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取引

王城のとある一部屋でただならぬ緊張が立ち込めていた


「……それで何か用かな?」


静まり返った執務室に恐る恐る問いかけてくる声に


「呼び出したのはそちらでしょう?」


話し相手は坦々と言葉を返しその人の苛立ちを感じさせる


「……そ、そうだったね。呼び出したのは、私の息子と婚約してくれないか?」


室内の温度が急激に下がっていく中で


「前回もお断りしたはずです」


呼び出した男性の方は即答されたことに苦笑いを浮かべたが


「なに、今すぐ婚姻しろとは言ってないのだが……あの息子のどこが気に入らない?」


呼び出された女性は深くため息をはきながら


「確かにあの方の()()()()完璧で地位も誰もが欲しがるものでしょう」


そこで彼女は言葉を切ると男性の心の中を見透す様に


「ですが、あの様なお子様では皆に良いように扱われるだけの傀儡に成りかねない。その為に私を側に置きあの方の純粋な心を護るために一生を捧げたくありません」


男性は頭を抱えため息をつくと


「相変わらず親子揃って頑固だな」


真っ赤なドレスを来た女性は深く頭を下げ


「性分ですので申し訳ございません」


それを聞いた男性は椅子にもたれ掛かり


「もういい。仕事があるのだろう退室していい」


女性は礼をしてからゆっくりと部屋を出ていった


閉じていく扉を見ながら男性は


()()()()()()()()()してもか?」


その呟きに女性は止まることなく扉を閉め歩いていった


◆◆◆◆◆


ミーシェは宿につくなり真っ赤なドレスを脱ぎ軽食を2人分頼み兄さんの分は保温魔法をかけた。テラスに自分の分の軽食とドリンクを運び夜空を見ながら今後の事を考えていた


それはここに来る前に送られてきた呼び出し状のせいで策を練らなくては成らなくなった


はぁ~初回のイベントさえ回避できたら大丈夫だと高を括っていたのが悪かったのかしら?今になってまた婚約しろと言ってくるとは思わなかったわ!……それに最後のは実際に命令されたら断れないしね~け・れ・ど・! ヒロインさえ見つけ出しアミールと婚約させれば、仮婚約者と言う立場から逃れられる!そうと決まれば起こす行動はただ1つ!Aコースにいるヒロインを見つけ出しアミールのルートに行くように仕向ければいいだけ!!明日からは忙しくなりそうだわ


それから数分後ミーシェはうきうき気分で合流した兄さんと再び国境に出向き



「お初にお目にかかります。チェスター・モントヴェルト の息子 ヴライアン・モントヴェルト と申します。隣にいるのが──」


「チェスター・モントヴェルト の娘 ミーシェルミツキ・モントヴェルト と申します。エマール帝国の皇帝陛下・皇紀様。並びにアクアジェンニ第一皇太子様・アスクル第二皇子様。ご機嫌麗しく成りよりでございます」


兄妹揃って優雅に礼をすると


「まぁ!!兄妹揃って何て美しいのでしょう」


興奮する皇紀


「確かにアルヒアンピール王子と並ばれたときより絵になる二人だな」


それに同意する皇帝


「ごほん!」


咎めるように咳をする宰相。それを苦笑いで見ている二人の皇子。真剣に出迎えている兄妹。何とも言えないカオス状態から言葉を発したのは皇帝の方だった


「ぁっ!これから数日間だがよろしく頼む」


「光栄でございます」


兄さんが陛下に返事を返すと陛下はミーシェを見るなり


「数日ぶりだなミーシェル嬢」


ミーシェは一歩前に出るとカーテシを行い


「エマール帝国陛下におかれましては、視察中のおもてなしに感謝しております。そのご恩をお返し出来るように精神いたしますわ」


「そうか。案内を頼む」


「畏まりました」


兄さんが「こちらです」と馬車の先頭に乗りながら両陛下と皇太子の案内を始めた


ミーシェはその場に残っているアスクルと宰相の方へ振り向き


「お二方は馬車には乗りませんの?」


安易にさっさと行かないのか と伝えると


「精鋭な護衛がついておりますゆえご心配には及びません」


宰相の言葉に面倒くさく思いながらも


「さようでございましたか。では、私になにか仰りたいことがあるようですわね」


宰相は目を鋭くしながら


「聡くて助かります。私は帝国の宰相をしています アフィラド・エクスピノと申します。」


彼は「それでは、本題に入りましょう」

と前置きしてから懐から手紙を取り出し


「2・3日前にこの手紙が投封されました」


ミーシェは渡された手紙の内容を読むなり


「……それでアスクル第二皇子が私に帝国近衛兵の制服を渡したわけですね」


アスクルに視線を向けると何とも腹立たしくニヤニヤ笑っていた


「ご協力を願いたいのです」


宰相の言葉に視線を戻し


「ご協力をしたいのは山々ですが、私は自国の王子を護るために学園に入ったので常に側にいることは出来ません」


キッパリ無理だと返すもアスクルが


「親父達の事は俺等が交代で護衛するが、兄貴の護衛はほぼ無理に近い」


……うん?まさかアクアは学園視察をするつもり!?じゃあアスクルが皇帝側の見張りに行くのは司令塔がいなくなるから?


もう一度アスクルに視線を向けると


「貴女が思った通り。兄貴は学園視察を行う」


ミーシェは1つの提案を出すことにした


「アスクルと宰相殿これは、提案です。私の影を一人貸しますので、アスクルはアクアの側で護衛。私はアミール王子を守りながら襲撃者を追跡し情報をはかす」


そちら側の負荷と利益が多い事をアピールしたがさてどうなるか



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