17. 加純さん、春に物思う。
もうすぐ「令和」がやって来ます。
あれよあれよという間に、「平成」が終わろうとしています。「昭和」生まれのわたしにとっては、三つ目の年号がやって来るのですよね。
はあ、年齢を取る訳です。
しかし、イラスト描くのにそんなこと関係ないとお思いでしょう? まあ、直接は関係ないかもしれませんが、少しもの思うことがありました。
「Tess 天使ヴァージョン」 コピック、マルチライナー使用
前回をお読みの方は覚えておいでかもしれませんが、次回更新は5月の予定でした。
ほら、なにせわたし、のんびり屋さんですから(←自慢しない!)。出来るかどうかわからないことを「やります!」とは言えません。
うっかり公言したら後が大変!! (「加純さん、『春』を描く。」参照)
でもね。4月もせっせとイラストを描いていたら、結構在庫が溜まりました。それに伴い「平成」に描いたイラストは「平成」の内にUPしておいた方が良いのでは? と思い立ちまして。
ホラね。のんびり屋でいい加減な加純さんの事です。在庫があればそれに胡坐をかいて、おサボりするかもしれないではありませんか。せっかく2年目に突入したのに、ここで足踏みしてしまってはよろしくありませんよね。
という訳で、「平成」最後の大放出です。
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まずは『舞踏手の耳飾り ~アージ・アルイーンの書外伝~』より、舞妓ヴェスタ。
たなびくヴェール、妖しげな笑み。大勢の聴衆を前に、自慢の舞を披露しているのでしょうか。アルイーン大陸を旅する「流浪の民」の舞妓が、妖しく微笑んでいます。
物語の舞台は「千夜一夜物語」風の世界。衣装も、それらしく。
「妓女ヴェスタ」 ペン画、画像加工有り
細かな装飾品を描きこむより、トーン張りの方が難しかったかしら。
現在、本文中に挿絵として挿入されています。
またツイッターのハッシュタグ企画で、「エロい絵」と云うのがありまして。
よせばいいのに再挑戦。今回は露出度を上げようかと挑戦したのですが、描けば描くほどドツボにハマって、どんどんエロさから遠のいていくような……。結局ポージングで誤魔化すという手段でお茶を濁すことにしました。
だけど「エロい」の定義って、どこにあるのだろう? わたしの画って「エロい」要素があるのだろうか? 今回も露出度ゼロ、数々の不安と疑問を抱えながら、取り敢えずUP。
ツイッターに掲載したのは枠も赤色で統一したものでした。でもね、なんだか印象が薄くて。
刺激を狙った赤色が膨張して、画面がぼやけているように見えちゃう。だんだん不満が募って来ました。
そこで枠を黒に修正。すると画面全体が締まり、シャープな感じが増しました。
エロいかどうかは別にして、絵的にはこっちの方が断然イイッ! やっぱり見せ方は大切ね。
「temptation 1」 ペン画、画像加工有り
兎にも角にも「色情を刺激したり性的興奮を起こしたりする官能的な描写(ウィキペディア参照)」は不得手……ということに、ようやく思い当った加純さんでした。(←遅い)
『テスとクリスタ』から。
炎を操るテス。発火能力の保持者として、堂々たる姿です。敢えて空間を多く取って、クールさを演出してみました(……のつもり)。
バックに何も描かないイコール手抜きじゃありませんから~。この画は最初から画像加工をするつもりだったので、効果の面白さを狙って余白を取ったのです。結構勇気いるのですよ、あえて何も描き込まないのって。
いろいろ試行錯誤したのですが、この画のテスは空中に浮いている状態ですし、掌から浮き上がる炎が目立たなくならないように、凝った加工はしないことにしました。
「tess 15」 ペン画、画像加工有り
もう一枚。
波間を漂い、悲しみに沈むテス。乱れる心情を、揺れる波模様で。
セールでお安価く購入したスクリーントーンを、有効利用してみました。ハリハリ、コシコシ……で、この効果! やっぱりトーンって便利です。
背景はもう少し描き込みたかったのですが、頼りなく不安な雰囲気を増長させたくて最小限に(……って、したくとも時間が無かったのもありましたけどね)。
「tess 16」 ペン画、スクリーントーン、画像加工有り
クリスタ姐さんのファンの皆様。お待たせしました。
お忘れかもしれませんが、彼女の職業はモデルです。華やかなライトを浴びる姿を描いてみたくて、一枚。華やかな黄色のドレスが似合いますでしょ? ポスター写真と云うよりは、ランウェイを歩いていそうな雰囲気で。
こちらはツイッター未発表。初出しです!
