き下ろしでも過去絵でもOK。作品提出期限は8月15日。製作期間は約1か月半あります。多少筆の進行過程がもたついたとしても、これなら大丈夫(だろう?)。
「夢」の実現を目指し、7月は、この企画のイラスト制作に燃えよう!
夏の目標、ひとつみつけ!
――――と、まあ。
案の定、このあとドツボにハマるのですけどね。(つづく)
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画集用のイラストの構図を練りつつ、数点ファンアートを描かせていただきました。作者の皆様、これもあなた様の作品を愛するが故の行いですので、どうか暖かい目で眺めてやってくださいまし!
まずはexaさま『白寿堂~アルバイト先にはつくもがみがいる!?~』より。
https://ncode.syosetu.com/n7603fl/
「暑い中、草取りご苦労様。さあ、冷たいお茶でも飲んで少し休憩したほうがいいよ……って、どうして素直にいえないのかしら? by花緑青」です。
はい、長いですがこれがこのイラストの正式タイトル。このタイトルでないと、この画はおもしろくないのです。理由は、本編をお読みくださいませ。
前回珠串さんを描かせていただきましたので、今回はヒロインとヒーローを。花緑青と云うのは、ふたりを見守る少女の名前です。
こちらはさば・ノーブ様『魔鋼騎戦記フェアリア』より。
https://ncode.syosetu.com/n7611dq/
「殲滅の女神 ミハリュー」 ペン画 スクリーントーン
ヒロイン、ミハルを追い詰めようとする悪のヒロイン。ということで、表情が少しゲスいです。ミハルに向かって「あんたなんか、あたしの○○よ!」と高飛車にキツい言葉を投げつけているのでしょうか。
ただいまこの画でさば様の「FAを送ってお皿ゲット」企画に参戦中。みてみんのPV数で勝敗を決めるそうです。歴戦の猛者たちの中で、ミハリューは生き残れるか!?
こちらの企画は10月20日まで参加者募集中だそうです。詳しいことはさば様のかっぽうをご覧ください。
さばファンの皆様は、奮ってご応募を!
なななん様『白陽国物語~蕾と華と偽華の恋~』より。
https://ncode.syosetu.com/n8370ed/
「煌明帝と青蘭」 ペン画 画像加工
中華風ラブストーリー、いよいよ物語は大詰めに差し掛かってきました。
このおふたりの恋も無事成就するのでしょうか。願いを込めて。
実はこのイラスト、いわくがありまして。
このイラストを描き上げたのは7月30日なのですが、前日の下絵の段階では、向かって左側の少女青蘭は花を抱えていました。煌明帝のお部屋に飾る花を運んできた……みたいな設定で描いていたのです。が、ペン入れの段階で「ここは花じゃないな」とふと思い、気が付くとお茶を運ぶ姿に変更されていました。
花がお茶に変わった理由はありません。ただその前に描いたFA(一枚目の『白寿堂』のイラスト)でもお茶を進めていたので、本当はこれ以外の小道具が良かったのですが、なぜか、どうしてなのかここに落ち着いちゃったのです。
なににしても「煌明帝を気遣うやさしい青蘭」なので良し(←アバウト)としてペンを進めていたら、なんだか彼女を見つめる煌明帝の視線も甘く愛おしさを隠せなくなり。
とまあ、ここまではよくある悪ノリパターン。だから、さして気にもせず「描いてみました!」とツイッターにUPしたのです。
さて、不思議なのはこれから。
なんと! ちょうどその頃更新された第3部7話の中で、煌明帝が臣下たちと密談をするところへ青蘭がお茶を運ぶシーンがあったのです。
もちろん偶然の一致、なん様とわたし、なんの打ち合わせもしめし合わせもしていません。
蓋を開けたら――。作者と絵師が一番びっくりしたという珍事件でした。
そして、もう1枚。
第3部12話を読み終えて、こんな落書きを描いちゃいました。
この物語、緑栄推しのわたしとしては「どうしても描いてみたくなったの♡」という衝動のままにちょこちょこっと描いたので、クオリティはお恥ずかし限りなのですが勢いでなん様にお送りしてしまいました。
「緑栄、シルバに甘える」 ペン画 画像加工
だって、義兄に甘える緑栄がかわいかったのですもん。
さて、ここからは頂き物。
ツイッターの会話から、さば・ノーブ様が描いてくださいました。
「ミハルとテス、おばけやしきのふたり」
後ろからおばけが脅かそうといていますが、このふたりを脅かしたら、おばけの方が危険ではないかという気がするのです。
くれぐれも用心して襲うようにしてください。返り討ちは必須ですからね。ふたりとも手加減してくれませんよ。いいですか、おばけさん?
もひとつ。
「理の女神の魔法衣を着るテス」
これぞ、コラボ。
さば様は、女の子を「絶対」可愛くお描きになる方ですね。
ありがとうございました。
それから!