「christa 5」 コピック、マルチライナー、画像加工有り
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ここからファンアートです。
先月のFAテロは、静かに今月も遂行されていたのでした。
最初の一枚は、ファンアートと云うより、応援アートとでも申しましょうか。
師匠ちはやれいめい様が、七瀬渚さまとコミティアに参戦されるそうな。
詳しくは「イベント素人ちはやが文学フリマ出店を目指す日記~自宅のパソコンとコピー機でコピー本、印刷所依頼とオンライン入稿、雑貨を作ろう~」 https://ncode.syosetu.com/n7822fk/ をどうぞ……なのですが、こちらのエッセイやツイッターに発信されるおふたりの奮闘ぶりを拝見しているうちに応援エールを送りたくなりました。
もちろん「応援しています!」の一言でもお心の広いおふたりは快く受け取ってくださるでしょうが、ここは絵師としてちょっと気張ってみようかしら、と。
――で。
「オーサキちゃん、応援する!」 コピック使用
ちはや師匠に贈呈したオーサキちゃん(擬人化)に一肌脱いでいただきました。衣装は華やかで元気が出そうな赤色の単衣を新調。旗など持たせて。
オーサキちゃんは「とべない天狗とひなの旅」 https://ncode.syosetu.com/n8043ff/ に登場する陰陽師ナギの式神です。
もう一枚。
こちらはなななん様の「白陽国物語~蕾と華と偽華の恋~」 https://ncode.syosetu.com/n8370ed/ より、
「煌明帝と緑栄」 ペン画、スクリーントーン、画像加工有り
後日、このイラストをもとになななん様がSSを書いてくださいました。ありがとうございます!! 感涙です!! この構図にしてよかった……と思いました!!
そちらは思わずニヤリとしてしまうお話なので、ぜひご一読を。
描かせていただくに当たって、ふたりの設定は皇帝陛下と宮中官僚ですから、優雅に上品に見えるように心がけました。どちらも美形だと描写がありましたから、張り切って美男子にしちゃいましたよ。ふっふっふ。
白陽国は架空の国ですが、中華風なので衣装も調度品もそれ風に。
いいですよね、中華ロマン――。
といっても、中華五千年。日本だって時代によって移り変わりがあるのですから、中国だって流行り廃りはあるのです。どの時代の風俗を参考にすればいいのでしょう? 資料がぁ……。
実は中華時代もののイラストって描いたこと無くって(ブランク前の遠~~~~い過去に一度だけお姫様描いたよーな記憶が……)、構図はかなり前から頭の中にあったのですけど、資料集めをゆるゆるやっていたら、完成までにずいぶん時間がかかってしまいました。申し訳ありません、なななん様。
なにが難航したって、緑栄(画面向かって左側の男性)の官服。結局それっぽいのを引っ張り出してきましたが、これでよかったのか未だ不安。煌明(手紙を見ている男性)も皇帝ですからこの冠ではないと思うのですが、イメージを重視するとこっちかなぁ……とか。
中華ものは難しい。手を出せない理由はここに。どなたかよい資料を教えていただけませんか?
それから、頂き物。
「魔鋼騎戦記フェアリア」 https://ncode.syosetu.com/n7611dq/ のさば・ノーブ様から、テスを。
たくさんのFA、ありがとうございます。こんなに描いていただけるなんて、テスはなんて幸せ者なのでしょう。
さて。
注目すべきは、背景です! 見て、見て! 写真との合成。すごーい!!
吊るされた紅い宮橙が揺れていますよ。『紅棗楼』の迷路のような回廊は、こんな感じなのでしょうね。そして手前に拡がるのは『華鳳池』。
発火能力と浮揚能力を駆使した戦いの決着はいつ着くのだろうか? 作者も知りたい(←馬鹿なこと言っていないで続きを書こう)。
さて。
改元の日は、もう目前。
「令和」はどんな時代になるのでしょうか。のんびり屋のわたしが、ゆっくりお話やイラストを描いていられる平和な時代であって欲しいと願います。
「令和」が皆様にとっても、良き時代でありますように。