ツイッターで志茂塚ゆり様が募集された『絵描きます企画』。以前から志茂塚さまの絵に惹かれていたわたしは、即座に応募させていただきました。
抽選(あみだくじ~♪)の結果、幸運にも当選! これは理の女神さまのおかげでしょうか。なんまいだぶ(←ちがーう! とミハルに叫ばれるわね)。
冗談はさておき。
お願いしたのは『テスとクリスタ』。
全く違う持ち味の絵をお描きになる志茂塚様が、わたしのキャラをどう表現なさるか、とても興味があったのです。豊かな色彩と生命力に溢れた伸びやかな線が、テスとクリスタの世界観をどう捉えるのでしょう。
描き手の情熱で描くファンアートではなく、作品のこと、作画のこと……いろいろ打ち合わせを重ねた上での制作。イラスト以前に、志茂塚さまとの会話が楽しくて有意義で。
時間を掛けて、とても丁寧に描いてくださいました。
作品の世界観を打ち出そうとする志茂塚さまの毅然とした姿勢が、画面から溢れています。そして作者も知らなかった(作品の)空気感を教えていただけた、貴重な1枚となりました。
そのうえロゴまでデザインしていただきまして、現在こちらは第1話 good-bye その①の冒頭に掲載してあります。
これまでいただいたファンアートも掲載して行こうと計画中なのですが、どこにどなたの作品を挿入しようかと、贅沢な悩みを抱えることになってしまいました。
その前に、本編を更新せねば!
ファンアートは不思議です。描いてくださった絵師様の目線で、受け取った書き手はまた違った作品の側面を見せていただけるのですもの。
いただいたファンアートは宝物です。その一枚一枚に、どれだけ勇気づけられてきたことでしょう。
ファンアートは魅せるレビューです。文字を連ねる代わりに、視覚にダイレクトに訴えるレビューです。
キラキラと輝く作品の良さを、色やカタチに変えて届けるレビューなのです。
わたしはそう考えています。
だから、そんなファンアートを描いていきたいと思うのです。
作者様に、こんなシーン観たかったとかこの表情がいいんだと喜んでいただける、作品の後押しが出来るイラストを描いてみたいです。
もちろん簡単なことじゃありません。残念なことに、作品の良さにわたしの手(技術)が追い付かないこともありますが、そこは精一杯努力してみますから!
そして、さらなるチャレンジを試みることにしました。
長岡更紗様主催の「イラスト交換」企画に参加します。「誰でも楽しく描けて、どんな絵でも貰って欲しい」がコンセプトのイラスト交換会です。
参加者同士がランダムで決められた方の小説のキャラクターを、イラストや切り絵等で表現しようというものです。誰が誰のキャラを描くことになるかは、応募期間終了後に決定します。興味を持たれた方は、長岡様かっぽうまで。
長岡様とはツイッター上ではお付き合いがありますが、「なろう」はお気に入りユーザ様のかっぽうですれ違う程度の、ほぼ初対面。ですから今回の企画参加者名簿を見ても、面識のない方が多かったりします。
さらに長岡様のかっぽうへお邪魔したら、「筋肉」祭やっていました。
「三人娘 水着姿」 ペン画 画像加工
う~~ん、わたし、筋肉系のキャラって描いたこと無いよ。ほら、わたしの画は少女漫画テイスト。少女漫画でムッキムキはあまり……。その前に少女漫画で男子キャラのヌードもしくは半裸となると、水着姿か着替えかお風呂、あとは○○○(自粛)シーン。
「んまぁぁぁぁ……、R指定!? それもR18の方ではありませんこと!」 (ここもモブ貴婦人で脳内再生してください)
それ、運営さんに叱られます。企画参加者の皆様に迷惑が掛かります。
話しが反れています。
しかしプロフィールに「なんでもチャレンジします!」って書いた手前、「描けません」とは言えない。これは練習しておいた方がよさそうです。
――ええ。ムッキムキの方、ですよ!!
しかも、わたしに求められているのは「カジュアル系」ではなく「シックな筋肉」なんだそうな。
なに? シックな筋肉って、なに?
筋肉のカジュアルとシックの境目って、どこにあるの?
よくわからないまま、まずはノーマルな筋肉からお勉強してみることにしました。
え、違う!? ヘンねぇ。
それから、筋肉の下にはこれがある。タンパク質も大事だけど、カルシウムも大事!
…………。
嗚呼、ムッキムキへの道程は遠そうです。
ミケランジェロの模写でも始めようかしら? でもミケランジェロじゃ、シックは遠いような気もする。
どうしたものでしょう?
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最後に滑り込みっ。
ツイッターのなにげない呟きから始まった、東風さまとのコラボ(お仕掛け)!!
『(仮)あのコに首輪をつけてみたい♡』
東風さま絶賛執筆中です!!
という訳で。
次回は画集のイラスト裏話と、お仕掛けコラボの話の予定です。
ご紹介した企画は2019年のものです。
主催者様方は、あなたの参加を待っています。
さあ、みんなで参加しよう!